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50年目の『俺たちの旅』中村雅俊・秋野太作・田中健・岡田奈々が語る、変わらない絆と生きることの“切なさ”

 1975年10月から日本テレビ系で放送された青春ドラマ『俺たちの旅』が昨年、放送開始から50周年を迎えた。それを記念した最新作『五十年目の俺たちの旅』が1月9日より封切り。シリーズ初となる映画化に、カースケ・中村雅俊、オメダ・田中健、グズ六・秋野太作、真弓・岡田奈々というオリジナルキャストが再集結。さらに中村は今作で初監督にも挑戦した。50年という歳月がもたらしたものと変わらなかったもの、スクリーンに映し出される“あの頃”の自分たちに何を感じ、新たな物語にどう向き合ったのか。撮影の舞台裏から作品に込めた深い思いまで、4人に語ってもらった。(取材・文:遠藤政樹)

映画『五十年目の俺たちの旅』より

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 『俺たちの旅』は、中村演じるカースケ(津村浩介)、秋野演じるグズ六(熊沢伸六)、田中演じるオメダ(中谷隆夫)の3人が織りなす青春群像劇で、昭和の若者文化を象徴する名作として知られる。放送終了後も『十年目の再会』『二十年目の選択』『三十年目の運命』と節目ごとにスペシャルドラマが制作されてきたが、今回ついにシリーズ初となる映画化が実現。企画・脚本は、連続ドラマからのメインライターである鎌田敏夫が担当している。

■50年前の自分との再会 スクリーンに蘇る“あの頃”の姿

――ドラマシリーズの映像がふんだんに使われていますが、過去のご自身をご覧になってどう感じましたか?

【中村】 今回は監督も務めたので、自分でそうしようと決めました。回想シーンも数秒で消えるものではなくて、一つのシーンを丸ごとちゃんと使おうと。観る方々が(それぞれのキャラクターが)50年前にどうだったかを回想する意味で、たっぷり見せてもいいのではと最初から考えていました。かなり多くの回想シーンを使っています。

【田中】 (昔の自分を見て)あまり変わってないんじゃないですか、そんなには(笑)。

【岡田】 私の場合、洋子さん(金沢碧)は当時の映像で登場するのに対して、私は現在の姿じゃないですか(笑)。そこはちょっと、女性としては「若い方がいいなあ」というのはあります。(私も)昔の映像はいいですけど、洋子さんはずっと若いままで映っていますからね。

【中村】 心配しなくても大丈夫。奈々ちゃんも十分きれいに映っています。

【田中】 すごく素敵だよね。

【岡田】 なぐさめですね(笑)。

【秋野】 僕は(昔の映像は)ほとんど出てこない、どうもこうもないですけどね(笑)。

【中村】 昔のグズ六は本当にぶっ飛んでいて、ぶっ飛んだ感じは顔の表情といい芝居といい完璧ですから、今回の50年後で見せたかったのですが、あの精神を今回少しでも出したかったのですが、なかなか出す場がなくて。監督として、ちょっと残念に思うところではありました。ただ多少やってくれた場面もあります。

――ドラマシリーズと比べると、人間としての芯は変わらないものの、表面的には“大人感”のようなものは感じました。

【中村】 今回は理事長ですから、そういうことを演じなくてはいけないというのがあって。猫を被っていると言いますか、それを取り除けば昔のグズ六が出てくるのでしょうけど、今回はちょっとしか出てこなかった。過去の映像を観れば面白さがわかると思います。

【田中】 すごく面白いよね。

【中村】 芝居も面白いのですけど、表情の豊かさもすごい。ぶっ飛んだ芝居をしながら、俺らの芝居もちゃんと見ていて、それを受けてやってくれているところが、やっぱり秋野さんの凄さですね。

■岡田「眠れない日々が続いた」 想像を超えた鬼気迫るシーンの舞台裏

映画『五十年目の俺たちの旅』より

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――洋子の過去映像と言えば、真弓と洋子の“あるシーン”は映像の妙も相まって圧巻でした。

【中村】 あのシーンも奈々ちゃんとの話し合いをかなりしました。時々自分で奈々ちゃんを説得できないというか。ちょっと言葉足らずな部分があったのが、自分の中では悔しかったですね。現場ですごく頑張ってくれて超えたなっていう手応えがありました。

【田中】 (岡田は)どうしたらいいのだろうって悩んでいましたけど、見事にこなしていましたね。モニターで見ていましたが、みんなで「すごい」「いい顔している」と話していました。

【中村】 俺は演じつつも客観的に見ながらのなか、撮り方は成功したかなと自分の中で納得しているところはあります。実際、いろんな越えなきゃいけない山はあったので、それを一つ一つ越える作業をして、なんとか合格点は与えられるくらいにはなったかな。

【岡田】 最初に台本いただいたとき、衝撃的でびっくりしました。30年後(『三十年目の運命』)までは自分が描いていた真弓像でしたが、その後の20年間に一体真弓に何があったのって考えさせられる台本だったので、どうやってやったらいいのかと。皆さんにご迷惑をかけちゃいけないしということで真剣に考えました。

【田中】 30年後からいきなり50年後だから、どう埋めていくか大変だよね。

【岡田】 それはもう中村監督やプロデューサーなど、みんなでディスカッションして、こうした方がいいといったいろいろなヒントをいただきましたが、私としては眠れない日々が続いたような現場でした。

【中村】 奈々ちゃんの苦悩はそばにいて感じ取っていたので、余計あそこのシーンはクリアしなきゃという気持ちは強かったですね。

■監督・中村雅俊、ファインダー越しに見た仲間と自身の演技へのジャッジを反省

映画『五十年目の俺たちの旅』より

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――今回みなさんは共演者でもあり、監督と演者でもあります。監督としての中村さんは、お三方からみてどのような監督でしたか。

【中村】 褒めてよ(笑)。

【田中】 芝居のことはそんなにしゃべらなかったよね。(演出は)「ここちょっと強めに言った方がいいかな」といった程度で、細かいものはなかったです。

【中村】 それは、役作りがすでにできているから。(田中は)このまましゃべればオメダになっちゃうし、秋野さんもそう。だから役作りに関して言うことはなかったです。そういう意味では、もう安心してやっておりました。

【岡田】 中村さんが一番大変だったんじゃないですか。(演者と監督を)切り替えるということで。

【中村】 撮影が終わって編集段階に入り、素材をつなげたものを観たとき、いちばん「なんだこれ!」ってなったのが俺の芝居でした(笑)。みんなの芝居はちゃんと客観的に見てOKを出せるけど、自分の芝居となると見方が厳しくなく、中村の芝居に対して甘いんです(笑)。なぜか自分の芝居に対して「よし!」って言ってしまう。だからつなげてみたとき、「なんだ、この中村の芝居は!」って(苦笑)。反省点の一つですね。

【田中】 わかるような気がする。俺らはまだ「俊ちゃん、どうだった?」って聞けるけど。(中村は)まさか俺に聞くわけにもいかないしね(笑)。でも誰も何も言ってくれなかったの?

【中村】 (監督の)中村がOKと言ったらOKになっちゃうから(苦笑)。監督をやって思ったのは、映像作りは数学みたいにはいかないということ。「1+1=2」はみんな知っているけど、映像作りや芝居においては時には「1+1は5」といったような表現が必要な場合がある。周りから「2じゃないですか」という声があっても“5”を正解として、その“5”を正解にしていく作業は、やっぱり大変だなと思いました。

■変わらない本質と曖昧になる役との境界線 50年の歳月がもたらした一体感

――同じ役を長年演じられてきて、キャラクターの変わった部分と変わらない部分はどこですか?

【中村】 役を演じるという意味では変わってない。ビジュアルだけが変わった、というくらい単純な感覚です。それくらい、一緒に芝居をすると昔と変わらないなって感じました。

【田中】 映画だから、ちょっと役を変えなきゃいけないというか何か考えなきゃと思ったけど、実際は何もしなくてよかった。3人集まると自然とそうなるんです。余計なことをしなくても、僕が喋っているとオメダになっている。こういうこと、あるのだなと感じました。50年ってすごいなと思います。(オメダであることが)もう普通ですね。

――役がご自身になじんでいるというか、ある種、一体化しているような感覚なのでしょうね。秋野さんはグズ六についてどう捉えていますか。

【秋野】 この作品は、役者としても人間としても、いろんなことがバレるんですよ。芝居をしなければならないけど、芝居をしたところでバレる(笑)。だから、あるがままにやるしかない。一番怖いのは“嘘”を見つけられること。だから今回は、かなり慎重になった。雅俊くんからは昔のようにやってくれと言われたけど、逆に作品を壊しちゃっても申し訳ないから、いろんな意味で慎重だったよ。

でもそれで良かったと思う。余計なことしなくてね。お客さんは今回の芝居というより、僕らの何か“別なもの”を見ている気がする。それに正直に応えるためには、下手な芝居はできない。“嘘”をつかないように、慎重にやらせていただきました。

【中村】 確かに秋野さんは本当に慎重で、セリフとかシーンの流れについての慎重さがすごくあって、そのぶん台本の読みが深かった。あるシーンで俺が「昔のグズ六みたいにやってほしい」とお願いしたときも、秋野さん慎重な返事でした。

――お二人ともそれぞれいろいろ思いや考えがあったことがうかがえます。

【中村】 ちょっとびっくりしたのは、そういう反応だったので難しいかなと思っていたのですが、「ここは多少できるかも」というシーンがあったので秋野さんと話し合ったところ、当時のグズ六みたいな感じで思いっきりやってくれたんです。いろんな考え事があったのでしょうけど、結論として「こういう芝居でよし」と決めてくれて、俺はうれしかったです。

■人生の“切なさ”と“抗い” 『俺たちの旅』が貫く不変のテーマ

映画『五十年目の俺たちの旅』より

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――本作はまさに人生を見ているような感覚になりますが、ストーリー全体の感想や印象を教えてください。

【中村】 『俺たちの旅』は、50年前から生きていること、その切なさみたいなものがテーマ。考え方を変えると、人と同じ生き方はしていないといった摩擦みたいなものと戦って自分の生き方を通すことだと思っています。今回は理事長だったり、町工場の社長だったりという、ある程度収まったところにいますが、やっぱりオメダというトラブルメーカーがいて、最終的には味方になって、現在の立場というベールを脱いで、いま流れているものに抗っていく姿は、『俺たちの旅』らしさが出ているところかなと。

――オメダはやっぱりオメダですね(笑)。カースケもグズ六も“らしさ”でたっぷり魅せてくれています。

【中村】 常識があるとしたら、非常識みたいなものを貫いていくのは、50年前の『俺たちの旅』と同様、今回も「何かに抗って生きていくんだ」というものが出せたかなと。それでいて、しっかりと切なさも、特にオメダを中心に、生きていることの切なさが表現できたと思っています。

――お名前が出ましたが、オメダ役の田中さんはいかがでしょうか。

【田中】 好きなことやっているけど、相手がちゃんと認めてくれる。これが『俺たちの旅』のすごいところではと思っています。反対ばかりするわけじゃなくて、その人の生き方を尊重してくれる。そこが気持ちいいところではないでしょうかね。だからこそ切なさも、もっと切なくなっていくのだろうと思います。

――観ている方もそう感じている方は多いのでしょうね。

【田中】 僕(オメダ)なんか、とんでもないことばかり言っていますから(笑)。「何を言ってるんだ」って一瞬思いました(笑)。それもちゃんと認めてくれる懐の大きさはすごいですよね。

――お互いにきちんと口にできたうえで支え合える関係性は素晴らしいですね。

【田中】 例えば「バーカ」って言ってしまえば、それで終わっちゃいますよね(笑)。でもそうは言わない。そこがすごいし、それが『俺たちの旅』がここまで受けている良さじゃないでしょうか。

――秋野さんは今回のストーリーをどう感じられましたか?

【秋野】 ざっくばらんに申しまして、雅俊くんにとっては難しい脚本で非常に苦労したと思う。(始まりが)50年前の作品で、前作の(2003年に放送されたスペシャルドラマ)『三十年目の運命』から考えても20年も空いているから、どんな設定も考えられる。例えば(登場人物の)誰かが亡くなっていてもおかしくないわけだし、病気になっていてもおかしくない。問題は現代とのつながりと、回収の仕方だよね。それがちゃんと回収できているのかどうかは監督の腕次第だから、完成稿を作るまでに相当、雅俊くんは苦労したのでは。正直言って、すごく難しい脚本をもらったと思うよ。

【中村】 当たりです(笑)。

【秋野】 演出という意味では頑張ったのだから、あとはお客さんの判断。僕も含めて、どういう合格点をもらえるのか、もらえないのか。まな板の鯉の心境で、うまくいけばいいなと思っています。それぞれの役が成長していたり、映画として撮影するという点で難しい脚本だった。でも鎌田さんが作った作品になっています。その中に雅俊くんが放り込まれて七転八倒していたという作品ですね(笑)。

【中村】 秋野さんが全て言ってくれました(笑)。ありがとうございます。ともに戦っている同士でした。

――みなさんのご苦労が伝わってきます。岡田さんはいかがでしょうか。

【岡田】 おっしゃる通り(台本は)難しいし、私の役も本当に難しくて。理解してやらないと役者って(芝居が)できないじゃないですか。なんでこうなったかを深いところまでおりていって考えないと、「なんで?」ばかりで全然つかめない。それが私にとっては3カ所ほど波があって、「どうしたらいい?」のだろうと。それを乗り越えるのが大変でした。

【中村】 今回奈々ちゃんを見ていて、『俺たちの旅』を愛しているのだなと思いました。大好きな『俺たちの旅』の中で、ああいう真弓ちゃんでいたくない気持ちがあって、それがわかればわかるほどどうしよう、どうすればいいんだっていう雰囲気が伝わってきました。

【田中】 それを乗り超えていましたから、奈々ちゃんすごく良かったと思いました。

【中村】 奈々ちゃんが言ったみたいに、役者って気持ちでわかって、セリフの機微をわかった上でやるのが普通だけど、わからないままにちょっと踏み込んだところもあったよね。

【岡田】 わからないから鎌田先生に会ってお話をうかがったら、これがそうだという答えを教えていただいたんです。ただその答えもそのときはちょっとわからなかったのですけど(笑)。あとあとは「そうなんだ!」と思ってやらせていただきました。

■『俺たちの旅』は「“俺”の旅」 4人のたたずまいを見てほしい

――みなさんにとっての『俺たちの旅』という作品を一言で表すなら?

【中村】 こういうのは秋野さんがうまいんです(笑)。

【秋野】 (驚いて笑)『俺たちの旅』は「“俺”の旅」だよ。

【中村&田中&岡田】 おお〜!(一同、拍手)

――とても素晴らしい表現ですね。これに勝るものはないかもしれません。視聴者からしても、“俺”(自分)の旅という感覚になりますから。

【田中】 わかりやすい。(俺というのは)それぞれの旅だよね。本当に素晴らしい。秋野さんに振れば何とかなるよね(笑)。

【中村】 その一言で勘弁していただけますか(笑)。

――もちろんです!素敵なお言葉をありがとうございました。最後にご自身の役の注目ポイントを教えてください。

【中村】 俺は監督もやったので、ここを観てほしいとは言いづらい。全てのシーンを頑張って撮ったので、特に観てほしいところを聞かれたら、もう全部です。監督という立場からは、瞬きせずに頭からずっと観てほしいなと。そして最後に「『俺たちの旅』になっている」というふうに感じてもらえたら。そうやって見てほしいです。

【田中】 最後の病院のシーンかな。あそこだけはもう納得させないとまずいなというプレッシャーがありましたね。大事なシーンだし、(演じていて)面白かったです。

【秋野】 世界的に見ても珍しいね。普通ありえないよ。主に3人のジジイと、いまだに若々しいお嬢さんが出ていますけど、そのたたずまいを見るだけでも一見に値する作品では。なかなかこんなことはないですよ。50年前にやった仕事で、50年後にこんな風にしてできるのかなと。(4人が)現役を続けていられるからこそかな。鎌田さんの脚本はもちろんだけど、4人のたたずまいを観に来てほしい。もうそれだけで面白いからね。

【岡田】 振り返ってみると、真弓は波乱万丈だったのかなって思います。30年目でも2度離婚して、子どもは相手に引き渡しているような人生を送っていて。今回50年後を書いていただいたのですけど、最終的に真弓は真弓だったのでホッとしたところもありました。今作には3人の友情とか深い絆、そして愛がいっぱいありますので、ぜひご覧になっていただきたいです。

【中村】 まとめてくれました(笑)。

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