アニメ&ゲーム カテゴリ
ORICON NEWS

キスマイ宮田俊哉、35年間唯一の“反抗期” アニメ愛貫いた道は「間違ってなかった」

 Kis-My-Ft2宮田俊哉(35)。“オタクアイドル”のパイオニアともいえる存在だ。いまでこそアニメやゲーム、コスプレなどへの愛を話すアイドルや俳優、モデルが増えているが、かつてオタクカルチャーは今ほど市民権を得ていなかった。宮田は「アイドルがオタクを強調する」ことの是非に「好きなものは好きと言いたい」と主張し始めた当時を、これまで生きてきた35年間で「唯一の反抗期だった」と語る。

宮田俊哉(Kis-My-Ft2)

宮田俊哉(Kis-My-Ft2)

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


■「アニメの話はしないように」の約束を破った反抗期の10代

 宮田が芸能界に入ったのは2001年。当時はアイドルがアニメやゲームの“オタク”であること公言することは少なかった。実際、周囲からも「見え方」やアイドルとしての「ブランディング」を気にされ、“隠すこと”を助言されることもあったという。

 しかし宮田は「こんなにも好きなんだから、正直に好きと言いたい」と、どうしても納得できなかった。「アニメの話はしないようにね」と打ち合わせで言われたこともあったというが、「わかりました。言いません」と言いつつ、現場では「思いっきり話していました」と笑う。

 「僕はいま35歳ですが、その時がこれまでの人生で唯一の反抗期。思春期を含めて反抗期ってそこしかないんです」。宮田はそう振り返ると、「でも、今の自分の姿を見て、間違っていなかったなと思います」としみじみ語る。

 「間違っていなかった――」。この言葉は非常に重い。

 そんな彼の情熱はアニメ界にも伝わっていく。2020年公開の劇場アニメ『劇場版 BEM 〜BECOME HUMAN〜』で声優デビューを果たすと、2022年にはテレビアニメ『デリシャスパーティ▽プリキュア』(▽=ハート)、2023年にはテレビアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』で声優の仕事を経験する。

 「僕は小さい頃からアニメが大好きでしたが、アニメの声優をやりたいとは思っていなかったんです。声優という仕事は“職人”だと思っていて。職人さんってやりたいと思ったからって、なれるものじゃないので」。

 それでも、これまでの芸能活動を通じて出会った製作者やレジェンド声優たちに、宮田のアニメに向き合う真摯な姿勢と、取り組みは大きな評価を得た。

 「『劇場版 BEM 〜BECOME HUMAN〜』で初めて声のお仕事をさせていただいた時、ご一緒した山寺宏一さんや小西克幸さんが褒めてくださって、『絶対続けた方がいいよ』と言ってくれたんです。それまではアニメを見るだけのファンで、その世界に入るのは恐れ多いと思っていたのですが、大御所の方に『向いているよ』と言ってもらえたことがうれしくて」。

 その後も、“師匠”と慕う浪川大輔から「マイクに声を乗せるのが上手くて、滑舌もいい」と声を掛けられるなど自信をつけていった。今をときめく声優陣から、技術的なことも教わり、期待されることで「少しずつ、続けていくことにためらいがなくなっていったんです」と気持ちの変化を述べる。

Snow Man佐久間大介とも「いつか共演を」

 そして今回、2024年1月より放送がスタートするテレビシリーズ『カードファイト!! ヴァンガードDivinez』で主人公・明導アキナの声を担当することになったのだ。話を聞いたときは「嘘でしょ?」と思ったという。

 宮田は「正直プレッシャーはあります。何作も続いてきたアニメの主人公ですからね」と苦笑いを浮かべると「でもそういう思いはあまり出さないようにしているんです。だって一緒にお芝居をしている役者のみなさんに『あいつ頼りないな』と思われたら嫌じゃないですか」と背筋を伸ばして臨んだ。

 アフレコでは、福山潤川島零士など、そうそうたるメンバーたちと時間を共有した。本作の魅力にカードバトルシーンがある。臨場感あふれるシーンで、名優たちが匠の技を披露する。そこに参加したことについて宮田は「夢のような時間」としつつ、子どものころからの思い出も話した。「同じアニメを何度も見て、セリフを全部記憶していたような子どもだったんです。一丁前にアニメの真似をしながら、覚えたセリフを登校時ひとりでしゃべっているような不思議な奴だったんですよ(笑)。そのおかげでなんとなくバトルシーンにもスッと入ることができました」と幼少期からのアニメ好きが大いに役立った。

 宮田と同じくアニメ好きを公言している後輩のSnow Man・佐久間大介も、『カードファイト!! ヴァンガード will+Dress』で廻間ミチル役を務めた。宮田は「この話をいただいたとき、佐久間に『こういう話が来ているんだよね』って言ったら、『マジっすか。同じ作品のシリーズに出られるのはうれしいです』って言ってくれたんです」と笑顔を見せると、ふたりで「いつか共演して、対戦できたらいいね」と未来に思いを馳せたという。

■これから叶えたいのは、アニメを作るという夢

 熱い思いで夢を手繰り寄せた宮田。声優の仕事は、Kis-My-Ft2のグループでの活動に還元されていると実感することはあるのだろうか。

 「『キスマイって宮田くんがいるグループだよね』と言ってくださる方がいると知った時に実感しました。アニメ好きな方は、僕を通してキスマイを知ってくださったかたもいるようで。“アニメ関連のお仕事をしていてよかったな”と心から思いましたね」。

 アイドルとして活動を始めた時には想像もつかなかった、テレビアニメシリーズで主人公の声を演じるという大役。しかし宮田は「僕はやりたいことが多くて、欲張りなんです」とさらなる野望に目を向ける。「いつかアニメを作りたいんです。それは昔から持っている夢。自分でオリジナルストーリーを作って、キャスティングもして、それが形になったら、きっと泣いちゃうと思います」。

 「CDを出したい」、「東京ドームでコンサートをしたい」……。そんな宮田の夢は多くの人の協力のもと現実した。周囲への感謝を述べた宮田は、「夢を全部叶えるまで死ねないですね」と屈託のない笑顔で語っていた。

取材・文/磯部正和

関連写真

  • 宮田俊哉(Kis-My-Ft2)
  • 明導アキナ

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

>

 を検索