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錦織一清の舞台演出術「僕自身が楽しむから楽しさを伝えられる」

 小学生のときにジャニーズ事務所に入所してから、アイドルグループ・少年隊として一世を風靡、エンターテインメント界の第一線で活躍を続ける俳優・舞台演出家の錦織一清。2022年は、自身が演出を手がける舞台『フランケンシュタイン-cry for the moon-』で幕を開ける。

演出を手がける舞台『フランケンシュタイン-cry for the moon-』が1月7日に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで開幕 (C)ORICON NewS inc.

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 数々の映画・ドラマの原作や題材となり、世代を超えて語り継がれてきた名著『フランケンシュタイン』を、新たな脚色で舞台化する『フランケンシュタイン-cry for the moon-』。若き科学者が禁忌を犯した実験で生み出した名もなき【怪物】を演じるのは、七海ひろき。既存のイメージを覆すような“麗しい怪物”が誕生する。

 「フランケンシュタインと聞いて思い浮かべるイメージというのが人それぞれあると思うんです。ツギハギだらけで頭にボルトが刺さった大男をイメージする人も多いかと思いますが、今回の怪物を七海さんが演じるという時点で、既成概念にとらわれない『フランケンシュタイン』をやりたいんだ、というのは伝わると思うんですよね」

 怪物(七海)は言語や知性を習得し、感情が芽生え、やがてコントロールできなくなるほどの怪力を身につける。しかし、その怪力に身の危険を感じた創造主の科学者ビクター(岐洲匠)は怪物を見捨てて逃げ出してしまう。その後、怪物は周囲の人々からも拒絶され疎外される孤独の中で、盲目の娘・アガサ(彩凪翔)と出会い彼女の美しい心に触れた怪物は、愛する人と「心」を通わせたいと願うようになる。

 「怪物は人間(ヒューマン)ではないからこそ人間に憧れるんだけど、怪物を虐げるのもまた人間たちで、その中には私利私欲にまみれ、ヒューマニズムに欠けた人間もいる。怪物を通して人間の一面を読み取ることができる。それが『フランケンシュタイン』が不朽の名作たるゆえんだし、今回の舞台でやりたいのも人間って何なのか、ということに行き着くんです」

 1999年につかこうへい演出『蒲田行進曲』への出演をきっかけに、舞台演出にも積極的に関わるようになり、「気づいたら演出家になっていた」という錦織。

 「僕は若い頃からジャニー(喜多川)さんと一緒に、楽曲を作るたびに、ああでもないこうでもない、もう少しこうならないかとやってきたのので、『PLAYZONE』をはじめ、あまり構えずに演出をやるようになっていったんです」

■演出家は全部の役をやらせてもらっている感じ

演出を手がける舞台『フランケンシュタイン-cry for the moon-』が1月7日に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで開幕 (C)ORICON NewS inc.

演出を手がける舞台『フランケンシュタイン-cry for the moon-』が1月7日に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで開幕 (C)ORICON NewS inc.

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 さらに、「落ち着きのない演出家だと僕は思っている」と話す。錦織は稽古中、頭で考えるよりも先に体が動いてしまうそう。

 「やっぱり出る側の人間なんだろうね、舞台に上がらないと思考回路が止まっちゃう(笑)。稽古をしながら気になるところがあると、席を立って、役者に立ち位置を変わってもらって、自分でやってみる。すると、ここはこうした方がいいな、せりふを変えたほうがいいな、とひらめくんです。それでまた走って席に戻る。稽古が始まったばかりのうちは、そういうことを何度も繰り返すものだから、僕だけ汗だくでゼイゼイ息切らしてる(笑)。何か面白いことを思いつくと、役者たちに『やってみて』という言う前に、『1回僕にやらせて』ってなる。迷惑な演出家だよね(笑)」

 そう話す錦織の楽しそうな顔といったらない。

 「稽古が終わって家に帰って、『ああ、今日も面白かった』と言って寝るのは、最高に幸せですよ。だって、いい歳した大人が、子どもの頃にやってたチャンバラごっこや忍者ごっこみたいな遊びを思いっきり本気で、しかも一流の役者たちを動かして、遊べるということなんです。『渡る世間は鬼ばかり』の石井ふく子先生も同じようなことをおっしゃっていました。石井先生も子どもの頃、人形遊びをするのが大好きだったそうです。役者は与えられた役をやるだけだけど、演出家は全部の役をやらせてもらっている感じもあって、本当に楽しいんです」

 この「楽しい」というのは、エンターテインメントの世界で生きる者にとって、非常に大切なことだと錦織は言う。

 「僕自身が楽しむから楽しさを伝えられる、と思っています。演出家がイヤイヤ仕事していたら、出てくださる俳優さんたち、照明、美術、衣装、劇場のあらゆるスタッフ、そして何よりチケットを買って観に来てくださるお客様たちに失礼極まりない。だから僕自身が楽しめなくなったら身を引くけれど、楽しめるうちは思いっきり楽しんで作った舞台を、多くの方に観ていただいて、楽しんでいただきたいと願っています」

舞台『フランケンシュタイン-cry for the moon-』 (C)FCFTMP

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 舞台『フランケンシュタイン-cry for the moon-』は、2022年1月7日(金)より東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、1月20日(木)より大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。

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  • 演出を手がける舞台『フランケンシュタイン-cry for the moon-』が1月7日に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで開幕 (C)ORICON NewS inc.
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