お笑いコンビ・ピースの又吉直樹、あわよくばの西木ファビアン勇貫、ピストジャムが1日、都内でトークイベント『第一芸人文芸部』を開催した。

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　又吉は3月24日に10年ぶりとなるエッセイ集『月と散文』（KADOKAWA）を発売し、ファビアンは3月25日に短編集『きょうも芸の夢をみる』（ヨシモトブックス）、ピストジャムは昨年10月27日にエッセイ集『こんなにバイトして芸人つづけなあかんか』（新潮社）を発表している。

　そんな文芸芸人がそろったイベントは、約50人の書店員と取次社員を招待したクローズドイベントとして催され、3人はそれぞれの著書に対する感想や思いなどを語り合った。

　イベント終盤では、書店員たちからの質問にも回答。「文章を書く喜びと苦しさは？」という質問が投げかけられると、ピストジャムは「アイディアが出てこなかったり、まだ語彙や言い回しが拙いのが苦しい部分ですね」といい、ファビアンは「考えているときは楽しいんですけど、それを上手く文章にできないと苦しい」と吐露した。

　そして又吉は、「人前で自分の文章を読んだり、読んでもらったときに楽しさや気持ちよさを感じる」といい、「後輩と一緒に飲んでいるとき、だいたい中盤くらいになると、ノートパソコンを取り出して一番新しい原稿を朗読するんです」と明かす。

　一方で、「たまに長編になってしまって、20分くらい朗読しているときもある」とし、「最近は飲み会でノートパソコンを出そうとすると、後輩から『しまえよ』って言われるようになってきました…」と嘆き、会場の笑いを誘った。

　さまざまな質問に答えた後、ピストジャムが「どうしても自分の本を売りたいんですが、どうすればいいですか？」と逆質問する場面も。すると、作品にちなみ「ぜひうちに来てバイトをしてください」という声が挙がり、「僕に特化したアドバイス…ありがとうございます。スケジュールは空いています！」と力を込めた。

　ファビアンからは、「本の内容がすばらしかったとして、内容以外にどんな部分が『売りたい』と思わせるきっかけになりますか？」という“難問”が投げかけられた。書店員たちも回答に悩む中、又吉は「僕の『火花』は、芸人としての僕を知っている人や、僕のことを『本が好きな芸人』として知ってくれている人が手に取ってくれた。だとすれば、その次に出す本はもっと売れるはずだけど、必ずしもそういうことじゃない」といい、「本の面白さだけでもないし、知名度が高いから売れるってことでもない」と持論を展開。

　続けて「例えば、ラーメンみたいな誰もが好きな食べ物でも、人生で最初に食べたラーメンがまずかったら嫌いになると思う」といい、「だから、その本を買った人にとって本を買って読むことが習慣化するような内容の本だったら、書店員さんたちも応援したいって思うんじゃないか」と真剣な眼差しで提案。そして最後には、「ピストジャムは本屋でバイトするんだから、その辺りをリサーチしてきてよ」としっかりオチもつけた。