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JP、松本人志ものまねは15年で体得 “音階”と“原口あきまさの支え”で唯一無二の芸に

 「漫才の歴史は、彼以前彼以後に分かれる」。『M-1グランプリ』における審査員・松本人志の紹介文を借りるならば「ものまねの歴史は、JP以前JP以後に分かれる」と言っても過言ではないくらい、JP(39)にとって大活躍の2022年だった。まもなく芸歴20年という節目を迎えるタイミングで、松本、川島明の“代役出演”で見事に結果を残し、ものまね界に新風を吹き込んだ。「夢は戦隊モノに、ヒーローとして出演すること」だというJPらしく「松本さんが濃厚接触、川島さんがコロナになられて、世間がネガティブになっている中、僕が『代行戦隊マネルンジャー』に変身して、ピンチを救えたのであればうれしいです」と口にするが、発明ともいえる“松本人志のしゃべり方”はどうやって体得したのか。野暮を承知で聞いてみた。

JP (C)ORICON NewS inc.

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 JPは2003年にものまねタレントとしてデビューし、松本のものまねをはじめ、川島のものまねも得意としており、1月末の『ワイドナショー』のピンチヒッターからほどなくして、2月の頭にはTBS系『ラヴィット!』にも川島の代打として出演。通常のトークのものまねができる強みを生かし、見事にやりきると、ものまね界に本人の“代打出演”という新たな形を提示する形となった。

 『ダウンタウンのごっつええ感じ』ファンだったJPは、小学6年生だった当時、『ごっつ』内で松本が担当していたキャラクター・Mr. BATERの“ごっこ遊び”を行っていた。「それからしばらく経って、二十歳越えて真剣にものまね芸人としてやろうと思った時に、『誰もやっていない』『老若男女が知っている』『司会の人』をやろうと考えて、すべてを満たしているのが松本さんだという結論になりました。それで、どうやってものまねをやろうと思った時に、ごっこでやっていた時のことがハマって…。Mr. BATERごっこをやっていたなと、またやってみようと思ってやってみたら『あれ、今めちゃくちゃ似てなかった?』ってなりまして(笑)」。

 そこから15年かけて「松本人志のドレミファソラシド」を作っていった。「Mr. BATERは松本さんがやられているキャラクターなので、これが似ているんだったら、松本さんの声もまねることができるのではないかと思いました。最初は、Mr. BATERしかできなかったんですけど、意識して普段の松本さんの動きとか間もまねていくうちに、似てくるようになってきて…。そこから、普段の松本さんのしゃべりと、Mr. BATERのしゃべりとの音階を並べていった時に、2つが重なる音階を見つけて、ひとつずつ拾っていきました。ドの音だけだったところから、ドレミの3和音に挑戦して『すべらんなぁ〜』っていうフレーズが真似できるようになりました。松本さんがやられていた、ほかのキャラクターの音階も抽出していきながら、ドレミファソラシドをつかんで、松本さんの素のしゃべりができるようになりました」。

 音階を作っていく上で、JPが心得ていたことが、キャラクターとして発せられた声から、過度な部分を抜いて、本人に近づけていく「ものまね引き算理論」だった。「そうやって、松本さんのしゃべり方はつかめたのですが、今のままだったら、ただしゃべって終わりになってしまう。ドレミファソラシドをもとに、自分でヒット曲を作らないとダメだなと考えて、自己完結型が多かったものまねを変えて、ほかの人とのかけあいで見せるものまねができればと考えていた時に、もともと根暗な性格の僕とは対照的な原口あきまささんがいらっしゃったんです」。

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 原口といえば、明石家さんまのものまねを得意としているが、タモリのものまねでおなじみのコージー冨田とともに2人のかけあいで笑わせるネタを披露し、人気を獲得してきた。それから時がめぐり、今年1月にはJPが松本、原口が東野幸治のものまねで、本家『ワイドナショー』への出演を果たす日がやってきた。JPが、原口への感謝を笑いに乗せて語る。「原口さんがコージーさんと、さんまさんとタモリさんのものまねでブレイクした時、コージーさんに千本ノックを食らっていたと伺いました。アドリブでどこまでできるかっていうのをバチバチにやられてきたそうですが、その意志みたいなものを、原口さんが僕に託してくださっているような気がしていて…。『サングラス→前歯→仁丹』みたいな流れで、僕もJの意志を誰かに託さないといけないんだろうなっていう使命を感じています(笑)」。

 『ワイドナショー』異例の代打出演のきっかけとなったのは、松本の「リリーよりJPやな」というツイート。JPは「僕にとって、人生最大の『IPPONグランプリ』やと思っていました」と振り返りながら、松本がかつてツイートした「松本動きます」になぞらえて「JP動けます」と返答し、見事に“IPPON”を勝ち取った。「もちろん、最初は『JP動きます』と返そうと考えたのですが『動きます』だとおこがましいなと思って『動けます』と、とっさに判断しました」。突然やってきたチャンスにも冷静さを失わず、繊細な気配りでチャンスをものにした。

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 『ワイドナショー』そして『ラヴィット!』での出演のインパクトはすさまじく、2022年に前年と比べ検索数が急上昇した人物や作品、プロダクトなどをランキング形式で紹介する『Yahoo!検索大賞2022』のお笑い芸人部門で1位を獲得。ブレイクを実感することも増えた。「今までの10倍くらい街で声をかけられるようになりました。仕事もありがたいことにたくさんいただけるようになって、40日ぶりの休みというのも経験しました。1ヶ月に1本芸能の仕事があればいいという時期も過ごしているので、19年目にしてようやく…という思いです」。26日には『M-1グランプリ2022決勝体験ライブ』で“審査員”も務めるなど、19年の芸歴で築き上げた“地肩の強さ”を武器に、JPはこれからも「まだまだ売れる」道を歩んでいきそうだ。

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