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【M-1】太田さんのせい、キュウの奇跡、阿佐ヶ谷の歓喜…タイタン史観で振り返る決勝戦

 タイタンと『M-1』が最も接近した2022年だった。18日放送のABC・テレビ朝日系漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2022』決勝では、「あるなしクイズ」に乗せ、井口浩之の“主張”が全面に出たネタを披露したウエストランドがファーストラウンド3位から一気に優勝へと駆け上がった。同じくファイナリストとなったキュウは、数字をめぐる奇縁に恵まれ、爆笑問題の太田光は番組内で名前が飛び出した。井口が優勝を決めて口にした哲学的なフレーズ「自分の人生なんですけど、初めて主役になれた気がした」を受けて、タイタン史観で『M-1』を振り返りたい。

『M-1グランプリ2022』で優勝したウエストランド(左から)井口浩之、河本太 (C)ORICON NewS inc.

『M-1グランプリ2022』で優勝したウエストランド(左から)井口浩之、河本太 (C)ORICON NewS inc.

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■太田×松本“共演NG”から“審査員オファー”へ 太田は恐縮「1点とか入れちゃうから…」

 まずは、時計の針を2021年8月に戻す。フジテレビ系大型特番『FNSラフ&ミュージック〜歌と笑いの祭典〜』で、爆笑問題が7年ぶりに松本人志との生共演を果たした。爆笑の2人がスタジオに登場すると、松本と太田がお互いに膠着(こうちゃく)した間合いを取り合って、太田が「共演NG!ネットが荒れるって言うから、入ってきた」と自らネタに。「今の何点でしょうか?」とボケを重ねていった。

 松本が「わからない。ここの奥さん(太田光代)が僕のツイッターをフォローしている。意味がわからなくて、なんか遠回しに威嚇してんのかな」とボケを交えて返すと、太田が「威嚇したのはそっちでしょう(笑)。ハハハ」と見事な切り返し。岡村隆史から「田中さん、しっかりしてください」との声が飛ぶも、太田は松本とナイナイとの因縁を持ち出すなど、大暴れとなった。

 その直後、TBSラジオ『火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ』(毎週火曜 深1:00)で、太田は「スタジオ行くじゃん、やっぱり照れるんだよな。松本さんもそうだと思うんだけど、どうしても照れくさいんだよな。あれがこそばゆい感じがあったね。お互い、人聞きに話を聞いたりしているからさ。なんかこう、オレは世の中のこととか、すべて笑い飛ばしたい人間だから、自分たちのうわさになっている過去も笑い飛ばせたからいいかな」と語っていた。

 それから1年が経ち、今年9月に再び太田と松本は『ラフ&ミュージック』で相まみえる。空気階段水川かたまりから「伝説の一日のダウンタウンさんの漫才をご覧になったと聞きました」と向けられた太田は「見ましたよ。あんなの見逃せないよ。ダウンタウンが久々に漫才やるって、それは興味ありますよ。FANYの会員になって、見ましたよ」と明かした。

 そこから、松本が「太田に聞きたいことある。M-1の審査員やらへんの?」と公開オファーすると、太田は「審査員なんてできない。絶対我慢できない。今みたいにボケちゃって。1点とか入れちゃうから」と恐縮。緊張感あふれるかけあいを経て、審査員のオファーをするまでの展開に、SNS上では大きな反響を呼んだ。

『M-1グランプリ2022』で優勝したウエストランド(左から)井口浩之、河本太 (C)ORICON NewS inc.

『M-1グランプリ2022』で優勝したウエストランド(左から)井口浩之、河本太 (C)ORICON NewS inc.

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■キュウ・ぴろのぶっこみに松本「マジマジ(笑)」 ウエストランドがもたらした「阿佐ヶ谷の歓喜」

 そして迎えた『M-1』準決勝。それぞれのカラーを存分に発揮したウエストランドとキュウは、2ヶ月に1回行われる『タイタンライブ』という場数も生かして、タイタン史上初となる2組のファイナリストになった。ファイナリスト発表の会見で、井口は爆笑問題・太田光の「プシュー!」ポーズで登場。これに対抗する形で、キュウの清水誠は「ウエストランドがね、毎回爆笑問題さんのプシューをやられるんで、私はこれをやります。『間違いない!』」と、同じく事務所の先輩である長井秀和の決めフレーズで笑わせた。

 井口は「前回はくやしい思いをしまして、忘れ物というか、私物ほとんど置いて帰ったくらいだったので、うれしいです」としみじみ。相方の河本太は、厚切りジェイソンの「以上!」で笑いを誘うと、井口が「ここにきての厚切りジェイソンです(笑)。キュウとタイタンで同じ事務所なんですけど、東京の事務所で2組行ったのはうれしいです」と声を弾ませた。

 今回は審査員が放送1週間前まで発表されず、オール巨人上沼恵美子が昨年の段階で卒業を示唆していたことも相まって、予想合戦が過熱した。松本の“公開オファー”とも取れる発言をもとに「もしかしたら、太田さんが…」という声も寄せられており、そうした文脈もあったため、決勝当日の冒頭で、5年ぶりに審査員を務める博多大吉が「一言だけいいですか、太田さんのせいですよ!」と嘆くと、SNSでは「太田さんのせい」がトレンド入りする事態となった。

 こうした流れに呼応するかのように、タイタン2組は最後まで残り、井口も口にしていたように、『M-1』の舞台がさながら『タイタンライブ』のようになった。先に9番手として登場したキュウは、持ち味を生かしながら9時9分にネタを終えるという見事なタイミングだったが、番手の妙もあって、今ひとつ点数が伸びなかった。松本が「いやーちょっとかわいそうっていうとあれですけど、順番に恵まれなかったあれはあったね。うまくハマればすごくノッていくはずなんよね。期待はすごくできるコンビだと思います」とやさしく声をかける中、審査員の厳しい意見を聞いていたぴろが「松本さんの点数が低かったのは、太田さんとこの事務所だからかなぁとか…」とぶっこんだ。

 司会の今田耕司が猛然と否定する中、松本が「いやいや、マジマジ」とニヤリ。こうしたかけあいが行われた後、トリでウエストランドが登場した。太田から観客とテレビの視聴者を意識して漫才をするようにとの助言を受けていた井口の叫びは、審査員の心も揺さぶった。ファーストラウンドで「進化しているというか、すごく楽しかったですね」と評価していた松本は、ファイナルラウンドでウエストランドに票を投じ「窮屈な時代なんですけど、キャラクターとテクニックさえあれば、こんな毒舌漫才も受け入れられるっていう、夢がありました」とねぎらった。

 高田文夫氏は、19日放送のニッポン放送『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(月〜金 前11:30)で「いやーでも本当にスカッとしたよ。みんなが今、コンプライアンスだって、マスコミ業界もさ、笑いの世界も物を言わなくなったじゃん。ちょっと息苦しい時代になったっていうのは、肌でみんな感じているんだよな。それをスカッと笑いにしてくれたから」と指摘。

 ツッコミの井口について「愛嬌があるからさ、いいんだよな。志らくとか塙とか、松本くんもそうだけど、ちゃんと押してくれたじゃない。ああいう本音を言う笑いって昔からあって、なきゃ困るんだよ。ずっと伴走してきたっていうか、走ってきた感じがあるんだけど、談志がいて、たけしがいて、太田くんがいて、井口に正当に後継者として、きちんと受け止められると思うよ」と賛辞を送った。

 20日深夜にはTBSラジオ『火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ』も控えており、爆笑問題からウエストランドへのコメントにも注目が集まるが、番組的にはもうひとつの『M-1』こと『メールNo.1グランプリ』も控えており“審査員”太田の言葉にも期待がかかる。タイタンと『M-1』をめぐる、数奇な2022年は「阿佐ヶ谷の歓喜」という最高の結果で幕を閉じた。

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  • 『M-1グランプリ2022』で優勝したウエストランド(左から)井口浩之、河本太 (C)ORICON NewS inc.
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