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【ANN55周年連載Vol.2】マヂカルラブリー&齋藤D鼎談(前編) 深夜3時の心地よい“脱線トーク”ができるまで

 1967年10月2日の深夜1時。「君が踊り僕が歌うとき、新しい時代の夜が生まれる。太陽のかわりに音楽を、青空のかわりに夢を。フレッシュな夜をリードするオールナイトニッポン!」という糸居五郎の第一声で、ニッポン放送“深夜ラジオの代名詞”『オールナイトニッポン(ANN)』が幕開けした。現在にいたるまで、才能豊かな数々のパーソナリティーを見出し、リスナーに寄り添い、常に時代の最先端を見つめ、話題や文化を発信してきた『ANN』が、この4月から55周年YEARを迎えた。

『オールナイトニッポン』55周年連載Vol.2 マヂカルラブリー&齋藤修ディレクターの鼎談 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.

『オールナイトニッポン』55周年連載Vol.2 マヂカルラブリー&齋藤修ディレクターの鼎談 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.

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 ORICON NEWSでは、毎月1組のパーソナリティーにスポットを当てて『ANN』の“今”を紹介する連載企画をスタート。第2弾となる今月は、昨年より木曜日の『ANN0』(深3:00)を担当しているマヂカルラブリー野田クリスタル村上)。全3回にわたる2回目は、番組を手掛ける齋藤修ディレクターとマヂラブによる鼎談の前編を届ける。

■村上、2年目は「元気な日が多くなっています」 野田が起こした“クーデター”

 2020年3月の『R-1ぐらんぶり2020』(当時)にて、野田が18代目の王者となったことをきっかけに、コンビで3度の単発特番が放送され、同年の『M-1グランプリ』で王者になった勢いそのままに21年4月からレギュラーがスタート。“王者”として怒涛のスケジュールの中での1年目の『ANN0』だったが、今年4月からは2年目となり変化はあったのか。

【村上】単純に元気な日が多くなっていますね(笑)。1年目は忙しすぎて本当に毎回気がおかしくなりそうだったのですが、2年目はそこまで追い詰められている回がないんです。

【野田】僕はまだ忙しいですね。だから、コイツがラジオで元気そうにしていると腹立つんですよ(笑)。「お前、きょう昼で前の仕事が終わっていただろう」って。コイツは昼のロケだけで終わったりするので、ご飯を全部食べたりとかすごく楽しそうにロケしてるんですよ。僕はその後にも収録や取材があることが多いのに。

【村上】いいですよね、別に(笑)。

【野田】スケジュールに関しては、ちょっといろいろ重なってきて、去年より忙しくなってきました。いつまで続くんだろう、なんとかならないのかなっていう気持ちがいまだに強いですね。見取り図とかに会うと、みんな相談しますね。「どうします?」「どうする?」って(笑)。体力がなかなか厳しいので……、どこかでもうちょっと落ち着いてくれたら。

 同じコンビながらスケジュールに差のある2人。この日も「朝の4時に起きて、1秒も休みがなく来ています」と疲れ気味の野田に対し、村上は「僕は3時間寝てきたので、もう早く話したくて(笑)」と余裕を見せる。村上はラジオに準備万端なのかと思いきや、そうではないようで……。

【野田】すげー腹立つのは、コイツはラジオの打ち合わせの時にまったく話を持ってこないから、オレが打ち合わせで黙ると最初のトークのネタが一生出て来ないんですよ。だから、2年目になって変えてみようとオレがクーデターを起こして、コイツが何か言うまでオレは一切何も言わんと決めてみました。そこから、ちょっと自分で持ってくるようになったりして。ようやく分散できてきました。そもそも、ネタ作りもオレがやるとは一言も言っていないのに、自然とそうなっていて。

【村上】ネタ作りに関しては、野田さんはやりたいことがある人だと思うので、それをやっていただきたいので……。

【野田】いや、ないよ。

【村上】かといって、僕が持ってきたものをやるかと言われたら、それはわからない部分があるので。

【野田】全然やるよ。ネタでもトークもなんでもいいから作ってみて、持ってくると広がるかもしれないし。

【村上】そこは、やらないですね。15年くらい染み付いたものがありますので。

【野田】ラジオのワンコーナーが、丸々村上の企画っていうものがあってもいいくらいですよ。

【村上】いや、でも、それはやっぱりよくないかな(笑)。

【野田】なんかよくないらしいです。僕らも深入りできないんですけど、なんかそういう風にさせるんですよ。合気道みたいな感じのさばき方をしてくるので。知らぬ間に、向こうが楽をしているなと。そういう駆け引きはない方がいいんですけどね(笑)。

【村上】そこが、『マヂカルラブリーのANN0』の聞きどころじゃないでしょうか(笑)?

野田クリスタル 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.

野田クリスタル 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.

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■野田が齋藤Dへの印象変わった「村上タクチケ事件」 番組前の打ち合わせ「ほとんどしない」裏に信頼感

2人のラジオ本番のようなやり取りを笑顔で見守る齋藤D。水曜日の『佐久間宣行のANN0』では、クレーンゲームマニアとして何度もトークで名前が出てくるが、マヂラブがトークで名前を出すことは少ない。改めて、お互いの印象について語ってもらった。

【村上】僕はリスナーとしてラジオを聞いてきたタイプなので、Dといえば威厳のあるような人をイメージしていましたが、初めて会ったときは「うわー、ラジオのDだ。この人が僕たちのキューを振る人なんだ。意外と若いな、肌が白いな」っていう感じでした(笑)。番組が始まってからも、そんなに主張はしないけど大事な時に入ってくれて「これはダメですよ」とアドバイスしてくれたり、番組全体を見てくれていると感じています。

【野田】周りの人の感じから、最初はけっこうイジられるタイプなのかなという印象でした。でも、「村上タクシーチケット事件(※)」の時に、ニヤニヤしながら僕の方に近づいてきて「アイツ、やってますよ」って言ってきて(笑)。そんなイジる一面もあるんだなと。それから印象がまったく変わって。僕ら芸人だから、イジるか・イジられるかって決めちゃうんですよ。でも、そうじゃないから、どっちでもあるんだって。イジりもするんだなと。
(※)高円寺に住んでいることを公言していた村上だが、ラジオから帰宅する際のタクシーチケットの行き先が高円寺から新中野にシレッと変わっていた事件。

【齋藤】でも、あれ見たらイジリませんか(笑)?

【野田】しかも、「アイツ」って言ってましたからね(笑)。あれは面白かった。

 逆に、齋藤Dにマヂラブの印象も聞いてみた。

【齋藤】お2人は芸歴がある方なのに威圧感はまったく感じなくて、すごくやさしいので、最初から今もずっとやりやすいです。主張しないというようなことをおっしゃっていただいたのですが、基本的に芸人さんのラジオで、自分の我を出してもしょうがないと思っています。この番組でも枠だけ決めて、お2人のやりたいことた好きなことをやっていただきたいので。そういう意味では、打ち合わせもほとんどしないのに、あそこまでトークを広げてくださるので、そこに関してはすごくやりやすいなと。こんなに時間がかからない芸人さんもいらっしゃらないです。

【村上】ほかの芸人さんって、もっと打ち合わせしているんですか?

【齋藤】有名な話ですと、オードリーさんは数時間前に入って、作家さんとフリートークの打ち合わせをされています。ナインティナインさんも早めに入って、ネタハガキを読まれていますし。ここまで短いのは、なかなかないです(笑)。

村上 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.

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■名物OPトークの“遅延行為”の舞台裏 齋藤Dが本音「こんなに台本なぞらなくても(笑)」

 この番組の特徴でもある、ダラダラと長引いていくオープニングトークを2人は“遅延行為”と呼んでいる。多忙すぎて番組で披露するエピソードトークが作れないため、尺を埋めるために生み出された苦肉の策だったが、今やすっかり番組名物となっている。

【野田】構成作家の福田さんがいくつかニュースを用意してくれるのですが、基本的に興味のあるテーマが少ないんです。でも、ここを伸ばさないとフリートークの時間が長くなるから、オープニングをどれだけ延ばせるのかということをやり始めて、今は30分くらいになりました。

【村上】普通のラジオ番組としては、本当は何分くらいがいいんですか?

【齋藤】芸人さんのラジオは基本的にオープニングトークが長いので、特に何分がいいという決まりはないです。

【村上】なげーなって思うことはある?

【齋藤】あります(笑)。こんなに台本なぞらなくてもいいから、そこは飛ばしてって思ったり(笑)。

【村上】こっちは全部やりたいんです(笑)。

【齋藤】最初からお2人はトークがうまかったのですが、ファンの方しかわからない話がちょこちょこ出てきていたんです。でも最近は、わからないだろうなと思ったことについては丁寧に説明してくださるので、よりうまくなっていると感じます。

【村上】へぇー、自分で気づかなかったです(笑)。

 2人の脱線だらけのトークは、ラジオファンから高く指示され人気を集めている。村上は「街で声をかけられるときは『ラジオを聞いてます』というのが一番多い。お笑い好きっぽくない普通の人にも言われます」とリスナー層の広がりを実感している。一方の野田も「リスナーはツイッターをやってる人が多いかもしれない。『君が聞いてるの?』みたいな人もいたりします。タイムフリーやSpotifyでいつでも聞けるので、それが大きいですね」と分析する。

 来週配信の後編では、これまでの放送で特に印象に残った放送回、リスナー・スタッフとの関係性、放送前のルーティーン、今後番組でやりたいことなどに迫る。

【マヂカルラブリー】
2007年結成、野田クリスタルと村上によるお笑いコンビ。2017年『M-1グランプリ』決勝進出、18年『キングオブコント』決勝進出。20年には野田が『R-1ぐらんぷり』(当時)で優勝し、賞レースのトリプルファイナリストになると、同年『M-1グランプリ』で優勝する。漫才やコントのネタだけではなく、野田が独学で習得したプログラミングで開発する「野田ゲー」でも話題となっている。21年4月から『オールナイトニッポン0(ZERO)』木曜日を担当。

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  1. 1. 【ANN55周年連載Vol.2】『マヂラブANN0』に密着 スタッフ・リスナーとの相乗効果で生み出される“笑い倒し”の1時間30分
  2. 2. 【ANN55周年連載Vol.2】マヂカルラブリー&齋藤D鼎談(前編) 深夜3時の心地よい“脱線トーク”ができるまで
  3. 3. 【ANN55周年連載Vol.2】マヂカルラブリー&齋藤D鼎談(後編)スタッフ・リスナーとの“あうんの呼吸”で1時間半を駆け抜ける
  4. 4. 【ANN55周年連載Vol.2】ラジオ界の歴史を変える『ANN』サブスク化 “ストック型”への挑戦で「全体が潤っていかなければ」

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  • マヂカルラブリー 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.
  • 野田クリスタル 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.
  • 村上 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.
  • 齋藤修ディレクター 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.
  • マヂカルラブリー 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.
  • 『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0』に独占密着 (C)ORICON NewS inc.
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  • 村上 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.
  • 村上 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.

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