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大谷翔平、結婚会見にみる経済効果 時流を読む的確さも…3要素を解説【坂口孝則連載】『オリコンエンタメビズ』

 大谷翔平さんがインスタグラムで結婚を発表しました。その突然さと衝撃に、瞬く間に世界中に広がりました。きっと誰もが一度は「大谷さんって、どんな人と結婚するんだろうねえ」と話題にした経験があるはずです。結婚報告の後、そして囲みの記者会見後には、誰もが話題にあげるニュースとなりました。
ところで解説は野暮ではありますが、コンサルタントから見た大谷翔平さんの結婚会見と、それに付帯する経済的な効果について、3つの側面から説明していきます。

大谷翔平 (C)ORICON NewS inc.

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1.ファンベースを大切にした巧みさ
 まず私が驚いたのは、大谷さんの発表時間でした。結婚報告が日本時間で16時30分あたり。米国時間では夜中の0時30分あたり。大谷ロスのファンらが失望しないように、両国の株式市場が閉じたあとの発表でした。これは、半分冗談です。ただ、真面目に言うのであれば、日本の夕方のニュース、そして米国の早朝のニュース番組にかっこうのネタを投入したのは間違いありません。
 さらに結婚報告を兼ねた囲み取材も、日本時間の6時台でした。これも完全に狙ったとは思いませんが、日本の朝の情報番組に合わせたかのような時間でした。このような読みも可能なわけで、日本のファンを想っているとメッセージを送っています。
 会見を見ると、大谷さんは日本を中心とした多くのファンを獲得したように思えます。ディズニープラスで配信された「Shohei Ohtani - Beyond the Dream」で世界中の国民が大谷さんの真摯な姿勢に興味をもっていた土壌も見逃せません。

2.時流を読む的確さ
 大谷さんは会見で、結婚を後悔した理由について、黙っておくとメディアが「うるさいから」と正直に語りました。これは、週刊誌を中心としたメディアにたいして「芸能人個人の私生活を暴くのはいかがなものか」と反感が高まっているなかで、最高の理由でした。質問をした記者は、「うるさい」と聞いた後に、なかなか突っ込めませんでした。
 そのあとも、いいたくないところは言わずにメディアと的確な距離を置きました。また、普通の女性と語った結婚相手のプライバシーを尊重したように見えたのも良かったですね。日本語で質問する記者は、配偶者の手料理で良かったものを訊くなど、女性=料理を作って支えるもの、という図式に乗らなかったのもさすがです。
 おそらく羽生結弦さんの元配偶者のこともあったのでしょう。社会としては大谷さんの返答を歓迎するムードに包まれました。さすがに、交際の期間を訊かれた後に、婚約からと述べた意図については質問してほしかったですけれどね。

3.スポンサー企業の広告代替効果
 ところで大谷さんの会見を見て、新たな発見があったのは、収益源とファンの乖離です。アイドルは結婚したら、異性(とは限りませんが多くの場合は異性)ファンからの売上が減ってしまうかもしれません。ただアスリートはCM等への出演をしているとはいえ、それが主な収益源ではありません。むしろ、宣伝効果により、結婚報告後に大谷グッズがスポーツ小売店で大々的に陳列される現象がおきました。経済効果、というよりも、報道をきっかけにした収益増が多額に登ります。
 KOSE、西川、三菱UFJ銀行、dipなど、大谷さんを起用する企業がただちに祝福メッセージを発表。それをTVメディアなどが取り上げました。実に、この原稿でも書いているほどです。日本の大手TVメディアだけでも、多くの番組で取り上げました。キー局でCMを制作し流すことを考えれば、国民一人への宣伝認知費用が100円としても、1億人×100円=100億円の効果はあったはずです。

 なお、大谷さんは日本の小学校にグローブを贈ったり、チャリティをしたりと、慈善活動でも有名です。もちろん現在、企業各社は、大谷さんの子供とセットのCMを狙っているでしょう。また配偶者がいることでの、さまざまな変化についても大谷さんの「新たな味」となることでしょう。さらに大きな活躍を期待せざるをえません。
 それにしても、パパラッチが跋扈するところですから、過激なスクープ合戦はさけてほしいところですね。

■プロフィール

坂口孝則(さかぐち・たかのり)

1978年生まれ。福岡放送『めんたいワイド』(隔週)、TBSラジオ『日本リアライズpresents 篠田麻里子のGOOD LIFE LAB!』など出演。日本テレビ系『スッキリ』木曜コメンテーターも担当していた。趣味はメタルのライブに行くことで、音楽をこよなく愛する調達・購買コンサルタント、講演家。未来調達研究所株式会社所属。大阪大学経済学部卒業後、電気メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買に従業。現在は、製造業を中心としたコンサルティングを行う。著書は『牛丼一杯の儲けは9円』『営業と詐欺のあいだ』『未来の稼ぎ方』『製造業の現場バイヤーが教える 調達力・購買力の基礎を身につける本』『調達・購買の教科書』など。直近で『買い負ける日本』(幻冬舎刊)を発売した。

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