■『ONE163』（19日／シンガポール・インドア・スタジアム：ABEMA PPVで生配信）
　メインカードに出場した日本人4選手が全員敗れた『ONE 163』大会後、同団体のチャトリ・シットヨートンCEOが、多忙な合間を縫って日本のメディアに向けて会見を開催し、日本格闘技界に警鐘を鳴らした。

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　今大会は若松佑弥（バンタム級※キャッチウエイト）、岡見勇信（ミドル級）、青木真也（ライト級）のMMAファイター3人がそろってTKO負け、そしてキックボクシングバンタム級王者の秋元皓貴までもが判定で敗れて防衛に失敗した。

　この結果を受け、チャトリCEOは「日本のレベルがだんだん下がっている、日本は侍や武道のすごい歴史があるが、キックもMMAも今は世界レベルじゃない。私は日本とタイのハーフで半分は日本人なので、今日はとても悲しい結果です」と厳しい表情で語る。

　『ONE』は来年からABEMA で年間60大会以上も放送されることが決まっており、日本市場で拡大するためには日本人選手の活躍が必須となる。チャトリCEOは日本の格闘技界について「選手にあまりお金が入らない環境で、みんないつも他の仕事をやってから夜に練習をしている。でもアメリカや他の国の選手は仕事はファイトに集中して、1日に6〜8時間も練習ができている。これはすごく問題」と指摘する。

　その解決策として「『ONE』はファイトマネーが世界で1番高いので、世界中の強豪選手が集まっている。日本の選手も『ONE』に参戦して高いファイトマネーで仕事をファイトだけに集中できるようにしてほしい」と、日本の格闘技界の構造改革にも意欲を示した。

　また、今大会では女子選手の平田樹も参戦予定だったが、前日までに規定体重をクリアできず、前回に続いて2試合連続で計量を失敗。今回は対戦相手のハム・ソヒ（韓国）が対戦を拒否したため、試合は直前で中止となった。

　そんな平田に対して、チャトリCEOは「ファイトキャンプ（試合直前の合宿）では、ちゃんと寝て、ダイエットして、練習をしている。しかしファイトキャンプ以外ではいろいろ食べたりしていると聞きました。そういう人はチャンピオンになることは難しいです。でも、樹はタレント性を持っている。本気で真面目に練習に取り組めば、可能性はある」と、生活の改善を求めながらもポテンシャルに期待を寄せた。