伝説のスーツアクター・高岩成二（54）が主演する『グッドモーニング、眠れる獅子２』が12日からLemino・ひかりTVで配信開始。ORICON NEWSでは、高岩、賀集利樹（44）、半田健人（38）、出合正幸（42）、ケイン・コスギ（48）に動画インタビューを実施。特撮レジェンドたちに、さまざまなことを聞いた。

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■特撮レジェンドも震える高岩成二との対峙シーン　ケインはバキバキ体で臨む

　伝説のスーツアクターとして平成仮面ライダー20作品中、『仮面ライダークウガ』『仮面ライダー響』を除く全ての主役ライダーのスーツアクターを務め、ミスター平成仮面ライダーの異名を持つ高岩が、見た目は冴えないけれど、実は誰よりも強くてヤバいおっさんヒーロー・九條和真を演じる。

　敵組織・秘密結社“アルテミス”のメンバーを演じたのは特撮レジェンド俳優の4人。天才麻酔科医・鷹野マサキ役で『仮面ライダーアギト』の主人公・津上翔一／仮面ライダーアギト役を務めた賀集、美食家セレブ・蜂矢スグル役で『仮面ライダー555』の主人公・乾巧／仮面ライダーファイズ役を務めた半田、敏腕弁護士・熊見ヒロト役で『轟轟戦隊ボウケンジャー』の高丘映士／ボウケンシルバー役を演じた出合。さらに無敵の傭兵・黒虎役で史上初の『仮面ライダー』『スーパー戦隊』『ウルトラマン』の3大特撮で変身の偉業を成し遂げたケインが登場する。

――前作に引き続き、特撮界ゆかりのキャストが多く出演します。
【高岩】ありがいですし、うれしいです。この作品に参加していただいて、今までは横並びだったり、ストップチェンジだった存在が相対して、お芝居したり、殴り合ったり（笑）。長くスーパー戦隊、仮面ライダーに携わらせていただいて、ありがたいな、という気持ちです。

――高岩さんと対峙してみて、いかがでしたか？
【賀集】震えました。でも、とんでもない企画ですよね（笑）。本当に高岩さんにはお世話になったので（笑）。

【高岩】『眠れる獅子』は、よく俺を使ってくれるなと思う（笑）。でも、ある意味で俺も挑戦。これまでマスクをしていたのを、キャストオフしてお芝居して、アクションをする。プロデューサーもチャレンジだと思います。それに応えないといけない。

【半田】そう考えると仮面ライダーファンには見ていただきたいです。仮面ライダーファン以外も楽しめる作品ですが、仮面ライダーファンだからこそ楽しめる場所もある。第1作目を見た時に同じ感想を持ったんですけど、不思議な光景なんです。高岩さんに変身を託した若者たちが順番に挑戦していく。この作品でしか味わえない世界ですね。

【出合】僕は直接、高岩さんとお仕事したのは1回しかないんです。『仮面ライダーW』という作品なんですけど、それも遠巻きからだった。自分は地方のイベントですけどスーツアクターの経験がある。なので、スーツを着た時の動きにくさ、表現のしにくさがわかるんです。そういうのを踏まえて、現場で見ると、めちゃくちゃカッコいいなと思っていました。なんで、こんなにカッコよく表現できるんだろうと憧れ、尊敬する部分もありました。いち役者、アクション俳優として対峙できるプレッシャーとの、せめぎ合いでした。

――ケインさんと高岩さんのバトルは圧巻の仕上がりでした。
【ケイン】スゴすごくやりやすかったですし、プロのプロ。スゴすごく引っ張ってくださったので僕も必死でした。

【高岩】（苦笑）

【ケイン】なんで、笑うんですか（笑）。

【高岩】必死なのは俺だって（笑）。そんな肉体美を見せられたら、もう…。

――『SASUKE』の直後で体が仕上がっていたそうですね。
【ケイン】そうですね。

【高岩】もう、体作ってたんだね！

【ケイン】作ってました（笑）。『SASUKE』のために、7キロぐらい減量した直後でした。いろんな方と縁があってアクションをしてきましたが、高岩さんとやって勉強になりましたし、光栄でした。

【高岩】『カクレンジャー』から、30年ぐらい。当時は、まだ日本語も上手ではなかったけど、アクションは経験者だったので、ずば抜けてうまかったです。当時は若くてスピードもあって、柔軟性もあった。時を経て、今度は相対することになった。これまでの役者人生、アクション人生が、いい形でケインを作り上げて、アダルティーでいぶし銀な大人のお芝居、アクションに変わっていて、びっくりしました。相対して拳を交えたから感じられたものだと思います。熟練されているな、と。ケインに限らず、全員が当時に比べて色気が出ていました。

■知られざる撮影秘話が続々と発覚　“水落ち”からお風呂へ直行

――自分だけが知っている高岩さんのエピソードはありますか？
【高岩】隠すようなことはないよね？

【半田】マル秘エピソードではないんですけど、仮面ライダーって最終話近くなると、スーツを着ることがあるんです。『仮面ライダー555』の最終話で、仮面ライダーファイズのスーツを装着したんです。面を被ると想像以上に視界も悪いし、どれだけスーツが動きの妨げになるかを知るんです。50話を撮ったごほうびで着させてもらえるのかもしれないですけど、あれは第1話で若い役者に着せた方がいい！それを知った上で高岩さんを見た方がいいなと思いました。それまで頭ではわかっていましたが、高岩さんのなさっているお仕事の難しさ、すごさは自分の想像の倍以上。「これは…」というものがあって、もっと早く知りたかったという後悔がありました。仮面ライダーのスーツを着るのは並大抵のことではなかったです。

【賀集】思い出だと僕の時は水のシーンが多かったですよね。あかつき号の話とか。

【高岩】オープンセットで船の甲板のセットを組んで、波としてスタッフさんがバシャバシャと水を…。

【賀集】バケツで掛けてましたね…。

【高岩】ロケに行っても水に落ちることが多かった。

【賀集】高岩さんが落ちて、変身解除して僕、みたいな。

【高岩】その日の撮影が終わって、2人で近くのお風呂に行った。

【賀集】それは覚えてますね（笑）。

【高岩】なんで、あんなに水が多かったんだろう（笑）。

【賀集】水のエルがいたから（笑）。でも、オープニングから僕は水に打ち上げられてました…。

【半田】でも、仮面ライダーは水が好きですよ。『555』も第1話で雨を降らせたり、僕も水落ちしました。たいがい、温かい時期じゃなくて、寒い時なんですよね。

【高岩】スーパー戦隊もそうよ（笑）。暑い夏に限って火の中で、寒い冬に限って水に落ちる。

【ケイン】冬に水は、そうですね（笑）。

【賀集】ドSの人しか作ってないんですかね（笑）。

【高岩】（カメラマンの）いのくま（まさお）さんがニヤニヤしながら「さぁ入った！」って…。

【賀集】あと高岩さんが『アギト』の時に大変だったのはトリニティですよね？二刀流でアクションが大変だったと。

【高岩】刀となぎなたで長さが違う。そろっていればいいんだけど、長さが違うから…。

【賀集】その時から「これは嫌だ…」ってなっていたのに、『仮面ライダージオウ』でまたやってましたね。

【高岩】『仮面ライダーアギト』で仮面ライダーに初めて入って。今でも忘れないけど、六本木トンネルがロケ地で、夏の最高気温が41度。ニュースになるぐらいでした。記録さんが何を思ったのか温度計を持ってて…。「見て、見て！40度越えた！」って。メンタルが折れましたね。仮面ライダーの夏は嫌だなって印象があります（笑）。『カクレンジャー』のころは、スケジュールがそこまでタイトじゃなくて余裕がある現場だったんです。今は朝5時出発とかですけど、朝早くても6時30分出発とかで。ナイターも、そこまでなかった。

【ケイン】確か鶴姫（広瀬仁美）が14歳だったから、それに合わせていたような。

【高岩】そうだ！義務教育だった（笑）。今考えたら『カクレンジャー』はスケジュール的に楽でしたね（笑）

【ケイン】『カクレンジャー』の思い出は、ロケバスにいる時間が長かったことですかね。帰る時も高岩さん含めスタントの皆さんと一緒で。コンビニに寄ってスナック買って、カードやUNOをやりながら帰っていました。

【高岩】ケインは一緒に行動をしていた。ケインはアクションをしたがっていて、常にアクション監督に「きょうのアクションは？」と聞いていました（笑）。

【ケイン】当時は日本に来たばかりで、アクションチームにいろいろ教えてもらいました。空いている時間があればトランポリン踏んで練習していましたね。

【高岩】ほかの連中はバスにいるんですけど、ケインだけはアクション部と一緒にトランポリン踏んでましたね（笑）。

【出合】僕は憧れて、一方的に見ていました。ある程度、経験を重ねたアクションできる俳優さんって自分のアクションに自信があるからか詰まった時に表に出さないことが多いんです。「次行こうか」みたいな。高岩さんだけは、もう1回ってなった時に「大丈夫、大丈夫。できる。行こう！」と、これほどのベテランになっても自らに言い聞かせていたんです。その姿は、とても新鮮で。その姿勢は見習わなきゃいけないなと思いました。

【高岩】アクション監督が和田三四郎くんで、僕はJAC（現在はJAE）でアクションのスタイルが違うんです。動き慣れないアクションで、体に染み込ませるのに時間がかかって。出合くんとやってて、手を間違えたり、遅れたりしたことがあったので「次決めます！」と（笑）。深夜の遅い時間でしたから。

【出合】それは衝撃でした。

■高岩成二も今と昔を証言　『ボウケンジャー』でまさかの事実が発覚

――高岩さんが見て、それぞれ昔と変化はありましたか？
【高岩】『555』の1話は棒読みだったよね（笑）。

【半田】1話、2話は素人さんですよ…。乾巧という役は、せりふもポンポンと返していくタイプ。そのキャラクターの性格やパーソナルって、せりふから得たりする。せりふがないもんですから、乾巧という人間ってどういう人間なのかを探りながらやっていたのは事実です。それが固まってきたのは5話ぐらいですかね。

【高岩】津上翔一というキャラクターは、のほほんとしているキャラクター。スイッチが入るタイミングでの切り返しが、いきなりできていたような記憶があります。お芝居の月日が経つと、津上翔一、乾巧というキャラクターができあがって、楽しい時間が過ごせました。『カクレンジャー』は最終回で、みんな泣いていたよね？

【ケイン】泣いてました。猫丸の中で。ずっと泣いてました。泣くシーンじゃなかったんですけど（笑）。

【高岩】ケインの初登場回の「アメリカン忍者」で、絵に描いたようなウエスタンな格好でローラースケート履いていたのが懐かしいです（笑）。でも、ピチピチでした。とにかくアクション好きで、アクションをやらせていれば静かでしたね（笑）。出合くんと実は接点があるんですよ。

【出合】『仮面ライダーW』以外でですか？

【高岩】『ボウケンジャー』で。ただ、絡んではないんです。打ち上げに参加してもいいぐらい1年間出てたんです。実はオープニングに出ていたんです。

【出合】そうなんですか！

【高岩】ボウケンブラック。

【出合】今井（靖彦）さんじゃないんですか？

【高岩】オープニングのコックピットのところは俺！

【出合】これは知っている人、少ないぞ！知らなかった…。17年越しに知った！

【高岩】だから、オープニングを見るとボウケンブラックは今井ちゃんっぽくはない。

【出合】DVDが家にあるのでチェックします！スゴい話だ…。

【半田】実は僕も高岩さんにやっていただくべきことじゃないことを高岩さんにお願いしたことがあって…。僕、ジェットコースターに乗れなくて…。「ジェットコースターを楽しむ乾巧」というのがあって、それを高岩さんに変わっていただきました。

【高岩】東武動物公園ね…。

【半田】後で聞いたら実は高岩さんも…。

【高岩】ダメなのよ。ゾワってして。基本、高いところダメ。いい年して乗れないって！

【半田】頑として乗らなかったです（笑）。その節は、ご迷惑おかけしました。

――最後に見どころをお願いします。
【高岩】前作同様、仮面ライダーに主演したメンバーと、今回からスーパー戦隊でレギュラーを張っていらした方とのアクションがあります。若干1人（半田）はアクションしていないですけど（笑）。壮絶なアクションもあり、前作よりもコメディー要素が強くなったり、そこも楽しんでいただければと思います。随所に特撮ネタが見え隠れしているので、そこも探し当てたら楽しいのかなって思います。ぜひ、配信をご覧いただければと思います。

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