自身のコンプレックスをメイクで隠し、別人のようになる、いわゆる“詐欺メイク”のビフォーアフターにSNSでは度々注目が集まる。「自分の顔も体型も何もかもがコンプレックスだった」と過去を明かした綾瀬ちいさんの整形級のメイクは106万回再生を超える反響を呼んだ。一方、自身の一重まぶたがコンプレックスで、二重への強い執着心からメイクの研究を始めたというYouTuberのハウスダストさんのビフォーアフターも話題を集めた。彼女たちは“詐欺メイク”と出会い、どのようにコンプレックスを克服してきたのか。それぞれに聞いたエピソードをあらためて振り返る。
■「目の大きさ違う」整形級メイクでナチュラルに“大化け”した女性「メイクは自分を前に進めるかけがえのない存在」
「自分のコンプレックスは全部メイクで塗りつぶしてやる」という文言とともに、整形級のメイクのビフォーアフターを投稿した綾瀬ちいさん。「柏木由紀みたい」「こういうナチュラルに見えるのにしっかり盛れてるメイクしたい」「この方にメイクやってもらいたすぎる」など動画には多くのコメントが寄せられ、106万回再生を超える反響を呼んだ。そんな彼女がメイクに興味を持ち始めたのは、「自分の顔への憎しみがピークになったときだった」という。
「自分の顔を嫌い続ける生活がずっと続き、顔のことで頭がいっぱいになって、やらなきゃいけないことが何もかも出来なくなった時期があったのですが、ある日プツンって糸が切れるように『いつまでこんなこと続けてんねやろ自分』って無性に嫌になってしまったんです。自分の顔への憎しみがピークになった時に、『メイク頑張ろう!』って気持ちが急に湧いてきました(笑)。当時の自分の精神状態ではありのままの自分の顔を愛すなんて出来そうもなかったので、『自分の顔を変える!』『整形はすぐには出来ないからメイクを頑張る!』という思考回路のもと、メイクの研究をはじめました」
メイクの研究に力を入れるようになってからは、顔の一つ一つパーツを冷静に分析するようになり、自分の顔の中で認められるパーツも少しずつ増えていったという綾瀬さん。見た目への考え方やコンプレックスに対する向き合い方も変化した。
「今でも自分のすっぴんを見て落ち込むことがたくさんありますが、『でも化粧したら良くなるしな〜』と思えるようになったことで少し気が軽くなりました(笑)。劇的に顔が変わったり、自分を認めたりできるようになるわけではないけれど、メイクは私のことを確実に前に進めてくれるかけがえのない存在です」
SNSでは、メイク方法の他にも「今は令和、誰かをブスと言わなければ主張できないかわいいなんて捨てろ」「消えないほっぺのクレーターはお月様の証」など、ルッキズムに対してポジティブな考え方も提示している。
「私は“かわいくなるための努力”は、完全にポジティブな理由で行われるべきだと思っています。強迫観念的な気持ちを動機とした努力は絶対にどこかで破綻するからです。今の自分も素敵だけど、もっと素敵になりたい。そういう気持ちでする努力でないと自分も他人も傷つけてしまう。だけど、誰かに容姿を悪く言われる経験は、ネガティブな動機や強迫観念を誘発してしまうんです。こんなにルッキズムが蔓延っている時代だからこそ、『容姿を悪く言われる』という経験をする人が少しでも減ってくれたらいいなと日々思っています」
■一重コンプレックスから二重に強く執着していた女性「メイクでコンプレックスを潰すことが自分を認められる実績に」
学生時代は自身の一重まぶたがコンプレックスで、アイテープやアイプチを駆使して「二重になることに強く執着していた」と話すYouTuberのハウスダストさん。彼女がメイクをし始めたのは中学2年生頃からだという。
「ネットにすごくハマって美容に興味を持ったんです。美容系の人たちはみんな二重で『私も二重になりたい』という思いが大きくなり、執着心も強かったです。メイクとか垢抜けとかよりも二重にすごく執着心があったのを覚えています。美容系のYouTubeを見るのが大好きだったのですが、一重の私がその人と同じメイクをしても同じになれないことで、よりコンプレックスになっていきました」
中学生時代は自分でお金を稼ぐことができなかったことから、買ってもらえるアイプチは月1個。1回で成功する日もあれば、3回やっても60点くらいの出来の日もあり、失敗した日は前髪で顔を隠して学校に行っていたそう。
「高校生になるとみんなSNSを始めて。これは絶対に私のことだと感じる悪口を書かれる機会があったのですが、誰かに『こういうところ変だよね』と書かれたらすぐに直していました。指摘されたら、素の自分を別人にしていくような感覚で、メイクで真逆のことをして。たとえば、ナチュラルメイクが似合ってないと言われたら、派手めのメイクをすることが多くなりました」
メイクのテクニックは完全に独学。ものまねメイクからはじめ、アニメのキャラクターメイク、チャイボーグメイクなどなりたい人の顔を見て、様々な写真、角度から研究した。幼少期の家庭環境もあり、「お金がなくてもかわいくなれるのを証明したい」という気持ちで、自身の経験も踏まえてSNSでの発信をはじめたという。
「整形やダイエットなど、きれいになる手段はいろいろとありますけど、メイクは一番手っ取り早くきれいになれる方法で、社会に出るとメイクをすることがマナーにもなっています。でも、なぜか社会に出るまではメイクをさせなかったり、着飾ることさえ許されない風潮もあります。学生のときは『メイクはダメだよ』と言われるのに、社会に出た途端、『それが当たり前だよ』となるのが、すごく怖いなと感じています」
「コンプレックスはあるけど金銭的に厳しくてメイクができない」、「メイクをしすぎて親から化物みたいだと言われた」という視聴者からのメイクに関する悔しさや理不尽さを聞くことも多いハウスダストさん。メイクで悩んでいる人たちには、「気にするなという方が絶対難しいとは思うのですが、理由をつけて自分の好きなことをしてほしい」と語る。
「コンプレックスって、なくなることのほうがつまらないなって最近になって思うんです。コンプレックスを潰したことが、自分のなかで自分を認められるひとつの実績になる。私のなかでは、二重になったことがそうでした。それが実績になって自信になって、メイクが好きでメイクをしていたら、『そのメイクかわいいね』と言われて。実績が積みあがっていく。本当にどうしようもない部分もあるとは思いますが、それがメイクでどんどん少なくなっていったらいいなと思います」
【写真】半顔メイクの結果がエグイ…「目の大きさ2倍」「加工かと思った」
■「目の大きさ違う」整形級メイクでナチュラルに“大化け”した女性「メイクは自分を前に進めるかけがえのない存在」
「自分のコンプレックスは全部メイクで塗りつぶしてやる」という文言とともに、整形級のメイクのビフォーアフターを投稿した綾瀬ちいさん。「柏木由紀みたい」「こういうナチュラルに見えるのにしっかり盛れてるメイクしたい」「この方にメイクやってもらいたすぎる」など動画には多くのコメントが寄せられ、106万回再生を超える反響を呼んだ。そんな彼女がメイクに興味を持ち始めたのは、「自分の顔への憎しみがピークになったときだった」という。
「自分の顔を嫌い続ける生活がずっと続き、顔のことで頭がいっぱいになって、やらなきゃいけないことが何もかも出来なくなった時期があったのですが、ある日プツンって糸が切れるように『いつまでこんなこと続けてんねやろ自分』って無性に嫌になってしまったんです。自分の顔への憎しみがピークになった時に、『メイク頑張ろう!』って気持ちが急に湧いてきました(笑)。当時の自分の精神状態ではありのままの自分の顔を愛すなんて出来そうもなかったので、『自分の顔を変える!』『整形はすぐには出来ないからメイクを頑張る!』という思考回路のもと、メイクの研究をはじめました」
メイクの研究に力を入れるようになってからは、顔の一つ一つパーツを冷静に分析するようになり、自分の顔の中で認められるパーツも少しずつ増えていったという綾瀬さん。見た目への考え方やコンプレックスに対する向き合い方も変化した。
「今でも自分のすっぴんを見て落ち込むことがたくさんありますが、『でも化粧したら良くなるしな〜』と思えるようになったことで少し気が軽くなりました(笑)。劇的に顔が変わったり、自分を認めたりできるようになるわけではないけれど、メイクは私のことを確実に前に進めてくれるかけがえのない存在です」
SNSでは、メイク方法の他にも「今は令和、誰かをブスと言わなければ主張できないかわいいなんて捨てろ」「消えないほっぺのクレーターはお月様の証」など、ルッキズムに対してポジティブな考え方も提示している。
「私は“かわいくなるための努力”は、完全にポジティブな理由で行われるべきだと思っています。強迫観念的な気持ちを動機とした努力は絶対にどこかで破綻するからです。今の自分も素敵だけど、もっと素敵になりたい。そういう気持ちでする努力でないと自分も他人も傷つけてしまう。だけど、誰かに容姿を悪く言われる経験は、ネガティブな動機や強迫観念を誘発してしまうんです。こんなにルッキズムが蔓延っている時代だからこそ、『容姿を悪く言われる』という経験をする人が少しでも減ってくれたらいいなと日々思っています」
■一重コンプレックスから二重に強く執着していた女性「メイクでコンプレックスを潰すことが自分を認められる実績に」
「ネットにすごくハマって美容に興味を持ったんです。美容系の人たちはみんな二重で『私も二重になりたい』という思いが大きくなり、執着心も強かったです。メイクとか垢抜けとかよりも二重にすごく執着心があったのを覚えています。美容系のYouTubeを見るのが大好きだったのですが、一重の私がその人と同じメイクをしても同じになれないことで、よりコンプレックスになっていきました」
中学生時代は自分でお金を稼ぐことができなかったことから、買ってもらえるアイプチは月1個。1回で成功する日もあれば、3回やっても60点くらいの出来の日もあり、失敗した日は前髪で顔を隠して学校に行っていたそう。
「高校生になるとみんなSNSを始めて。これは絶対に私のことだと感じる悪口を書かれる機会があったのですが、誰かに『こういうところ変だよね』と書かれたらすぐに直していました。指摘されたら、素の自分を別人にしていくような感覚で、メイクで真逆のことをして。たとえば、ナチュラルメイクが似合ってないと言われたら、派手めのメイクをすることが多くなりました」
メイクのテクニックは完全に独学。ものまねメイクからはじめ、アニメのキャラクターメイク、チャイボーグメイクなどなりたい人の顔を見て、様々な写真、角度から研究した。幼少期の家庭環境もあり、「お金がなくてもかわいくなれるのを証明したい」という気持ちで、自身の経験も踏まえてSNSでの発信をはじめたという。
「整形やダイエットなど、きれいになる手段はいろいろとありますけど、メイクは一番手っ取り早くきれいになれる方法で、社会に出るとメイクをすることがマナーにもなっています。でも、なぜか社会に出るまではメイクをさせなかったり、着飾ることさえ許されない風潮もあります。学生のときは『メイクはダメだよ』と言われるのに、社会に出た途端、『それが当たり前だよ』となるのが、すごく怖いなと感じています」
「コンプレックスはあるけど金銭的に厳しくてメイクができない」、「メイクをしすぎて親から化物みたいだと言われた」という視聴者からのメイクに関する悔しさや理不尽さを聞くことも多いハウスダストさん。メイクで悩んでいる人たちには、「気にするなという方が絶対難しいとは思うのですが、理由をつけて自分の好きなことをしてほしい」と語る。
「コンプレックスって、なくなることのほうがつまらないなって最近になって思うんです。コンプレックスを潰したことが、自分のなかで自分を認められるひとつの実績になる。私のなかでは、二重になったことがそうでした。それが実績になって自信になって、メイクが好きでメイクをしていたら、『そのメイクかわいいね』と言われて。実績が積みあがっていく。本当にどうしようもない部分もあるとは思いますが、それがメイクでどんどん少なくなっていったらいいなと思います」
2025/01/20