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平野紫耀、アジアアンバサダー就任のインパクト アイドルがもたらす経済効果を坂口孝則が解説【連載】『オリコンエンタメビズ』

 日々話題を集めるエンタメニュースも、経済目線で知ればもっと面白くなる。そこで『ORICON NEWS』は、エンタメをこよなく愛する経営コンサルタント・坂口孝則氏に、エンタメにまつわるニュースを経済視点で解説してもらう連載企画『オリコンエンタメビズ』を開始した。今回は、アイドルがもたらす経済効果について解説してもらった。

経営コンサルタント・坂口孝則氏

経営コンサルタント・坂口孝則氏

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■「推し活」がもたらす“3倍”の経済効果

平野紫耀さんはすごい!」。私が言いたいのは、この一言に尽きます。

 平野さんはイヴ・サンローランのビューティ―ライン「イヴ・サンローラン・ボーテ」で初のアジアアンバサダーに選ばれました。アジアでは初の抜てきです。市場が伸びゆくアジアを代表する人物として、ハイブランドが選んだのが平野さんだったわけです。誇らしい。そして、まさに、この「誇らしい」という感情こそが、平野さんのファンを巻き込んで同ブランドを飛躍させるきっかけになるでしょう。

 ところで、インフルエンサー・マーケティングなる単語がありますね。これは文字通り、インフルエンサー=影響力のある人物、を使ってブランドを飛躍させる試みです。それに対して、アンバサダー・マーケティングは、一過性の宣伝公告ではありません。アンバサダーをイメージとしっかりと結合して、末永くブランドの世界観を中長期間にわたって浸透させる試みです。

 私は仕事柄、経営者との付き合いが多くあるのですが、先日に話した経営者は某アイドルと自社ブランドのアンバサダー契約を結び、レベニューシェア(収益の折半)をするそうです。初期の契約金額は高いようですが、それ以降はお互いが自分事としてブランドを育てられるのがアンバサダー契約の凄みですよね。

 ところで、平野さんをはじめとして、現代はアイドルがもっとも活躍できる時代です。というのも、経済的には、不安定な時代こそアイドルが求められるからです。アイドルの世界では「花の82年組」という言葉があります。中森明菜さん、小泉今日子さん、松本伊代さん、早見優さんがデビューした歴史的な年です。しかし、その後に、「アイドル冬の時代」といわれる80年代中盤に突入します。アイドルが求められなくなったのは、日本経済が好調だったからといわれます。つまり、アイドル=偶像=希望を求めなくても、イケイケの現実が目の前にあったのです。アイドルは不要でした。

 逆に、次にアイドルが人気になるのは、バブル崩壊後の不景気になった時代でした。暗い時代だったからこそ明るいアイドル=偶像を求めたのです。そして、ロシア・ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争を引き合いに出すまでもなく、現在は不安定な時代で、私たちは平野紫耀さんこそが希望なのです。

 ところで、経済波及効果をご存知でしょうか。たとえばみなさんが1万円の商品を買うとします。すると、その店に1万円がもたらされるだけではなく、仕入先にも5000円が支払われ、そして、そこで働いている人や、関連産業にもお金が行き渡ります。そしてエンタメ産業は、その波及が大変に大きいことで知られます。

 たとえばみなさんがアイドルのライブに行くと、Tシャツも買いますよね。それを運ぶ物流業者や卸売も潤います。バイトやスタッフの仕事も増えます。さらにみなさんは交通機関も使うし、帰りには食事をしたり、商業施設で何か買ったりするかもしれない。エンタメで1万円を使うと、日本全体で3倍の3万円くらい経済を活性化するようになるんですよ。

 ですので、断言します。読者のみなさん、推しにお金を使いましょう。それは、その3倍の効果をもたらし、日本経済を救っているのですから。

■プロフィール

坂口孝則(さかぐち・たかのり)

1978年生まれ。福岡放送『めんたいワイド』(隔週)、TBSラジオ『日本リアライズpresents 篠田麻里子のGOOD LIFE LAB!』など出演。日本テレビ系『スッキリ』木曜コメンテーターも担当していた。趣味はメタルのライブに行くことで、音楽をこよなく愛する調達・購買コンサルタント、講演家。未来調達研究所株式会社所属。大阪大学経済学部卒業後、電気メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買に従業。現在は、製造業を中心としたコンサルティングを行う。著書は『牛丼一杯の儲けは9円』『営業と詐欺のあいだ』『未来の稼ぎ方』『製造業の現場バイヤーが教える 調達力・購買力の基礎を身につける本』『調達・購買の教科書』など。直近で『買い負ける日本』(幻冬舎刊)を発売した。

■エンタメニュースを“経済視点”で解説【オリコンエンタメビズ】
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