『anan』による特別編集MOOK『ミュージカル エリザベート Anniversary Book』（マガジンハウス刊）が、11月1日に発売されることが決定した。ミュージカル界の鬼才・小池修一郎氏のロングインタビュー、最新作22年版の主要キャスト撮り下ろしインタビュー、貴重な歴代の記録的な舞台写真、若手ミュージカル俳優の登竜門というべきルドルフ役にフォーカスし、歴代ルドルフ役の全キャストインタビューも盛り込んだ約20年の記録と記憶の一冊となっている。

　ミュージカル『エリザベート』は、ハプスブルク帝国最後の皇后・エリザベートの数奇な人生を、黄泉の帝王・トートという架空のキャラクターを絡めて描く壮大なストーリー。脚本・作詞のミヒャエル・クンツェ、作曲のシルヴェスター・リーヴァイのコンビにより1992年にウィーンで初演を迎えた。

　日本では、96年に小池氏の演出により宝塚歌劇団・雪組で初演し大ヒット。宝塚版での再演を重ねたのち、2000年に同じく小池氏演出にて東宝版が初演された。以後、10回にわたって再演を繰り返し、20年にも上演される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で公演が中止。2022年に待望の上演が決定し、チケットは発売とともに即完売になるなど、現在のミュージカルブームを代表し、けん引する大作ミュージカルとなっている。

　同誌では、東宝版の00年初演の舞台から、直近の19年公演までの貴重な舞台写真を掲載。宝塚版初演にも出演した一路真輝、トート役初演キャストの山口祐一郎、内野聖陽から現代を代表するミュージカル俳優たちの若き姿まで一挙に振り返ることができる、カラー46 ページの壮大な絵巻物のような特集になっている。

　また、22年版『エリザベート』の主翼キャスト11人を撮り下ろしたグラビア＆インタビューを掲載。エリザベート役の花總まり、愛希れいか、トート役の山崎育三郎、古川雄大、井上芳雄、フランツ・ヨーゼフ役の田代万里生、佐藤隆紀、ルドルフ役の甲斐翔真、立石俊樹、ルイジ・ルキーニ役の黒羽麻璃央、上山竜治の総勢11 人が登場する。稽古期間中の22年版上演に向けての意気込みをたっぷり語る。宝塚版初演から四半世紀に及ぶ今作との縁がある花總をはじめ、20年の公演中止を乗り越えて今回の上演に臨む役者、今回初めて『エリザベート』の世界に足を踏み入れた役者、それぞれの熱い思いに触れ、今作の魅力を伝える。

　さらに、ミュージカル俳優の登竜門“ルドルフ”役経験者11人が総登場。東宝版初演時に無名の新人ながらルドルフ役に大抜擢され、その重圧を乗り越えて現在の日本ミージカルを代表する俳優となった井上のエピソードは、演劇界の伝説となっている。その後も、フレッシュなキャスティングは毎回注目を集め、今や“ミュージカル俳優の登竜門”と呼ばれる役になった。

　そんなルドルフ役を経験した井上、浦井健治、パク・トンハ、伊礼彼方、田代、大野拓朗、平方元基、古川、京本大我（SixTONES）、三浦涼介、木村達成にもインタビュー。日本『エリザベート』上演史の貴重な証言集とも言える内容となっている。

　宝塚歌劇団の演出家として1986 年にデビュー後、宝塚以外でも、『モーツァルト！』『ロミオ＆ジュリエット』『レディ・ベス』『オーシャンズ11』『1789-バスティーユの恋人たち-』『ポーの一族』『ニュージーズ』など数々の大作ミュージカルの演出でヒットを連発、現在の空前のミュージカルブームのきっかけを作ったとも言える演出家・小池氏にもロングインタビュー。『エリザベート』との出会いから宝塚版、東宝版に至る流れのエピソード、『エリザベート』の魅力と演出のポイント、歴代ルドルフ役の当時の思い出まで、約6時間におよぶ取材で語っている。

　ミュージカル『エリザベート』は10月9日から11月27まで東京・帝国劇場で上演。その後、愛知・御園座、大阪・梅田芸術劇場メインホール、福岡・博多座にて上演される。