演歌・歌謡曲新世代の活躍――前回に続いて今回は女性アーティストに焦点を当ててお届けする。女性歌手たちに特徴的なのは、「トップアイドルからの演歌歌手への転身」「グラビアもできる演歌歌手」「流しと歌手の二刀流」「昭和の演歌から令和の最新ヒット曲まで歌いこなすオールラウンダー」などなど、これまでの演歌・歌謡曲界の常識を打ち破った活躍を見せる“エンターテイナー”が多いこと。皆、演歌・歌謡愛は持ちつつも、“自らの価値観を大切にし、己の道を突き進む”ニュージェネレーションらしい活躍ぶりを見せる。二刀流という自分の価値観を尊重し続けて、球界最高の選手に上り詰めた大谷翔平選手のように、ここから歴史に残る大スターが生まれるかもしれない。 2012年2月1日に秋元康プロデュースのシングル「無人駅」で演歌歌手デビューを果たした岩佐美咲は、人気アイドルグループAKB48出身だ。小学1年の頃からダンスを習い、歌って踊れる人になるのが夢で、中学時代、雑誌で見かけたAKBのオーディションに応募、アイドルとして歩み始めた。そんな岩佐が演歌歌手へと転身したのは、10年10月に開催された「AKB48東京秋祭り」でのカラオケ大会がきっかけ。他のメンバーがポップスを歌うなか、祖父母の影響で子どもの頃から親しんでいた演歌を選択し、「津軽海峡・冬景色を熱唱、優勝したことから、AKB初の演歌歌手としてソロデビューした。アイドルと演歌歌手の二刀流で活動し、14年にリリースした3rdシングル「鞆の浦慕情」では2014/1/20付オリコン週間シングルランキングで初登場1位を獲得。以降、22年リリースの10thシングル「アキラ」で、デビューから10作連続でオリコン週間演歌・歌謡シングルランキングで初登場1位を獲得している。
2024/08/28