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浦沢直樹氏の漫画作品、ついに電子版解禁 「紙の本が好き」複雑な心境も「最善の形を求めて」

 『20世紀少年』などで知られる漫画家・浦沢直樹氏の作品の電子版が28日、解禁された。各電子書籍販売書店で『YAWARA!』『JIGORO!』『20世紀少年』『21世紀少年』『くしゃみ 浦沢直樹短編集』『夢印』『あさドラ!』7作品を配信スタートさせた。第2弾『MONSTER』『描いて描いて描きまくる』は来年2月末解禁予定となっている。

浦沢直樹氏の漫画作品、 電子版解禁

浦沢直樹氏の漫画作品、 電子版解禁

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 今回の電子版解禁に浦沢氏は「とはいえ、私はやはり紙の本が好きです。手ざわり、匂い、ページをめくり読み進む実感とか。しかしそうも言ってられない今日この頃」と心境。

 「電子書籍というメディアで、いかに読者の皆さんに漫画を楽しんでいただけるか。最善の形を求めて、これからもいろいろなアイデアを出し合っていけたらと思います。まずはお楽しみいただけたら幸いです」とコメントを寄せた。

 なお、過去のORICON NEWSの独占インタビューにて浦沢氏は、10年あまりで電子書籍市場が拡大し、漫画を取り巻く環境が変化してきたことについて「諸先輩方が積み上げてきた漫画の手法に則る形で僕らは育ってきましたが、近年は読書環境がドラスティックに変化し、スマホで漫画を読むということがスタンダードとなってきました。見開きの迫力ある画面演出が有効に発揮できなかったり、スマホ画面に合わせるように縦スクロール漫画が登場したり。そういった変化の中で、漫画がこれまで育んできた大らかな可能性を、新しいメディアの中でどう進化させられるか、日々考えています」と熱弁していた。

 YouTube「浦沢チャンネル」では、電子版解禁&紙の単行本への想いを語る最新動画が公開されている。

 浦沢氏は、1983年『BETA!!』でデビュー。1986年より国民的ヒロインとなった猪熊柔の活躍を描いた柔道漫画『YAWARA!』、93年より女子テニス選手の現在の躍進を予見したような作品『Happy!』を連載。その後99年から『20世紀少年』を連載し、累計2800万部を突破、実写映画化もされた。

 これまでに小学館漫画賞を3度受賞したほか、2021年に4度目となるイタリア「ルッカコミックス&ゲームズ2021」ベストシリーズ賞を『あさドラ!』で受賞するなど、国内外での受賞歴多数。世界累計発行部数は1億4000万部を突破。日本のみならず4か国で個展を巡回するなど、世界中から注目を集めている。

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