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漫画『PLUTO』Netflixで初アニメ化、年内配信 鉄腕アトムの一篇原案のリメイク作品でPV公開

 手塚治虫さんの代表作『鉄腕アトム』の一篇『地上最大のロボット』(1964年)を原案に、浦沢直樹氏が独自の視点と解釈でリメイクした漫画『PLUTO』が、誕生20周年を記念して初めてアニメ化されることが決定した。Netflixで2023年に独占配信され、あわせて制作決定PV、スタッフ&キャスト情報が公開された。

漫画『PLUTO』アニメ化決定

漫画『PLUTO』アニメ化決定

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 2003年〜2009年にかけて『ビッグコミックオリジナル』で連載された同作は、人とロボットが共存する社会が舞台で、世界で最も優秀なロボットが次々に暗殺される怪事件が発生する近未来サスペンスドラマ。真相を追うロボット捜査官ゲジヒトとアトムは、やがて世界を破滅へと導く史上最悪の憎しみの存在に気づくというストーリーで、壮絶にして悲しきロボット叙事となっている。

 世界18の国と地域で翻訳出版され、コミックス(全8巻)は全世界累計発行部数1000万部を突破。第9回手塚治虫文化賞マンガ大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第41回星雲賞コミック部門受賞をはじめ国内外で数々の賞に輝き、国内外の高い評価を得て、2015年に舞台化された。

 今回のアニメ化にあたり、制作プロデュースをジェンコ、アニメーション制作をスタジオM2が担当。映画『この世界の片隅に』で国内興行収入27億円を記録し、第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞や第41回アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門審査員賞など数々の映画賞に輝いた、企画・プロデューサーが再集結する。

 エグゼクティブプロデューサーとして真木太郎氏、丸山正雄氏が名を連ね、真木氏はジェンコを創設以降、プロデューサーとして25年に渡り日本のアニメビジネス全体をけん引してきてきた人物。丸山氏は、かつて手塚さんが設立した虫プロダクションにてキャリアをスタートさせ、その後マッド・ハウス(「ワンパンマン」、「ちはやふる」)やMAPPA(「呪術廻戦」、「坂道のアポロン」)など業界屈指のスタジオを設立し、これまでの浦沢直樹氏原作のアニメ化作品のプロデューサーを務めてきた。

 公開されたPVでは、物語の主人公であるユーロポールのロボット捜査官・ゲジヒトと、彼が追うある事件に関わるアトムとウランという二人のロボットも登場。キャラクターたちを演じるキャストは、ゲジヒト役を藤真秀、アトム役を日笠陽子、ウラン役を鈴木みのりが担当する。

■浦沢直樹コメント
 60年前の発表以来、その言いようのない切なさに私の心が揺さぶられたように、多くの人の「心の漫画」となった「鉄腕アトム」の挿話「地上最大のロボット」。この作品のリメイクがいかに難事業かを身をもって知る私は、今回のアニメ化に挑むスタッフの皆さんの勇気に心から拍手を送るとともに、新たな「心の作品」の誕生に心躍っています。今こそ手塚治虫さんのメッセージが世界中に届きますように。

長崎尚志コメント
 60年前、『PLUTO』の原作『地上最大のロボット』が誕生した。最強の戦闘能力を持つロボット達が競う物語だったが、これまでのアトムにはこの手の対戦形式の作品はなく、当時の少年達は熱狂した。アトムファンというより『地上最大のロボット』ファンの誕生だ。その渦中にいた私は、この作品が単に誰が強いかを描いた作品ではなく、もっと深い何かを伝えたいのではないか、と感じていた。そして『PLUTO』に挑んだ時、答えが出た。手塚治虫は預言者だったのだ。現代、我々が直面している戦争とは、東西の文化や考え方の違いを理解し、尊重しなかった結果である。『PLUTO』はその手塚哲学を受け継ぎ、ただ反戦を訴えるのではなく、そこには痛みがともなうこと……それでも平しかないということを世に問いたい作品なのだ。

手塚眞コメント
 ついに、やっと、『PLUTO』がアニメになる。いつかこれは映像にされるべきだと思っていた。何度も企画が立ち上がりまた消えていったのは、その内容の難易度の故だ。確かにハードルが高い。しかしだからこそ挑戦のしがいがある本物中の「本物」だ。そしてこれは新しい浦沢アニメであると同時に、新しい手塚アニメでもある。アニメの進化形をどのように見せてくれるか、とても楽しみだ。

※手塚治虫/手塚プロダクションの「塚」は旧字体。

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