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【インタビュー】藤あや子、デビュー35周年記念シングル第2弾 北島メロディーが令和演歌としてよみがえる

 昨年6月にデビュー35周年を迎え、本業の歌手活動はもとより、保護猫との生活を発信したり、写真集を発売したりと、ますます精力的に活動を展開している藤あや子。35周年記念シングル第1弾「鳥」に続いて4月26日にリリースした第2弾シングルは、原譲二こと北島三郎が38年前に発表した「女がひとり」。昭和の世に生まれた北島メロディーが、令和の世にあや子艶歌として新たによみがえった。

デビュー35周年を迎えてますます精力的に活動する藤あや子

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■デビュー35周年記念シングル第2弾は 北島三郎の明治座公演で出合った運命の楽曲

「昨年12月に北島先生の芸道60周年をお祝いする明治座公演を拝見した際、38年前に発表された『女がひとり』を原田悠里さんが歌唱されていました。そのとき、『この曲、藤あや子が歌ったらぴったりじゃない?』とひらめいたんです。そうしたら、一緒に行った友達の坂本冬美ちゃんも『この曲、あなたに合ってるわよ!』って言ってきて、『私もそう思うから、歌わせてもらえるようお願いしてみようか!』と盛りあがってしまって(笑)。終演後に楽屋に伺って、ステージの感想もそこそこに、『先生、悠里姉が歌った曲がとても素敵だったから、私も歌いたいです』とおねだりしてみたら、『おぉ、そうか、歌うか?』って言ってくださったんです」

 ところが、「女がひとり」は38年前に北島さんがシングルのカップリング曲として自ら歌っており、原田さんもまたカップリング曲として発売済みという情報が入る。

「正直なところ、曲をいただくにはハードルが高いかもしれないなと、いったん尻込みしてしまったんです。そんな私に、悠里姉は『遠慮することないわよ。歌ってちょうだい!』と背中を押してくださって、先生にも『問題なし!』とおっしゃっていただき、あっという間に話がまとまりました。惚れこんだ北島メロディーの名曲で、冬美ちゃんも太鼓判を押す新曲を歌えるなんて、ありがたい限りです」

 2日間におよんだレコーディングは、北島さんも同席した。

「レコーディング初日はカラオケと仮歌を録って、2日目に歌録りする予定で、北島先生には1日目にお出ましいただきました。でき上がったカラオケはゆったりとしたテンポで、それを聴いた私は、2つくらいテンポを上げてもらおうかなと思ったんです。そうしたら先生が『テンポだけど……』と切りだされたので、『テンポを上げてくださるんだ!』と思ったのですが、先生の口から出たのは『2つ落として』という衝撃の発言! スタッフも『落とすんですか?』と確認していましたし、テンポアップしか考えていなかった私も、さらにゆっくりになったら難しい曲になるなぁと戸惑ってしまいました。ところが、テンポを落としてみたら、まさに藤あや子の歌になったんです! 先生のプロデュース力を目の当たりにして震えました」

 そして、レコーディング2日目の歌録りに向けて、北島さんから歌唱指導も受けた。

「通常なら1番から3番まで順番に歌録りするのですが、『女がひとり』は、女性が歌うには少々音域が広くて、高音域と低音域の差がかなりある歌。そこで先生から、『低音域のフレーズから録っていって、徐々に高音域のメロディに移っていくというテクニックでレコーディングしたらうまくいくと思うよ』とアドバイスしていただきました」

 2日目の歌録りは、その北島メソッドを取り入れ、藤あや子チームで行う予定だったのだが……。

「歌入れをすべて終えたタイミングで、用事を終えた先生が急きょスタジオに駆けつけてくださったんです。レコーディングしたての歌を、フルコーラス、かつ大音量でお聴きいただいたら、拍手をして、手でOKという合図をしてくださいました! 北島先生に拍手とOKをもらえるなんて、なんて幸せ者なんだろうと泣きそうになりましたし、これだけで藤あや子は生きていけるなと思いましたね(笑)」

 最大の聴かせどころは “辛い”という言葉の捉え方であったと振り返る。

「1番は“辛かった”、2番は“辛いのよ”、3番は“辛くても”と、“辛い”という言葉の表現が変わっていくのですが、先生からは『1番と2番は、本当に辛いという想いで歌っていいのだけれど、3番を歌うときは、前向きに歌って、希望が見えるような表現にしたほうがいいんじゃないか』と助言をいただきました。そういう意味で“辛い”の表現の変化がポイントです。そういえば、レコーディングの際にこの歌を書かれたときのことを思い出された先生は、『自分が好きになった女性が今頃どうしているかな、という感覚で書いたんだよなぁ』っておっしゃっていました。そのリアリティが、私たち女性の琴線に触れるから共感できる歌になるんですよね」

 レコーディングでは、歌手としての心得も教わったという。

「たくさんお話をする中で、『歌は聴いてくださるお客さまに、バンって投げつけるのではなく、ポンっと添えるように渡してキャッチしてもらえるように歌うんだよ』という言葉が心に残っています。先生もその言葉通り、『オレの歌を聴いてくれよ!』といった感じで歌うのではなく、お客さまに近づいて、客席も巻き込んで歌ってくださるんですよね。プライベートでも本当に温かくて、優しくて、どんなときもみんなに気配りをされています。お客さまはもちろん、私たちのような後輩やスタッフにも、まんべんなく愛情をたっぷりと注いでくださって、こんな温かい方はほかにいらっしゃらないと思いますね。しかも『オレは歌手・藤あや子が好きなんだよ』っておっしゃるんです。どれだけ励みになることか!」

ミュージックビデオ撮影時

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■本業以外も話題が尽きない 藤あや子に欠かせないもの

 昨年は、デビュー35周年を迎えた彼女の写真集発売も話題になった。

「そういえば、写真集出しましたね。そもそも、文章が多めのフォトブックを出す予定だったのですが、撮影した写真の出来が思いのほかいいということで、フォトブックではもったいないと、スタッフが妙に盛りあがっちゃって……。私は『写真集なんてありえないでしょ!』って思ったんですけど、『やめようよ』って言えない雰囲気になってしまったんです」

 過去は振り返らないタチで、写真集を出したこともずいぶん前のことのように思えると笑う彼女だが、注目を集めた美ボディを作り上げた、ヨガとキックボクシングの話には熱が入る。

「ヨガは10年ほど前から続けていて、金土日月の朝9時半から1時間半、リモートでレッスンを受けています。もともとは呼吸法を習得したいと思って始めたのですが、1レッスンを終えるたびに自分の身体に感謝をするヨガを学んで、さまざまなことへ感謝の念を抱くようになりました。しかも、声の出し方も楽になって、朝からそれはそれはいい声が出るんです。ヨガのレッスンがない日にはキックボクシングにも行っています。毎日の自宅でのトレーニングも欠かせません。お風呂に入る前には、洗面台のふちをつかんで斜め腕立て伏せを30回、シャドーボクシングでワンツーを100回やっています。やはり歌手は体が資本! 細胞が喜ぶように鍛えないといい歌は歌えません」

 そんな彼女の癒しの存在といえば、保護猫界のアイドルとなったマルとオレオだ。彼らの話題になると、目尻を下げる。

「うちの子は、本当にかわいいです! 毎日楽しいですし、愛にあふれています。彼らが1ヶ月のときから育てているのですが、今は『家族になってもらっている』という表現のほうが正しいですね。彼らは私の家族になっていなければ、死んでいたかしれません。そんな猫ちゃんが全国にはたくさんいると思います。マルオレがアイドル的な存在になればなるほど、世間のみなさんも保護猫に関心を持ってくださるだろうと信じて、彼らとの暮らしを発信し続けています」

 さらに熱血野球ファンとしても知られるが、最近は動画配信の海外ドラマにもハマっていると語り、いろいろなことを楽しめる幸せな性格だと自己分析。愛する猫のように好奇心を持ち、これまで体験してきたことを新たなエネルギーとして取り込み、35周年を迎えてますます精力的に活動する藤あや子。38年前の北島メロディーの名曲を、人々の心の琴線に触れる令和演歌としてよみがえらせた彼女は、この先も最高の艶歌道をまい進していくことだろう。

文・森中要子

ミュージックビデオ撮影時

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■藤あや子 プロフィール
1961年5月10日生まれ、秋田県出身。85年にNHK『勝ち抜き歌謡天国』で優勝し、87年に歌手デビュー。「おんな」「こころ酒」「花のワルツ」などで数々の賞を受賞。2013年にはJAZZアルバムも発表し、演歌歌手でありながら、作詞作曲、エッセイ執筆のほか、近年は保護猫活動にも力を入れている。秋田県「食彩あきた応援大使」、山梨県「北杜市ふるさと親善大使」なども務めている。

<リリース情報>
■藤あや子 35周年記念シングル「女がひとり」
 原 譲二(北島三郎)作詞・作曲・プロデュース

藤あや子 35周年記念シングル「女がひとり」

藤あや子 35周年記念シングル「女がひとり」

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発売日:2023年4月26日(水)
価 格:1300円(税込)
01. 女がひとり
(作詞:原 譲二 作曲:原 譲二 編曲:南郷達也
02. 人恋海峡
(作詞:原 譲二 作曲:原 譲二 編曲:南郷達也)

■藤あや子 オフィシャルサイト:https://ayako.fanmo.jp/

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