『仮面ライダーW』（2009年）の正統続編で、『週刊ビッグコミックスピリッツ』（小学館）で連載中のマンガ『風都探偵』が舞台化され、12月末から来年1月にかけて東京・大阪で『風都探偵The STAGE』として上演される。ORICON NEWSでは、左翔太郎役の和田雅成（31）、フィリップ役の木津つばさ（24）に動画インタビューを実施。作品にかける思いを聞いた。

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■ポスタービジュアル撮影秘話も　「変身」の喜び明かす

　2017年8月から連載を開始し、累計発行部数240万部を超える人気作品となっている『風都探偵』。今年8月にはアニメ化され、トレンド入りするなど、『仮面ライダーW』放送時からのファンだけでなく、『風都探偵』から知ったというファンも多く、仮面ライダーシリーズの中ではより幅広い世代に浸透している作品のひとつとなっている。『風都探偵The STAGE』は、その舞台版で12月29日から来年1月15日まで東京・サンシャイン劇場、来年1月19日から25日まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演される。

――風都探偵、舞台化の感想を教えてください
【和田】『仮面ライダーW』からスタートして、その正統続編となるマンガ『風都探偵』が始まった。マンガをもともと読んでいたんですが本当に面白いんですよ。『仮面ライダーW』の世界が濃く描かれていて。実は「舞台化、合うだろうな」と思っていたんですけど、まさか自分が左翔太郎になれるとは思っていなかったです。ファンとして舞台化されるのが決まってうれしかったですし、左翔太郎役でオファーをいただいた時は光栄でした。

【木津】僕はオーディションに参加して、実際に役をつかむことができて、こうしてポスターも完成した。「本当にやるんだ」と実感がひしひしとわく中で、より『風都探偵』をお客さまに知っていただき、そして好きになってもらえるように頑張らないといけないなと思っています。

――ポスタービジュアルを見て思うことは
【和田】『風都探偵』第1巻の表紙の再現ですが、スタッフさんの力がスゴいな、と。

【木津】裏話ですけど、このポーズ、めっちゃキツいんですよ…。本当に難しかったです。

【和田】俺は5枚ぐらいでOK出た（笑）。「これだ！」ってなって、「もう大丈夫です」という流れになりました。

――「変身」というせりふを言える喜びはありますか？
【木津】誰しもが憧れることですよね。自分自身も仮面ライダーという作品に救われてきた人生。自分が「変身」と言うのは、まだ想像つかないですけど…。ベルトをビジュアル撮影の時に着けさせていただいたのが菅田（将暉）さんが使っていたベルトだったんですよ。ちょっと傷もあったりして、何回も失敗して慣れていったのが想像できました。そう思うと「俺も失敗できるかな」と（笑）

【和田】そう考えると映像は失敗しても撮り直したりできるけど（舞台の）俺らはめっちゃ難しいね（笑）

【木津】しかもダブルドライバーって（ガイアメモリを入れる穴が）狭くて、ピッタリなんですよ…。2人でお互いの顔を見ながら変身する練習とかもしたいと思います。

――和田さんは東映特撮ファンクラブ（TTFC）オリジナル作品『リバイスレガシー 仮面ライダーベイル』で白波純平役として仮面ライダーベイルに変身していましたが、今回の「変身」について教えてください
【和田】仮面ライダーベイルの変身とは全く違う感情で変身すると思います。不思議な感覚になるんですよね。子どもの時から、当たり前に見ていた「変身」ですけど、いざ自分が言うと「現実なのか、これ？」と変な感じになるんですよ。その世界に入っていれば普通な感覚になるので、和田雅成としては言えないです。

――仮面ライダーベイルは荒々しい変身でしたね。
【和田】仮面ライダーベイルの時って、ちゃんと「変身」って言ったのは2回だけ。それまでは変身させられていたので。仮面ライダーベイルの時は変身ポーズを自分で考えたんです。切腹をイメージしたのは、自分を殺すような感覚でアクション監督も同じ思いだったので「切腹にしましょう」と。あとはカブトムシだったので、角をイメージしながらシンプルにしました。

【木津】そうだったんですね！思い入れがある分、スゴかったです。

――『仮面ライダーW』という作品の印象を教えてください
【和田】まずは面白いです。ほかの仮面ライダー作品も当然、面白いですけど『仮面ライダーW』が、『風都探偵』として続いてるということは、それだけ魅力的な要素がいっぱいあるからだと思います。6種のガイアメモリでフォームが変わり、それによって能力も変わるのは見ていてワクワクしますよね。毎週、何で倒すのかが楽しみでした。皆さんの推しのフォームもできたりしますよね。

【木津】簡単には語れないですが…。やっぱりバディものっていうのは欠かせない要素だなと思います。『仮面ライダーW』でしっかり完結した上で、うまく『風都探偵』につながっている。昔のことも描きながら「こういう世界もあるか！」と納得できる説得力が『風都探偵』にありました。やっぱり『仮面ライダーW』は、みんなで作った作品なんだなと思うのと同時に皆さんに愛されたからこそ、またマンガ、アニメ、そして、舞台としてあるんだろうなと感じております。

■『仮面ライダーW』出演のなだぎ武＆君沢ユウキに感謝　“風”を吹かせる約束も

――そんな『仮面ライダーW』の世界から、舞台『風都探偵』になだぎ武さんが同じ刃野幹夫役で出演します
【和田】なだぎさんは何年か前に撮影でご一緒させていただいた。『R-1グランプリ』（当時は『R-1ぐらんぷり』）が強い印象なんですけど、初めて共演させていただいた時から「『仮面ライダーW』の刃野だ！」といううれしさはありました。当時の風を知っている心強さはハンパないです。

【木津】そうなんですよ！　役は違いますけど、万灯雪侍役の君沢ユウキさんも。君さんにお会いした時に聞いたら「本当にうれしい」と。すっごいキラキラした目で「俺も頑張るから盛り上げような」と言ってくれた。当時、作品に出ていた方が、一緒にお芝居して舞台『風都探偵』を彩っていただけるのは、本当にありがたいお話です。

――君沢さんからは、何か助言はありましたか？
【木津】ありがたいお話なんですけど、君さんから「（フィリップが）つばさな理由がわかる」と言っていただいた。『仮面ライダーW』放送されていたころ僕は中学生で芸能活動もやっていないですし、当時を知っている方に、そう言っていただけて、うれしかったです。当時を知っている方だからこそ出せる世界が絶対にあると思う。そこにしっかりと応えていきたいなと思います。

【和田】君ちゃんは信頼しかない。本当にハッピーな男。当時の雰囲気を知っているのにプラスして、舞台にいてくれたら助かる役者さんの1人です。

――『仮面ライダーW』は、さまざまなフォームチェンジをしながら戦うのが魅力です。舞台で、どう表現するのかに注目が集まりますが。
【和田】「見事！」って思うと思います。（取材時は）けいこ前で、まだ僕らもどうなるかわかっていないですけど。舞台『「仮面ライダー斬月」-鎧武外伝-』をやられていた毛利亘宏さんが今回も演出をされる。舞台で仮面ライダーをやるノウハウもあって、（別の取材で）「当時のベストを尽くしたけど反省点もある。今回は、それを生かしたい」とおっしゃってました。今回はバイクも出てくるらしいので、それも楽しみにしていただけたら。翔太郎は間違いなく乗ると思うので、その時までに免許を取りたいな、と…。

【木津】舞台上ならいらないのよ（笑）。舞台ならではの魅力としては『風都探偵』って、せりふの多い会話劇な一面もあると思います。“探偵”って言っているので、謎があるところも魅力だなと思います。お客さんも一緒に考えながら観てくださると楽しめると思います。

――最後に『風都探偵 The STAGE』の見どころをお願いします
【木津】自分はヒーローに憧れがありました。こうして改めてヒーローになれると決まった日から今まで後悔をしたことがないです。ワクワクしかない。だからこそ、いろんな人の思いを背負っているんだなと感じます。『仮面ライダーW』、『風都探偵』と続いて、『風都探偵The STAGE』として舞台をやらせていただく。僕たちが証明しないといけないヒーローのあり方が詰まっていると思う。今までやってきたことを全て出すつもりでヒーローを体現したいと思います。

【和田】舞台って、2時間から3時間は、その空間はみんなで1つ。ある意味で逃れられない。でも、それが魅力的。この期間は『風都探偵The STAGE』の風がサンシャイン劇場と梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティに吹いている。その風を感じに来てほしいです。皆さんの心に新しい風を吹かせるように頑張るので、劇場でお待ちしています。

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