櫻坂46『小林由依卒業コンサート』が1月31日、2月1日の2日間にわたり、東京・国立代々木競技場 第一体育館で開催された。きょう1日に行われたday2をもって、欅坂46の1期生として2015年に加入してから、改名した櫻坂46を経て8年半にわたりグループをけん引してきた小林がアイドルとしての活動に幕を下ろした。

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　会場に選ばれた国立代々木競技場第一体育館は、欅坂46時代の2016年1月に開催されたイベント『ALL LIVE NIPPON』で、オープニングアクトとして初パフォーマンスを披露した思い出の場所。小林のアイドルとしてのラストステージを見守ろうと大勢のBuddies（櫻坂46ファン）が足を運び、また両日とも国内外へ向けたインターネット配信も実施された。

　公演前、小林にとって最後の影ナレは、1期生の同期である齋藤冬優花と一緒に担当。「声出す準備できてるか！最終日ぶちあがれ！」とらしい煽りで盛り上げる。Overtureでは、小林がエレベーターに乗り込み、2015年に欅坂46としてデビューしてからのアイドル人生を振り返りつつ、現在に至る様子が描かれた。

　オープニングを飾ったのは、小林・遠藤光莉・藤吉夏鈴の3人が歌う「ジャマイカビール」。1曲目からユニット曲という珍しい演出で会場を盛り上げると、小林・森田ひかる・山崎天のダンストラックからそのまま「摩擦係数」へ。全身ブラックのクールな衣装に身を包んだメンバーたちが、ライブ序盤からからアクセル全開のパフォーマンスを見せつけた。

　最初のMCでは、小林から「現実な感じがしなくて。（最後という）実感がこれといってなく、この状況が現実なのかふわふわした不思議な気持ちです。このままの気持ちで終わらないように気を引き締めて頑張りたいと思います」と最期のライブに向けて意気込んだ。

　その後、スクリーンには「五月雨よ」のミュージックビデオ（MV）撮影時のオフムービーが流れ、そのまま同曲へ。スカートの衣装に着替えセンターステージから登場したメンバーたちは、一面緑のサイリウムの中、先ほどとは一転したやわらかくしなやかなダンスで魅了する。

　そして、欅坂46時代のライブ人気曲「危なっかしい計画」のイントロが鳴り始めると、会場はすぐさま反応し騒然。小林の「腕ちぎれるまで回せー！」と吠えるような煽りで熱気はさらに上昇。小林はトロッコに乗り、緑一緒に染まる会場をめぐりながら、思いっきりタオルを回すファンたちに呼応した。

　続いて、昨年加入した3期生と欅坂46の1期生としてデビューした自身の加入当時を重ね合わせるVTRが流れた後、小林も交えて3期生曲「Anthem time」を披露。自身のこれからを鼓舞するように、そして3期生たちを応援するかのように“賛歌”である同曲を笑顔いっぱいで歌った。

　ファンとのつながりを歌った「Buddies」では、8年半にわたるファンへの思いを曲に乗せるとともに、間奏では小林が「私は今日をもって卒業します。櫻坂46最後の一日をこんなにたくさんの方に囲まれて卒業できることがうれしいです。これまでたくさんの援をありがとうございます！みなさん、大好き〜！」と感謝を伝えた。

　ラストスパートには「桜月」「Nobody's fault」「BAN」「承認欲求」「Start over！」と櫻坂46としての歴代表題曲を立て続けに披露。特に後半、激しいダンスが続くセットリストも、小林を筆頭に完璧に踊り切った。そして本編ラストの楽曲は、小林最後のシングルとなった「承認欲求」に収録され、自身がセンターを務める「隙間風よ」。曲終わりに髪を乱しながらも美しくたたずむ小林は、まっすぐ前を見つめていた。

　アンコールでは、卒業ソロ曲である「君がサヨナラ言えたって…」を一人センターステージでパフォーマンス。儚（はかな）くも力強く、そして美しく舞った。これまでの軌跡を振り返る写真たちがスクリーンに流れたあと、ベージュのドレスで再登場した小林は「ついにこの日が来たなと言う感じですね。卒業をお伝えしてから約2ヶ月くらいしか時間がなかったんですが、私の中では2ヶ月間、すごくいい時間を過ごさせていただきましたし、今まで以上にグループの活動を大切に一日一日を過ごすことができ、今日を迎えています」と現在の心境を吐露した。

　続けて3期生、2期生、1期生、スタッフや家族への感謝を述べた後、改めてファンへ「それぞれの応援の仕方で、それぞれの愛をたくさん私たちにくださって、本当にありがとう。皆さんのおかげで、私が存在している意義や理由を知れました。そんな1人の人生に影響を与えるような活動をしていたんだなと、すごく不思議な気持ちと、自分がそこに存在していたんだなっていう誇らしさでいっぱいです。私を私でいさせてくれて、本当にありがとうございました」と伝えた。

　最後には「8年半、すごくつらかったことももちろんあるんですけど、ライブができたことも、普通にメンバーと楽屋にいる時間もすごく楽しくて、そういう時間が私にとっての青春だったなと思います。皆さんの中での青春を思い出した時に“小林由依”がいたなって思い出してくれるだけで私は幸せですし、皆さんの記憶の片隅にちょこっといれたらうれしいなと思います」と呼びかけた。

　その後、休養中だった同期の小池美波も駆けつけ、小林、上村莉菜、齋藤とともに現在グループに在籍する1期生4人で「タイムマシーンでYeah！」を披露。さらに同ライブ本編には参加できなかった小田倉麗奈と的野美青も、小林への最後のあいさつをしにステージ上へ。これで現行の櫻坂46全員がそろうと、ピンクのペンライトで櫻が満開となった会場で最後の楽曲となる「櫻坂の詩」を歌唱した。

　小林は「櫻坂46として3年間過ごさせていただきましたが、私はこのグループが本当に大好きです。これからもみなさんに大好きと思ってもらえるグループになっていくと思うので、これからも櫻坂46をよろしくお願いいたします！」と最後まで涙を見せず、晴れやかな笑顔で伝えた。

【櫻坂46『小林由依卒業コンサート』セットリスト】
Overture
M01.ジャマイカビール
M02.摩擦係数
M03.断絶
M04.五月雨よ
M05.最終の地下鉄に乗って
M06.僕たちの La vie en rose
M07.危なっかしい計画
M08.Anthem time
M09.Buddies
M10.偶然の答え
M11.桜月
M12.Nobody's fault
M13.BAN
M14.承認欲求
M15.Start over！
M16.隙間風よ
ENCORE
EN1.君がサヨナラ言えたって…
EN2.タイムマシーンでYeah！
EN3.櫻坂の詩

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