小さな1枚の葉っぱに刻まれた動物たちの優しい物語で、人々に感動を与える“葉っぱ切り絵アーティスト”のリト。作品の温かな世界観は、幅広い世代の共感を呼び、国内だけでなく海外にも多くのファンを生んでいる。この「葉っぱ切り絵アート」の世界を体験する展覧会『リト@葉っぱ切り絵 優しい森の仲間たち展 in YOKOHAMA』が、12月17日より神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館 2Fスペースで開催中だ。本展のテーマは「五感を通じて作品を体感する」というもの。リト@葉っぱ切り絵の数々の作品が織り成す優しい物語への没入体験を通じ、ヒーリング体験が味わえるという新たな試みとしても、注目を集めている。
■一瞬にして物語に引き込まれる「演出型展覧会」 手がけるのはエンタメ企業ポニーキャニオンのグループ会社
見るものを幸せにする、小さなリアルの葉っぱに施された緻密で精巧な切り絵。この葉っぱアートを手がけるリトは、自身のADHDによる偏った集中力やこだわりを前向きに活かすために、2020年より独学で制作を始めた。SNSに毎日のように葉っぱ切り絵を投稿しているうちに注目を集めるようになり、国内外のメディアで次々に紹介され、一躍人気作家になった。
これまで各所から声がかかり作品展を開いてきたが、今回の展覧会は最大規模となるだけでなく、リトが描く葉っぱアートの世界に入り込んだような、没入感の味わえる構成となっており、従来の作品を展示する個展とは一線を画す、演出型展覧会を試みているのが特徴である。
会場は、森の仲間たちがいる世界へと誘う「森の入口」から、リトの普段の制作の様子がうかがえる「葉っぱ切り絵ができるまで」の6章に分かれている。来場者は回遊しながら、「森の一日」や「森の一年」で、ゆったりと流れる森の時間を体験し、「森のなかまたち」で、個性豊かなキャラクターたちに出会い、「森のパーティー」に招待され、リトの繊細な制作空間「葉っぱ切り絵ができるまで」を経て、物販エリアにたどり着くストーリーになっている。
また、切り絵はもちろんのこと、照明や映像、作品の中に描かれている「ウサギの神社」なども再現され、一瞬にして物語に引き込まれる凝った空間演出になっている点も見逃せない。
このストーリー性のある同展を主催するのは、総合エンターテインメント企業ポニーキャニオンのグループ会社で、アトラクション、イベントなどの企画製作やエリア開発などの事業を展開するドリームスタジオである。今回のオリジナリティあるユニークな展覧会をイチから企画した。
1年半がかりでようやく開催にこぎ着けたと笑顔を見せるのは、同社代表取締役社長・男全修二氏。ポニーキャニオンでは長らく映像映画部門で商品開発に携わってきたが、ドリームスタジオがグループ傘下に入ったことを契機に、社長に就任した。
「エンタメビジネス拡張の一環で、リアルエンタテインメントである展示会を充実させようということになり、創業30年の実績と経験を持つドリームスタジオを子会社化したのが19年のことでした。縁あって私が社長になったわけですが、その矢先に新型コロナウイルス感染拡大が広がったことで、展示会の実施が困難な状況となったわけです。しかし、ようやく今年に入って、人の流れが活発したこともあり、温めていたリトさんの展覧会が、ようやく行えることになりました」(男全氏/以下同)
■展覧会に新たな潮流を! ターゲット層を広げ、新たなマーケット創造に挑戦
ドリームスタジオはこれまで、テーマパーク・遊園地向けアトラクションの企画・設計・施工を行う傍ら、科学からキャラクターまで、様々なテーマによる「イベント」製作を行ってきた。全国各地で展開された参加体験型の科学イベント『からだのひみつ大冒険』や、子どもから大人まで遊び学べる『ジュラシック大恐竜展』、ピクサー・アニメーション・スタジオの映画を生み出す「技法と科学」に迫る『PIXARのひみつ展〜いのちを生みだすサイエンス〜』等々、ファミリーにフォーカスしたイベントで数々のヒットを生んでいる。
男全氏は今後も、上記のようなイベントは継続して実施する考えだが、そこに新たな流れを加えたいと考えている。
「国内の展示会というと、若い層かファミリー層をターゲットにしたものが多いのですが、当社では今後、今までイベントに関心のなかったグレー層も掘り起こせるような企画を打ち出していきたいと考えています。ポニーキャニオンで映像を担当していた頃、バズっている情報をいち早く察知する能力が求められましたが、イベントにおいてもそれは同じです。後発の我々としては、これまでの展示会の形にとらわれることなく自由な発想で、体験型の没入感が味わえる企画を発信していきたい。そうすれば、日本でもこういう展示会はもっとポピュラーなものになるはずなんです。そうやってターゲット層を広げて、新たなマーケットを作りたいと考えています」
その第1弾として実施するのが、今回の『リト@葉っぱ切り絵 優しい森の仲間たち展 in YOKOHAMA』である。展覧会の中には、写真映えする要素・スポットが各処に設けられている。“森の四季を再現した空間”や“焚火を囲んでパーティーできる空間”、“インスタ風に作品と記念撮影できるスポット”など、本展を担当する20代スタッフの感性が随所に活かされている。25日まではクリスマス期間限定スペシャル企画を用意し、「森のパーティー」エリアをクリスマスムードで彩るなど、きめ細やかな演出が行われる。
ゆくゆくは海外にも販売していける企画をと意気込む男全氏。今後どんなユニークな企画が同社から誕生するのか。その手始めとなる今回の演出型展覧会を通して、イメージしてみてはどうだろうか。
文・葛城博子
【『リト@葉っぱ切り絵 優しい森の仲間たち展 in YOKOHAMA』開催概要】
■会 場: 横浜赤レンガ倉庫1号館 2Fスペース(〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港1-1-1)
■会 期: 2022年12月17日(土)〜2023年1月15日(日)
■開催期間:
2022年12月17日(土)〜12月25日(日)10:30〜20:00(最終入場19:30)
2022年12月26日(月)〜2023年1月15日(日) 10:30〜18:00(最終入場17:30)
■主 催: ドリームスタジオ
■共 催: 横浜赤レンガ倉庫1号館(公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団)
■協 力: 講談社
■企画制作: ドリームスタジオ
■一瞬にして物語に引き込まれる「演出型展覧会」 手がけるのはエンタメ企業ポニーキャニオンのグループ会社
見るものを幸せにする、小さなリアルの葉っぱに施された緻密で精巧な切り絵。この葉っぱアートを手がけるリトは、自身のADHDによる偏った集中力やこだわりを前向きに活かすために、2020年より独学で制作を始めた。SNSに毎日のように葉っぱ切り絵を投稿しているうちに注目を集めるようになり、国内外のメディアで次々に紹介され、一躍人気作家になった。
これまで各所から声がかかり作品展を開いてきたが、今回の展覧会は最大規模となるだけでなく、リトが描く葉っぱアートの世界に入り込んだような、没入感の味わえる構成となっており、従来の作品を展示する個展とは一線を画す、演出型展覧会を試みているのが特徴である。
会場は、森の仲間たちがいる世界へと誘う「森の入口」から、リトの普段の制作の様子がうかがえる「葉っぱ切り絵ができるまで」の6章に分かれている。来場者は回遊しながら、「森の一日」や「森の一年」で、ゆったりと流れる森の時間を体験し、「森のなかまたち」で、個性豊かなキャラクターたちに出会い、「森のパーティー」に招待され、リトの繊細な制作空間「葉っぱ切り絵ができるまで」を経て、物販エリアにたどり着くストーリーになっている。
このストーリー性のある同展を主催するのは、総合エンターテインメント企業ポニーキャニオンのグループ会社で、アトラクション、イベントなどの企画製作やエリア開発などの事業を展開するドリームスタジオである。今回のオリジナリティあるユニークな展覧会をイチから企画した。
1年半がかりでようやく開催にこぎ着けたと笑顔を見せるのは、同社代表取締役社長・男全修二氏。ポニーキャニオンでは長らく映像映画部門で商品開発に携わってきたが、ドリームスタジオがグループ傘下に入ったことを契機に、社長に就任した。
「エンタメビジネス拡張の一環で、リアルエンタテインメントである展示会を充実させようということになり、創業30年の実績と経験を持つドリームスタジオを子会社化したのが19年のことでした。縁あって私が社長になったわけですが、その矢先に新型コロナウイルス感染拡大が広がったことで、展示会の実施が困難な状況となったわけです。しかし、ようやく今年に入って、人の流れが活発したこともあり、温めていたリトさんの展覧会が、ようやく行えることになりました」(男全氏/以下同)
■展覧会に新たな潮流を! ターゲット層を広げ、新たなマーケット創造に挑戦
ドリームスタジオはこれまで、テーマパーク・遊園地向けアトラクションの企画・設計・施工を行う傍ら、科学からキャラクターまで、様々なテーマによる「イベント」製作を行ってきた。全国各地で展開された参加体験型の科学イベント『からだのひみつ大冒険』や、子どもから大人まで遊び学べる『ジュラシック大恐竜展』、ピクサー・アニメーション・スタジオの映画を生み出す「技法と科学」に迫る『PIXARのひみつ展〜いのちを生みだすサイエンス〜』等々、ファミリーにフォーカスしたイベントで数々のヒットを生んでいる。
男全氏は今後も、上記のようなイベントは継続して実施する考えだが、そこに新たな流れを加えたいと考えている。
「国内の展示会というと、若い層かファミリー層をターゲットにしたものが多いのですが、当社では今後、今までイベントに関心のなかったグレー層も掘り起こせるような企画を打ち出していきたいと考えています。ポニーキャニオンで映像を担当していた頃、バズっている情報をいち早く察知する能力が求められましたが、イベントにおいてもそれは同じです。後発の我々としては、これまでの展示会の形にとらわれることなく自由な発想で、体験型の没入感が味わえる企画を発信していきたい。そうすれば、日本でもこういう展示会はもっとポピュラーなものになるはずなんです。そうやってターゲット層を広げて、新たなマーケットを作りたいと考えています」
その第1弾として実施するのが、今回の『リト@葉っぱ切り絵 優しい森の仲間たち展 in YOKOHAMA』である。展覧会の中には、写真映えする要素・スポットが各処に設けられている。“森の四季を再現した空間”や“焚火を囲んでパーティーできる空間”、“インスタ風に作品と記念撮影できるスポット”など、本展を担当する20代スタッフの感性が随所に活かされている。25日まではクリスマス期間限定スペシャル企画を用意し、「森のパーティー」エリアをクリスマスムードで彩るなど、きめ細やかな演出が行われる。
ゆくゆくは海外にも販売していける企画をと意気込む男全氏。今後どんなユニークな企画が同社から誕生するのか。その手始めとなる今回の演出型展覧会を通して、イメージしてみてはどうだろうか。
文・葛城博子
【『リト@葉っぱ切り絵 優しい森の仲間たち展 in YOKOHAMA』開催概要】
■会 場: 横浜赤レンガ倉庫1号館 2Fスペース(〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港1-1-1)
■会 期: 2022年12月17日(土)〜2023年1月15日(日)
■開催期間:
2022年12月17日(土)〜12月25日(日)10:30〜20:00(最終入場19:30)
2022年12月26日(月)〜2023年1月15日(日) 10:30〜18:00(最終入場17:30)
■主 催: ドリームスタジオ
■共 催: 横浜赤レンガ倉庫1号館(公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団)
■協 力: 講談社
■企画制作: ドリームスタジオ
2022/12/21