• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

20周年を迎えた『仮面ライダー555』は画期的な作品 【篠宮暁の特撮ヤベーイ!】第20回

 ピン芸人・オジンオズボーン篠宮による大好きな特撮に特化したコラム『オジンオズボーン篠宮暁の特撮ヤベーイ!』。第20回は、20周年を迎えた『仮面ライダー555』について語る。

半田健人 (C)ORICON NewS inc.

半田健人 (C)ORICON NewS inc.

写真ページを見る

 2000年に久々のレギュラーテレビ放送として復活した『仮面ライダークウガ』から現在放送中の『仮面ライダーギーツ』まで途切れることなく23年間仮面ライダーシリーズは放送され続けている。こうなってくると当たり前だが10周年を迎える作品や20周年を迎える作品が毎年出てきて、SNSではお祝いのコメントがあふれる。そしてアニバーサリー記念の商品が展開されたりとファンにとってはなんともうれしいニュースが飛び交う。今年2023年はクウガから数えて4作目である『仮面ライダー555』が20周年を迎えた。当時はただただ面白くて見ていた『仮面ライダー555』だが振り返ってみると、たくさんの発明がされており、その発明はのちの作品に多大な影響を与え、今もなお受け継がれてる部分も多々ある。

 まず『555』がすごかったのはなんといっても怪人側にスポットライトを当てたこと。怪人の名称をオルフェノクというがこのオルフェノク、元々は普通の人間で、事故や病気によって死を迎えた時、限られた人間がこのオルフェノクへと進化するという世界。進化したことで人間よりも崇高な存在と信じ人間をさげすむオルフェノクが大多数だが中には望んでなったわけではない怪人の姿に苦悩したり、オルフェノクと人間が共存できる世界を望んだりと完全な悪とは言い難いオルフェノクも存在する。むしろ人間の方がいやしくて汚い存在に描写されることもあり、オルフェノクの方に感情移入してしまうことも『555』ではよくある。ちなみに初代仮面ライダーに変身する本郷猛もショッカーに改造手術をされ異形の姿になってしまったことを苦悩する。このポイントをしっかりとファイズにも組み込むことで石ノ森章太郎先生イズムを時代を超えて子どもたちに伝えようとする制作チームの想いと熱意を感じることができる。

 次に主人公以外も主役ライダーに変身できること。ある一定の条件を満たせば誰でも仮面ライダーファイズに変身できてしまうため、ここで誤解や欺瞞が生じ、オルフェノクと人間の共存への道が遠のいたりする。これによって悲劇が生まれるわけだがここが『555』の面白いところで視聴者は良いオルフェノクたちも主人公たちの気持ちもわかってるのにすれ違っていく様を見てやきもきしてしまう。

 主題歌の「Justiφ’s」も斬新だった。歌うのはDA PUMPのIssaさん。それまでの特撮ソングはどこかJ-POPからは分けられたような位置にあった。しかしJ-POPのトップランカーの歌手が仮面ライダーの主題歌を歌うことは衝撃的で、これを皮切りに数々のメジャーアーティストが参戦し、現在のギーツでは倖田來未さんと湘南乃風さんが務めている。

 変身ベルトをドライバーと呼ぶようになったのもファイズが初めてである。ファイズからしばらくはまたベルトの呼称に一旦戻るも2009年の仮面ライダーディケイドがディケイドライバーとしてからはドライバーが定着しギーツのデザイアドライバーに至るまでベルトの名称には戻っていない。

 数々の発明をした『555』は、当然ストーリーも抜群に面白い。それぞれの出自が判明していくミステリアスな展開、後半に明かされる衝撃の事実、そして『555』をテーマで話すと必ず話にあがる第8話。夢というものをいい面からと悪い面から対比して描かれた神回中の神回がファイズにはあるのだが、『555』全編見る時間がなかなか取れないという方はこの8話だけでも見てみると『555』の輪郭を捉えることができる。自分も20周年のこの機会にあらためて『仮面ライダー555』に触れてみようと思う。

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

 を検索