TBSラジオは24日、都内で新番組の発表会見を開催。4月3日スタートの新番組『朗読・斎藤工 深夜特急オン・ザ・ロード』(月〜金 後11:30)で朗読を行う斎藤工(41)、沢木耕太郎氏(75)が出席した。 沢木氏が、こうした会見に出席するのは極めてレアで、関係者によると「25年くらい前に1回出たことがある」くらいのものだという。沢木氏は「こういう場所に出てくるのは、一生のうちに一度か二度で場違いなんだけど、父兄の立会のような感じです」と笑顔で呼びかけた。 『深夜特急』を書いた当時と、コロナ禍の旅の違いについて、沢木氏は「基本的には変わってないような気がする。一番大きい要素はインターネットだと思う。インターネットによって何か知識を得ていく。旅先でもインターネットを使って宿を決めたりできる、するっていうことのすばらしさと、それによって失われるものの2つある。インターネットだけの段階はまだ僕のやっていた旅と近いものがあったと思うんだけど、スマートフォンが手に入った時にさらに進んでしまった」と指摘。 続けて「あらゆることが可能だっていう、錯覚に近いものが生まれることになった。スマートフォンを手放して旅行できなくなった。僕はスマートフォンを利用して旅をすることがないので、持たなくても旅はできるけど、今の若い人たちはそういうことは考えもできないと思う。スマートフォンを持たないで旅をしてみようと思ったら、ここから水戸に行くんだって、大冒険になるんじゃないかな」と熱弁。 その上で「インターネット、スマートフォンを持つようになった人たちは、ものすごく自由になったと同時に不自由になった。偶然を手に入れられなくなった。偶然が怖い、その怖さはコロナのことと密接にリンクしてくる。コロナの流行によって、偶然を恐れる、排除していく。旅も人生も偶然がさまざまなものを生んでくれる。すごく小さなもの、退屈なものになってきて。今、ようやくひと段階前に進めて、偶然を恐れないで、遭遇することを楽しむことができたらいいな」と呼びかけていた。 番組では『深夜特急』全6巻すべてを朗読し、ラジオ番組として放送。それをAmazonオーディブルでオーディオブックとしても配信する史上初の試みとなる。朗読を担当するのは、中学生のときに『深夜特急』を読んで影響を受け、18歳で香港をはじめ世界各国を旅したという斎藤で、旅に憧れる少年から日本を代表する俳優となった今、みずからの声で新たな『深夜特急』の世界へと導く。
2023/03/24
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