Z世代を中心に注目を集めるインフルエンサー・らん。TikTokやYouTubeなどで活動し、SNSの総フォロワー240万人を超える韓国人インフルエンサーだ。なぜか韓国以上に日本で人気が出た彼女は、今年の6月から日本を拠点に活動を開始している。たくさんのインフルエンサーがいる中での個性の発信の仕方や、こだわり、コンプレックスとの向き合い方などを聞いた。
■2年前に韓国で発信を開始、なぜか日本で注目が集まる
――TikTokのフォロワーが160万人を超える人気ですが、発信はいつからしているのですか?
らん:2年ぐらい前に始めました。友だちが「絶対バズるからやりなよ!」って言ってくれたのが始めたきっかけです。高校の勉強がけっこう大変な時期だったんですけど、動画を投稿することがストレス発散にもなったので、いいバランスでできたと思います。
――最初にバズった動画はどんなものでしたか?
らん:どの動画だったのかはちゃんと覚えていないんですけど、1年半くらい前に、そのとき流行っていた振付をやった動画だったと思います。注目度の高いネタはトレンドに乗りやすいので、流行っているものはすぐに取り入れて動画にしていましたね。
――最初から日本からのフォロワーが多かったそうですね。
らん:そうなんです。最初は韓国のエンタメに興味のある子たちが見てくれていたと思うんですけど、「韓国人だけど、日本人っぽい雰囲気を持っている」というところに注目してくれたと思います。
――「なぜ日本で…?」という気持ちはありましたか?
らん:そうですね。不思議な気持ちもありましたが、日本でもK-POPや、韓国メイクが流行っているし、そのおかげもあるんじゃないかな。日本の方が見てくれているとわかって、動画やコメントで日本語を使うようになりました。
――すごくしっかり日本語をお話されているのが印象的ですが、もともと話せたんですか?
らん:まったく(笑)。DMやコメントをお返ししたいと思って、ファンから来たメッセージを翻訳しながら、独学で学びました。独学でもすぐに話せるようになったのは、もともと日本のアニメを見ていたからかなと思います。そのうち日本の友達やファンも増えて、コミュニケーションの中で自然に覚えられるようになりました。
――ファン想いなんですね。日本語は学ぶのが難しいと聞きますが…。
らん:難しいです! 漢字は読むのも書くのも大変だし、カタカナも似ている字が多くないですか? それと、発音も韓国語では使わないものがあって、チュボミ(蕾)、ギンジャ(銀座)とか、アリガトゴジャイマスとかになっちゃって…。自分ではちゃんと言えているつもりなのに、相手が笑ってて…おもしろいこと言ってないのにって(笑)。
■渋谷を歩くと歓声が…「韓国ではなかったから不思議」
――日本での注目をきっかけに、これから日本で活動を広げていくと伺いましたが、もともと芸能活動に興味があったんですか?
らん:小さいときからアイドルは憧れでした。でもアイドルは歌もダンスもできないといけないし、私には無理かなぁと感じていましたね。でも見せ方を変えるとそれが可能になるんだなって思って、今はこの活動が楽しいし、夢が叶ったことがうれしいです。でもまさか海外でやることになるとは思わなかったですけど(笑)。
――2ヶ月ほど前に来日し、日本での生活が始まりましたよね。日本のファンの反応はいかがですか?
らん:「日本に来てくれてうれしい」って言ってもらうことが多いですね。それと、TikTokで日本に来ていることを報告したら「どうりで空気が美味しいと思った」っていうようなコメントがたくさんあって(笑)。日本のみなさんはおもしろいですよね。
――渋谷を歩いたら「キャー」みたいな感じじゃないですか?
らん:そうなんですよ。韓国ではほとんどなかったので、なんか不思議な気持ちです。まだ慣れないけど、声をかけていただけるのはうれしいですし、少しお話したりして、すてきな体験です。
――声をかけられるのは嫌じゃないんですね。
らん:はい、うれしいです! でも、ご飯を食べているときに見られるのは緊張しちゃうので、終わってからにしていただけると…(笑)。
――日本の女の子はどんな印象ですか?
らん:日本の女の子は「かわいくなりたい」とはっきり言うので驚きました。韓国の女の子って「かわいくなりたい」とはあまり言わないんですよ。どちらかというと「きれいになりたい」と思っている子の方が多い気がしますね。
――日本はもう満喫していますか?
らん:好きなアーティストのライブを楽しんだり、京都と大阪に行ったりしました。まだ海外旅行気分が抜けてなくて、見るものすべてが新鮮です。
――日本で活動することに不安はありますか?
らん:“言葉”が心配です。言葉を間違えちゃうことってまだまだたくさんあるんですけど、それに対してなにか言われそうで…。思ってもみない解釈でもっと大きく広まってしまったら怖いなって感じています。
■「まぁいっか」と思えるようになってから、自分のことが好きになれた
――発信する上で気をつけていることはありますか?
らん:外が見える窓の近くや、家の近くの外で撮らないようにしたりしています。あとは、加工を強めにしないこと! 私は自分の顔が好きなので、肌荒れなどのコンプレックスを隠したり、私が鏡で自分の顔を見ているのと同じになるように加工を合わせるくらいにしています。
――自分のことを好きになれないという方もいると思うのですが、らんさんが思う「自分を好きになる秘訣」は?
らん:基準を低くすることですね。私は少し前まで、自分に完璧を求める考え方を持っていて、そのときは自分が好きじゃなかったんです。「もっともっとこうでなきゃいけない!」「完璧にならなきゃいけない!」と思っていました。見た目や勉強だけでなく、みんなに見せている性格とかも理想の自分に作り上げようとしていて。でもあるとき「基準を低くしたほうがいいよ」って言ってくれる人がいて、「まぁいっか」ってなってからは自分のことが好きになれるようになりました。
――そんな風に気持ちを切り替えられるようになったのは発信するようになってから?
らん:そうですね。他人と比べるよりも、昔の自分と比べる方が大事だと気づくことができました。TikTokにはかわいい子、きれいな人がいっぱいいるし、それをみて自分が嫌になった時期もありましたけど、比べてもキリがないなって。いつも自分への基準を低くすることを考えておかないとすぐまた嫌になってしまうので、その気持ちをずっと持ち続けることも大事だと思っています。
――たくさんのインフルエンサーがいますが、その中で“らんさんらしさ”はどんなところだと思いますか?
らん:明るくて楽しい動画が多い中で、私は少し暗い感じかなと思います。あ、性格ではなくて、動画の雰囲気です。画面の明るさが強くならないように気をつけていて。夜っぽさ、エモさ、シックさは、自分のイメージや個性だと思って大切にしている部分です。
――これから日本での活動が始まりますが、やってみたいことはありますか?
らん:バラエティにたくさん出たいです。動物が大好きなので、動物に関わる番組もやってみたいですね。それと、日本には韓国の化粧品がたくさん入っているので、それを紹介するようなお仕事もしてみたい。そしていつか日韓親善大使のような、日本と韓国をつなぐような存在になりたいですね。
取材・文/?田薫写真/MitsuruYamazaki★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
■2年前に韓国で発信を開始、なぜか日本で注目が集まる
――TikTokのフォロワーが160万人を超える人気ですが、発信はいつからしているのですか?
らん:2年ぐらい前に始めました。友だちが「絶対バズるからやりなよ!」って言ってくれたのが始めたきっかけです。高校の勉強がけっこう大変な時期だったんですけど、動画を投稿することがストレス発散にもなったので、いいバランスでできたと思います。
――最初にバズった動画はどんなものでしたか?
らん:どの動画だったのかはちゃんと覚えていないんですけど、1年半くらい前に、そのとき流行っていた振付をやった動画だったと思います。注目度の高いネタはトレンドに乗りやすいので、流行っているものはすぐに取り入れて動画にしていましたね。
――最初から日本からのフォロワーが多かったそうですね。
らん:そうなんです。最初は韓国のエンタメに興味のある子たちが見てくれていたと思うんですけど、「韓国人だけど、日本人っぽい雰囲気を持っている」というところに注目してくれたと思います。
――「なぜ日本で…?」という気持ちはありましたか?
らん:そうですね。不思議な気持ちもありましたが、日本でもK-POPや、韓国メイクが流行っているし、そのおかげもあるんじゃないかな。日本の方が見てくれているとわかって、動画やコメントで日本語を使うようになりました。
――すごくしっかり日本語をお話されているのが印象的ですが、もともと話せたんですか?
らん:まったく(笑)。DMやコメントをお返ししたいと思って、ファンから来たメッセージを翻訳しながら、独学で学びました。独学でもすぐに話せるようになったのは、もともと日本のアニメを見ていたからかなと思います。そのうち日本の友達やファンも増えて、コミュニケーションの中で自然に覚えられるようになりました。
――ファン想いなんですね。日本語は学ぶのが難しいと聞きますが…。
らん:難しいです! 漢字は読むのも書くのも大変だし、カタカナも似ている字が多くないですか? それと、発音も韓国語では使わないものがあって、チュボミ(蕾)、ギンジャ(銀座)とか、アリガトゴジャイマスとかになっちゃって…。自分ではちゃんと言えているつもりなのに、相手が笑ってて…おもしろいこと言ってないのにって(笑)。
■渋谷を歩くと歓声が…「韓国ではなかったから不思議」
――日本での注目をきっかけに、これから日本で活動を広げていくと伺いましたが、もともと芸能活動に興味があったんですか?
らん:小さいときからアイドルは憧れでした。でもアイドルは歌もダンスもできないといけないし、私には無理かなぁと感じていましたね。でも見せ方を変えるとそれが可能になるんだなって思って、今はこの活動が楽しいし、夢が叶ったことがうれしいです。でもまさか海外でやることになるとは思わなかったですけど(笑)。
――2ヶ月ほど前に来日し、日本での生活が始まりましたよね。日本のファンの反応はいかがですか?
らん:「日本に来てくれてうれしい」って言ってもらうことが多いですね。それと、TikTokで日本に来ていることを報告したら「どうりで空気が美味しいと思った」っていうようなコメントがたくさんあって(笑)。日本のみなさんはおもしろいですよね。
――渋谷を歩いたら「キャー」みたいな感じじゃないですか?
らん:そうなんですよ。韓国ではほとんどなかったので、なんか不思議な気持ちです。まだ慣れないけど、声をかけていただけるのはうれしいですし、少しお話したりして、すてきな体験です。
――声をかけられるのは嫌じゃないんですね。
らん:はい、うれしいです! でも、ご飯を食べているときに見られるのは緊張しちゃうので、終わってからにしていただけると…(笑)。
――日本の女の子はどんな印象ですか?
らん:日本の女の子は「かわいくなりたい」とはっきり言うので驚きました。韓国の女の子って「かわいくなりたい」とはあまり言わないんですよ。どちらかというと「きれいになりたい」と思っている子の方が多い気がしますね。
――日本はもう満喫していますか?
らん:好きなアーティストのライブを楽しんだり、京都と大阪に行ったりしました。まだ海外旅行気分が抜けてなくて、見るものすべてが新鮮です。
――日本で活動することに不安はありますか?
らん:“言葉”が心配です。言葉を間違えちゃうことってまだまだたくさんあるんですけど、それに対してなにか言われそうで…。思ってもみない解釈でもっと大きく広まってしまったら怖いなって感じています。
■「まぁいっか」と思えるようになってから、自分のことが好きになれた
――発信する上で気をつけていることはありますか?
らん:外が見える窓の近くや、家の近くの外で撮らないようにしたりしています。あとは、加工を強めにしないこと! 私は自分の顔が好きなので、肌荒れなどのコンプレックスを隠したり、私が鏡で自分の顔を見ているのと同じになるように加工を合わせるくらいにしています。
――自分のことを好きになれないという方もいると思うのですが、らんさんが思う「自分を好きになる秘訣」は?
らん:基準を低くすることですね。私は少し前まで、自分に完璧を求める考え方を持っていて、そのときは自分が好きじゃなかったんです。「もっともっとこうでなきゃいけない!」「完璧にならなきゃいけない!」と思っていました。見た目や勉強だけでなく、みんなに見せている性格とかも理想の自分に作り上げようとしていて。でもあるとき「基準を低くしたほうがいいよ」って言ってくれる人がいて、「まぁいっか」ってなってからは自分のことが好きになれるようになりました。
――そんな風に気持ちを切り替えられるようになったのは発信するようになってから?
らん:そうですね。他人と比べるよりも、昔の自分と比べる方が大事だと気づくことができました。TikTokにはかわいい子、きれいな人がいっぱいいるし、それをみて自分が嫌になった時期もありましたけど、比べてもキリがないなって。いつも自分への基準を低くすることを考えておかないとすぐまた嫌になってしまうので、その気持ちをずっと持ち続けることも大事だと思っています。
――たくさんのインフルエンサーがいますが、その中で“らんさんらしさ”はどんなところだと思いますか?
らん:明るくて楽しい動画が多い中で、私は少し暗い感じかなと思います。あ、性格ではなくて、動画の雰囲気です。画面の明るさが強くならないように気をつけていて。夜っぽさ、エモさ、シックさは、自分のイメージや個性だと思って大切にしている部分です。
――これから日本での活動が始まりますが、やってみたいことはありますか?
らん:バラエティにたくさん出たいです。動物が大好きなので、動物に関わる番組もやってみたいですね。それと、日本には韓国の化粧品がたくさん入っているので、それを紹介するようなお仕事もしてみたい。そしていつか日韓親善大使のような、日本と韓国をつなぐような存在になりたいですね。
取材・文/?田薫写真/MitsuruYamazaki★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
![](https://contents.oricon.co.jp/pc/img/_parts/icon/icon-comment_38.png)
2022/09/24