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平成のヤクザ漫画の金字塔『静かなるドン』令和で大躍進、作者・新田たつお氏は印税アップ明かす「一桁違ってきた」

 1988年、「週刊漫画サンデー」(実業之日本社)にて連載開始した新田たつお氏による漫画『静かなるドン』。全1175話、コミックスは全108巻刊行されており、累計発行部数4600万部を誇る人気作であり、過去にも数々の映像化作品が作られるなど長く愛されてきた。その盛り上がりが、令和になった現在でも、電子書籍、漫画、映画、動画配信など各方面で広がっている。

新田たつお氏によるヤクザ漫画の金字塔『静かなるドン』原作書影

新田たつお氏によるヤクザ漫画の金字塔『静かなるドン』原作書影

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 『静かなるドン』は、昼はサラリーマン、夜は関東最大の暴力団・新鮮組の三代目総長の近藤静也が、この世からヤクザをなくすという理想を胸に、奮闘する任侠コメディー。

 漫画連載は2012年に終了したが、その後も人気は衰えることなく、20年には電子書籍での売上が年間6億円に到達した。さらに、実業之日本社と集英社の協業により、今年5月より「グランドジャンプ」にて10年半ぶりの続編となる最新シリーズ『静かなるドン ーもうひとつの最終章ー』の連載がスタート。

 続編が実現したきっかけは、「グランドジャンプ」で連載されていたドキュメンタリー作品『世田谷イチ古い洋館の家主になる』(全3巻、著・山下和美)に新田氏が協力したこと。山下氏が主催する、明治建築・旧尾崎邸保存活動への参加をきっかけに、コラボ特別読切『世田谷イチ古い洋館に来た静かなるドン』が、22年10月5日発売の「グランドジャンプ」に掲載され、『静かなるドン』のキャラクターたちが洋館購入までの様子を振り返る様子が描かれた。この9年ぶりに執筆された『静かなるドン』の特別読切への反響や、読者からの強い続編の要望などに応えたいという新田氏の想いから、新シリーズの連載が決定した。

 さらに、人気シリーズ『日本統一』の本宮泰風による総合プロデュースで新たに実写化。これまで中山秀征や香川照之、袴田吉彦が主人公・近藤静也を、令和版では伊藤健太郎が演じている。同僚の秋野明美役には筧美和子、ほかにも、本宮、深水元基三宅弘城坪倉由幸筒井真理子寺島進などが出演。今年5月12日より全4話を2話ずつ2週連続で劇場公開。その後、動画配信サービス「DMM TV」で全8話のDMM TV特別編集版として配信中。その第1話をDMM TV公式YouTubeで公開すると、115万回再生を突破する反響があった。

 こうした状況を受け、新田氏は「10年前に完結した『静かなるドン』が4〜5年前から電子でまた売れ始めました。それ以前もそれれなりに売れていて、たくさんの人に読んでもらっていましたが、令和になって振り込まれた印税から一桁違ってました(笑)」と印税アップを明かす。

 「担当編集者に聞くと、読者がひと回りして現在は漫画アプリで若い読者が読んでいて、しかも女性がけっこう多いと。反響も大きく『もっと読みたい』という声もいっぱいあって、そんなに喜んでくれるなら…と、いま実業之日本社と集英社の協業でグランドジャンプ誌に『静かなるドン ―もうひとつの最終章―』という続編を描いてます」と、連載再開までの経緯を語った。

 そして、「人生って辛(つら)いことが多いじゃないですか。だから、読んでくれている人たちの憩(いこ)いになればと思っています。肩肘張らずに娯楽として楽しんでほしいですね。毎日通勤電車に揺られながらスマホで読んでくれている人もいるでしょう。その人たちが日々の苦しさから一瞬でも逃れられるなら『良いことをしたな』と思えます」と、コメントをしめくくった。

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  1. 1. 伊藤健太郎主演、『静かなるドン』映画化 本宮泰風が共演&総合プロデュース
  2. 2. 伊藤健太郎主演『静かなるドン』筧美和子、寺島進らの出演を発表
  3. 3. 伊藤健太郎主演、本宮泰風総合プロデュース『静かなるドン』に『日本統一』メンバーが出演
  4. 4. 映画『静かなるドン』タイトルロゴは本宮泰風の妻・松本明子が担当
  5. 5. 平成のヤクザ漫画の金字塔『静かなるドン』令和で大躍進、作者・新田たつお氏は印税アップ明かす「一桁違ってきた」

関連写真

  • 新田たつお氏によるヤクザ漫画の金字塔『静かなるドン』原作書影
  • 『静かなるドン』メインビジュアル(C) 2023「静かなるドン」製作委員会

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