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西島秀俊&中村倫也の『仮面ライダーBLACK SUN』に期待すること 【篠宮暁の特撮ヤベーイ!】第4回

 お笑いコンビ・オジンオズボーンの篠宮暁による大好きな特撮に特化したコラム『オジンオズボーン篠宮暁の特撮ヤベーイ!』。第4回目は、期待感が高まり続ける『仮面ライダーBLACK SUN』について語る。

『仮面ライダーBLACK SUN』に出演する(左から)西島秀俊、中村倫也 (C)ORICON NewS inc.

『仮面ライダーBLACK SUN』に出演する(左から)西島秀俊、中村倫也 (C)ORICON NewS inc.

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 いよいよ今月の10月28日からAmazon prime videoにて配信される『仮面ライダーBLACK SUN』。ブラックサンに変身する主人公、南光太郎役には西島秀俊さん、そしてブラックサンの宿敵であるシャドームーンに変身する秋月伸彦役には中村倫也さんが演じられると聞いた時には度肝を抜かれた。

 仮面ライダーの主役は今や若手俳優の登竜門としても知られており、オーディションによって将来有望と判を押された無名の若手俳優さんが起用されることがほとんどである。が、この『仮面ライダーBLACK SUN』では現在活躍中の一流俳優さんが起用されており、西島秀俊さんや中村倫也さん以外にも豪華俳優陣が配置されている。

 普段見ている特撮作品と比べて異色な点は俳優陣だけではない。監督には『狐狼の血』や『凶悪』など目を覆いたくなるような描写で観客を沸かせる白石和彌監督が。もうこれだけでも期待は膨れ上がるばかりである。

 実はこの『仮面ライダーBLACK SUN』というのは1987年に放送されていた『仮面ライダーBLACK』のリブート作品で、『仮面ライダーBLACK』はそれまでの仮面ライダー作品とは違ったアプローチで製作され、その斬新だった作風や映像に心を奪われた人も多く、今だに高い人気を誇っている作品でもある。

 その旧『仮面ライダーBLACK』からどのあたりが抽出されて作られていくのか、はたまた全く新しいBLACKを見せてくれるのかというのはずっと気になる点であったが、現在最新の特報を見る限りでは後者のような気がする。

 映像の端々から感じるのは、どうやら怪人が差別されてる世界で人間の黒い部分が渦巻いてそうな世界だった。まさしく白石和彌監督が得意としてきた部分が遺憾なく発揮されてる世界である。そしてその特報内で声高に演説する中村倫也さん演じる秋月信彦の声。「ここは人間だけの世界ではない。俺たちの世界でもある。だったら戦うしかないだろ」。怪人が人間に反旗を翻そうというのか。

 大体の特撮作品、特に勧善懲悪な作品での敵の目的は地球征服ということで相場は決まっている。しかし、この信彦のせりふからは共存しようと試みたが不可能だったため、残された選択肢は戦うしかない、そんな風にくみ取ることができる。

 怪人にも怪人の事情があり、その点もしっかり丁寧に描いてくれるに違いない。

 この感じ、とても『仮面ライダーアマゾンズ』に似ているのも期待値が上がってしまう要因の一つだ。アマゾンズというのは2016年に同じくAmazon prime videoで配信された作品で、日曜の朝では流せないようなヘビーな内容で多くの特撮ファンを魅了した。

 作中ではアマゾンと呼ばれる怪人が全部が全部悪ではないし、人間は人間で全員が善ではないから、アマゾンだとしても守るべきアマゾンは守り、人間であっても戦うべき相手には拳を向ける主人公 悠とどんなに悪だろうと人間ならば全員守り、どんなに善でも徹底してアマゾンを狩るアマゾンの生みの親、仁との対立が作品のクライマックスを盛り上げた。

 この怪人の群像劇は2003年の『仮面ライダー555』でも丁寧に描かれており、作品を見れば異形の姿になってしまった者たちの苦悩が痛いほど伝わってくる。この異形の姿の葛藤は初代仮面ライダーで提示されたものであり、時代が変わっても石ノ森章太郎先生のイズムが色濃く継承されている証でもある。

 今月末、ついに視聴することができる『仮面ライダーBLACK SUN』。一体どんな世界で私たちにどんな興奮をもたらしてくれるのか。配信開始までもうしばらくの辛抱である。

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  1. 1. 『篠宮暁の特撮ヤベーイ!』第1回「圧倒的な強さで魅了する仮面ライダーギーツ」
  2. 2. 西島秀俊&中村倫也の『仮面ライダーBLACK SUN』に期待すること 【篠宮暁の特撮ヤベーイ!】第4回
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