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Morfonica、新たな一面を提示した“第2楽章” 諦めないために進む『強さ』への道程

 次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』から生まれたリアルバンド・Morfonica(モルフォニカ)が1日、6thシングル「両翼のBrilliance」を発売した。ORICON NEWSでは、オリジナル作品として約4ヶ月ぶりのリリースとなるこの1作について、進藤あまね(倉田ましろ役/Vo)と西尾夕香(広町七深役/Ba)に話を聞く。

Morfonica (C)BMU

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 Morfonicaは、同プロジェクトの「第4のリアルバンド」として2020年に始動。コロナ禍で活動を制限される中でも試行錯誤を続け、音源リリースやリアルライブを通じて進化と深化を遂げてきた。

 昨年7月からの東名阪ツアー『Morfonica ZEPP TOUR 2023「forte」』で初めて声出しOKの単独公演を経験し、同年12月発売のミニアルバム『forte』ではメンバー1人ひとりの個性や演奏力の“強さ”も明示。そして、今年4月14日に開催した初のコンセプトライブ『Morfonica Concept LIVE「forte」』で、従来のパブリックイメージを覆すダークな世界観を描き出し、さらなる可能性も提示した。

 そんなコンセプトライブの直後に実施した今回のインタビューでは、進藤と西尾に最新シングル収録曲に込めた思いや、今後へのビジョンなどを語ってもらった。

コンセプトライブ『Morfonica Concept LIVE「forte」』より (C)BMU

コンセプトライブ『Morfonica Concept LIVE「forte」』より (C)BMU

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■笑みをこらえ…まったく新しい世界観を作り出したコンセプトライブ

――まずは4月14日に行われた『Morfonica Concept LIVE「forte」』の手応えから聞かせていただけますか?

【進藤】それぞれのキャラクターにスポットを当てたライブは初めてだったので、たくさんの方から「Morfonicaの新しい一面が見えた」「これは見ておかないと損をするライブだった」と言っていただけてうれしかったです。

【西尾】「Morfonicaと言えばこういうライブだよね」というイメージとは真逆と言える雰囲気のライブでしたが、もともと各キャラクターにはダークな背景もあったんです。ただ、そこはガルパ(※スマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』)をプレイしていないとなかなか知ることができない部分でもあって…。

【進藤】昨年放送されたテレビアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』などからバンドリ!に興味を持ってくださった方々には、すごく新鮮だったんじゃないかなと思いますし、初期の頃から追いかけてくださっている方にとっても、各キャラクターのことをより詳しくお伝えできたんじゃないかと感じています。

――中盤から世界観が一気に変わりましたが、演奏やパフォーマンスの切り替えについても話し合っていたのですか?

【西尾】メンバー間では「中盤から笑わずにやろう」と決めていました。それ以外に細かな決めごとなどはしていませんでしたが、衣装までガラッと変わったことで、みんな自然と「世界観に没頭しよう」という意識になっていたんだと思います。

【進藤】私としては、内気でちょっと闇を抱えたましろちゃんを出そうと思って、とにかく「笑っちゃダメ、笑っちゃダメ」と念じていました(笑)。あと、中盤からはあえて煽らずに、「かかってこい」という雰囲気を出すようにしていたんです。

――思わず笑みがこぼれそうになる瞬間もありましたか?

【西尾】「Nevereverland」辺りからアッパーな曲が続くセットリストで、ステージの前方に行ったんですよね。そうしたら楽しくなっちゃいました(笑)。前方に出て弾くと、みんなと目が合って楽しさがどんどん伝わってきちゃうんですよ。あのときは感情を抑えるのに必死でした…(笑)。

【進藤】いつも自然と笑顔になっているからこそ、「笑わない」という“パフォーマンス”がすごく大変で。でも、ライブ後にみなさんの感想を見たら「キャラクターがそこにいた」「物語に入り込めた」と言ってくださっていて…「これでよかったんだ、がんばってよかった」と安心しました。

コンセプトライブ『Morfonica Concept LIVE「forte」』より (C)BMU

コンセプトライブ『Morfonica Concept LIVE「forte」』より (C)BMU

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■“強さ”を追い求める過程で磨かれたスキル 新曲で表現される進化

――昨年の東名阪ツアー『Morfonica ZEPP TOUR 2023「forte」』から今回の『Morfonica Concept LIVE「forte」』まで、Morfonicaは約9ヶ月間にわたって“forte”(※「強く」を意味する音楽用語)を掲げてきました。

【進藤】実は、昨年のツアーと今回のコンセプトライブ、そして10月に開催予定のコンセプトライブ『Morfonica Concept LIVE「ff」』を、“3つの楽章”と位置づけているんです。

【西尾】明るい表情のツアーと、ダークな一面を見せた今回のコンセプトライブ…と、方向性の違う“力強さ”をテーマにしていて、2つが合わさって次の『Morfonica Concept LIVE「ff」』になるんです。なので、『ff』のロゴもツアーと今回のコンセプトライブを合わせたようなデザインになっていますよね。

【進藤】Morfonicaは今までキャラクターの「変わりたい」という気持ちを表現してきたんですが、「変わるためにみんなで強くなろう」という考えに至った結果、2種類の『forte』が生まれたんです。なので、きっと次のライブでは“2つの強さ”を見せてくれると思いますよ! 私たちがお見せするんですけど…(笑)。

――リアルバンドとしても強くなる必要がありますね。ツアーから今回のコンセプトライブまでを経て、バンドとして強くなったと感じる部分はありますか?

【西尾】新曲への対応力でしょうか…(笑)。ツアーでは公演ごとに新曲を披露して、今回のコンセプトライブでは一気に6曲も新曲を披露したんですよ。しかも、その6曲の難易度が今までの楽曲よりも高くて。

【進藤】大変でしたけど、おかげでメンバー間の距離がもっと近づいたなと思います。「ここの音どうしてる?」「だったらこっちはこう変えるね」みたいな会話が以前よりも増えて。それはメンバーだけじゃなくスタッフさんたちも同じで、やりとりを聞いているだけですごくワクワクしました。

――今回披露された新曲6曲のうちの1つが、今回のシングルの表題曲「両翼のBrilliance」でした。演奏してみていかがでしたか?

【進藤】(イスごと西尾の方を向きながら)いかがでしたか!?

【西尾】ベース始まりのオリジナル曲は今までなかったので、「自分の音が合図になるんだ」と気合いを入れていました。あと、ベースラインが特徴的なので、「みんな聞いて!」って思いながら演奏していましたね。

――随所にスラップ奏法を用いたフレーズが登場します。スラップ自体はこれまでも使われていましたが、今回のライブでは音色の質感が違いました。

【西尾】今までの楽曲では、スラップ用にEQの設定値などを調整した音色で弾いていたんですが、この曲に関してはベーシックの音色のままでスラップも弾いたんです。スラップ用は音の抜けをよくするために、固めで少し尖った音色にしているんですけど、デフォルトの音色で弾くと太くて存在感のあるスラップになるんですよね。

6thシングル「両翼のBrilliance」Blu-ray付生産限定盤ジャケット

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――歌に関してはいかがでした?

【進藤】テレビアニメ『カードファイト!! ヴァンガード Divinez』のエンディングテーマとして描き下ろされた曲で、歌詞の要所要所に『ヴァンガード』の用語が登場するんですが、それをましろちゃんとしてどう表現すればいいかを考えて歌いました。歌詞を読ませていただいたとき、Morfonicaの世界観と『Divinez』で描かれているテーマに重なる部分があると感じたんです。

――ライブパフォーマンスではダイナミックな手の動きが印象的でした。

【進藤】動きにも『ヴァンガード』の要素を入れ込みたかったので、<Stand up!>と歌う箇所でカードファイトを始めるときの動きを採り入れました。あと、最後に山札からカードをめくる動作をしていたり。これは前回(「カードファイト!! ヴァンガード overDress」Season2)のエンディングテーマ「Fateful...」のときにもやっていたので、気づいてくれる人がいたらいいなぁ…とこっそり思っていたんです(笑)。

――両作品に出演しているからこそのパフォーマンスですね。

【進藤】デビュー時から『ヴァンガード』に関わらせていただいているので、やっぱり思い入れも強いですね。動きについてはバンド練習の時からずっと考えていましたし、当日のリハーサルでも「やっぱりこっちの方がいいかな?」って練り続けていたんです。

6thシングル「両翼のBrilliance」通常盤ジャケット

6thシングル「両翼のBrilliance」通常盤ジャケット

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■2人を驚愕させる楽曲の“隠し味” 取材で明かされたメッセージ

――カップリング曲「音がえしのセレナーデ」と「蒼穹へのトレイル」の印象も教えてください。

【進藤】この2曲は『ガルパ』のストーリー楽曲なんですが、アフレコが先だったこともあって、ましろちゃんが諦めずにちゃんと進んでいる姿を浮かべながら、歌い方や声色を決めていくことができたと思います。「音がえしのセレナーデ」は、私が課題としている音域や歌い回しが多く使われていて、挑戦にもなりました。この曲はキメが多いからベースも難しそうじゃない?

【西尾】フレーズ自体の難易度はそこまで高くないんですが、リズムの取り方がポイントになりそうです。前にツッコみすぎてしまわないよう、意識的にちょっと後ろノリにしたり…。「蒼穹へのトレイル」は、とにかくフレーズの動きが多いですし、聴感上でベースがしっかり聞こえるな…と。「両翼のBrilliance」もそうですが、曲の中でベースの存在感が強くなっている気がします。

――「蒼穹へのトレイル」のサビの最後に入っている電子音も気になったのですが、今いただいた資料によると、「バイオリンの余韻を加工した音で、歌詞に合わせて<諦めない>というモールス信号になっている」そうです。

【進藤&西尾】そうなんですか!? 知らなかった!

Morfonica・進藤あまね (C)BMU

Morfonica・進藤あまね (C)BMU

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――レコーディング後に付加された音色なんですね。

【進藤】制作チームの方々は、普段から「音楽で面白いことがやりたい」と考えていらっしゃる方々なので、今初めて聞いてビックリしましたけど…納得です(笑)。

――これまでの楽曲でも驚かされるようなことはありましたか?

【進藤】私の声や歌い方は言葉数の多い方が映えるらしくて、毎回そういったアプローチを違った形で入れてくださっていることに驚かされています。

【西尾】私は、前回のミニアルバム『forte』に収録された「わたしまちがいさがし」のコード進行にビックリしました。今まで見たことがないような進行で、覚えきるまでに通常の20倍ぐらい時間がかかりました(笑)。

――新曲を覚えるときはどれくらい時間をかけるものなんですか?

【西尾】曲の難易度次第ですね。数十分で運指を決めて「もうバンド練習で合わられるな」となる曲もある一方で、「わたしまちがいさがし」はライブ直前でも毎日3〜4時間くらい家で必死に練習していました(笑)。

【進藤】私からすると、譜面を覚えられるだけですごいです。私も趣味でギターを弾いているんですけど、いつもコードや譜面が全然覚えられなくて…(笑)。みんなはどうやって何十曲も覚えているんだろうっていつも思っていたので、今おゆちゃん(西尾)の話を聞いてビックリしました。

Morfonica・西尾夕香 (C)BMU

Morfonica・西尾夕香 (C)BMU

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【西尾】私の場合はベースを強調した練習用の音源をいただいて、ベースラインだけをひたすら聞くんです。Morfonicaのベースはとてもメロディアスなので、歌のメロディーを覚えるような感覚です。

【進藤】歌と一緒なんだ!そっか、あとはその音が鳴る場所を押さえて弾くだけですもんね。やっと覚え方がわかりました!(笑)

【西尾】でも、バッキングギターとか弾き語り、ルート弾きがメインのベースだったら、たぶんコードで覚えちゃった方が早いと思うよ?

【進藤】ぐぬぬ…。

コンセプトライブ『Morfonica Concept LIVE「ff」』開催決定ビジュアル(C)BMU

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■さらに続く“強さ”を探求する旅 進藤と西尾が目指す『ff』とは

――『Morfonica Concept LIVE「ff」』の開催も発表された今、歌唱や演奏面で強化していきたいポイントは?

【進藤】私はリズム隊を意識するべき曲が増えていると感じているので、ドラムとベースを聞く耳を強化したいです。特に二拍三連のビートなどで、バスドラムの1音目としっかり合わせられるように。あと、Elements Gardenのみなさんはいつも挑戦を与えてくださるんですが、今回の新曲たちは特にそういった箇所が多いので、基礎ももっと強化したいと思っています。

【西尾】今回のコンセプトライブは、新曲が多かったこともあって、自分の演奏に精いっぱいになってしまう場面もあったんですね。なので、次のライブまでにメンバー全員の音をしっかり捉えながら弾けるようになりたいなと思っています。

――今回のシングルに収録される3曲には、すべて「諦めない」「諦めたくない」というワードが登場します。進藤さんと西尾さんの中で「諦めたくない、今後挑戦したい」と考えていることは?

【西尾】私は「年齢を重ねても諦めたくない」という思いが年々強まっています。普段から何事にも「ちゃんとやらなきゃ」なおかつ「いろいろなことがしたい」と取り組むタイプではあるんですが、この先も諦めずにいろいろなことに挑戦していきたいですね。

【進藤】私もそう思います。私はもともとすぐに諦めてしまう性格なんですが、落語に挑戦させていただいたり、大好きな特撮作品に出演させていただいたり…と、声のお仕事以外にも「諦めなければ叶うんだ」と思えた出来事がたくさんありました。このインタビューが出る頃には年齢の10の位が変わって20歳になっているので、これからもすぐに諦めず、自分の“好き”を前に出しながら貪欲にがんばりたいです!

コンセプトライブ『Morfonica Concept LIVE「forte」』より (C)BMU

コンセプトライブ『Morfonica Concept LIVE「forte」』より (C)BMU

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