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声優とシンガーが共同作業でキャラクターを創造 リズムゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』の魅力

 大都会の片隅にあるショーレストラン「Theater Starless(シアター・スターレス)」では、毎夜、トップスターを目指す男たちの熱いエンターテイメントバトルが行われている。プレイヤーは華やかな世界の裏側に迷い込み、特別な客(ファン)として何やらワケありっぽいワルメンキャストたちを応援する…、というリズムゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』。今年2月にはKT Zepp Yokohama で、キャラクターの歌を担当するシンガー8人が集結したライブが開催されて大盛況。5月に発売された2ndアルバム『BLACKSTAR II』は、オリコンデイリーアルバムランキングで初登場1位となった。人気声優が歌も担当する作品が多い中、シンガーを別に立てている本作で、歌を担う藤田玲と小林太郎に作品の魅力を聞いた。

リズムゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』で歌を担当する藤田 玲と小林太郎

リズムゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』で歌を担当する藤田 玲と小林太郎

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■個性的なキャラクターが揃う「ブラスタ」は音楽的な魅力も満載

――リズムゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』の魅力はどんな点にあるとお考えですか。

藤田玲 やっぱり、ワルメンキャラじゃないですか? さまざまなチームのキャラクターの個性が1人ひとり際立っていて、それぞれのカラーに合った楽曲を歌っているところ。

小林太郎 そのワルメンたちが、主人公の女の子そっちのけくらいの勢いで争っている。チーム同士、そして仲間同士でも競っていて、気が抜けない点がシナリオとして面白い(笑)。プレイヤーが応援しがいのあるキャラクターばかりなんです。

――藤田さんは“Team K”の絶対的王者、ケイのシンガー役。小林さんは“Team W”のチャラ男・晶のシンガー役として歌っていますが、それぞれの音楽の特徴を教えてください。

藤田 Team Kの楽曲は、ラテン、ロック、バラードとジャンルの振り幅が大きい。そして、特にケイが歌う曲には、主人公に対する「嘘がない」気持ちがすごく反映されているところかな。

小林  Team Wは、ロックが特徴です。最初は「K-POP」っぽい方向性でいくはずだったのですが、どんどんギターが歪んでシャウトするようになって、今ではゴリゴリのロックになってますね。

――シンガーの特性に合わせて、音楽性もアップデートしていったんですね。CV(Character Voice)とシンガーが別立てというのは、珍しいですね。

藤田 そうですね。その話を聞いたとき、「新鮮」だと思いました。声と歌、それぞれプロとしての表現に特化している者たちがリンクした時に、どのような化学反応を起こすのか…ということを狙っているのではないでしょうか。僕の場合、CVの日野聡さんが演じるケイの色気がダダ漏れているので、その色気を大事にしながら歌っています。深めのヴィブラートを使った色気の出し方に始まり、今はもう少し荒々しい感じも出てきたり。

小林 僕は、役として歌うということが初めてだったので、戸惑いもありました。ゲームがローンチする前にレコーディングが始まったため、初めの頃はまだ晶というキャラクターが掴み切れていなかったけれど、CVの沖野晃司さんの声が聞けてからは、普段のチャラい態度とは異なる真剣さみたいな部分を実感できて、「もっと振り切って歌ってもいいんだ」と思えるようになりました。僕の声は高めですが、CVの沖野さんの声はもう少し太くて低い。でも、チャラいキャラということを踏まえると、音域のイメージは合っているのかも。歌は音程の高低で声質を意図的に変えるのは難しいので、沖野さんが上手くカバーしてくださっている気がします。

■シンガーが集結した『BLACK LIVE』 キャラクターを背負ったライブの難しさと楽しさ

――ゲームが始まって1年半の時点で、曲がすでに57曲あったということですが、それだけ歌っていると、気持ち的にもかなりキャラクターに入り込んでいるのではないですか。

藤田 僕がケイの一番のファンだという想いはあります。あくまで歌手として、彼の歌を気持ちを込めて歌うわけですが、「僕の好きなケイはこうはしない」とか、逆に「こう思っているはずだ」なんて考えながら歌っていますね。もし僕が、何かの事情で歌えなくなったとしても、ケイの歌は誰にもやらせたくないな。CVの日野さんとの共同作業で作り上げてきたキャラクターだし、そこまで気持ち預けられるキャラクターを作ってくださった、制作と作家さんにも感謝ですね。

――共同作業でキャラクターを作り上げる声優とシンガーですが、実際に会う機会というのはなかなかないですよね。

藤田 そうですね。お会いしたら、緊張しそう! 日野さんの場合「ケイ様!」とも思うけど、「煉獄さんだ!」とも思ってしまうから(笑)。声優とシンガーって、意識せずともお互いに歩み寄っていると思うので、そういうところを照らし合わせられたら面白いですよね。

小林 僕も晶担当声優の沖野さんとお話ししてみたいですね。歌い手って曲ありきですし、歌に入れられる情報量って限られているんですよ。それに対して声優は100%キャラクターになりきるわけじゃないですか。だから僕よりもっと晶のことを深く理解されているだろうし。僕ももっと理解したいと思って歌っていますが、沖野さんと話すことで、新たな発見があるんじゃないかな?

――普段はキャラクターの裏で歌っているシンガー8人が集まり、今年2月に『BLACK LIVE』というライブで表舞台に立たれました。

藤田 めちゃくちゃ楽しかったですね。僕らは歌うだけの存在だけど、シンガーたちが初めて集まり、それをファンの方たちも受け入れてくださったというのがすごく嬉しかった。幸せな空間でしたね。

小林 ファンの方たちには、いつもスマホ画面で見ていた「Theater Starless」がそこに存在していたはず。僕らも気合が入っていたし、「俺がコケたらダメだな」という責任感みたいなものがリハーサルから重くのし掛かっているのは感じていました(笑)。

藤田 僕らからすれば「BLACK LIVE」はただのライブじゃなく、キャラクターを背負った上でやるライブ。歩き方やダンスの見せ方を気にしましたし。そういう意味では制約が多くて大変でしたね。

小林 歩き方とか難しかったですね。それに、イントロとか間奏の歌ってない時に演技なんてしたことないし。特にダンサーさんが絡んでくれるところとかは、「どうすればいいんだ!」って。僕は、皆さんも喜んでくれるかと思って、「俺の歌を聴けー!」などゲームで聞いていた沖野さんのセリフみたいなものを入れたいなとは考えていました。

藤田 晶は「おらー」って勢いを付けられるけど、ケイは「聴くがいい」くらいだからなぁ(笑)。そのスタンスと優雅さを保ちながら、どのくらいオーディエンスに楽しんでもらえるかを考えて、僕もアドリブをやらせていただきました。夢の世界だから、歌っている時にそれを台無しにしないようにするっていうのは、すごく意識したところですね。

小林 それと、役になった上で、自分の歌の力でどこまでオーディエンスを盛り上げられるかも考えました。手を挙げる、ジャンプするなど動きをつけて、みんなが参加できるようにするのは、この立場でしかできないから。

■今夏のツアーでは「Theater Starless」の枠組みをいい意味で飛び出したい

――個人的に大変だった曲は何でしたか。

藤田 オープニングですね。「No wish on a star」で全員がステージに出て、1人ずつポーズ決めて、はけてからの「During the demise -Full version-」は、「このライブってこういう感じだぞ」っていうのを示さなきゃいけないところです。ケイの王者感というか、「ようこそTheater Starlessへ」っていうのを提示しないといけない重要な所だったので。

小林 僕は、本編最後の「BLACKSTAR -BLACK LIVE version-」です。初挑戦が多かった「BLACK LIVE」の中でもMVを再現したような演出で、みんなが後ろにいて重圧感があるし。「BLACKSTAR」を歌うまでの記憶がないくらい(笑)。

――本編の記憶がないということじゃないですか。本作で初めてキャラクターのシンガーを体験した小林さんですが、アーティストとして、キャラクターのシンガーとして、新たな想いも生じたのではないでしょうか。

小林 そうですね。アーティストとしてデビュー当時に感じたことは「いかに知ってもらうか」ということなんです。アウェーのライブでは品定めされる感じだし。そんな自分が経験した、もがいているテンションのまま、レコーディングやライブをやっていきたい。「音楽だけでのし上ってやろう」という強い気持ちを、「ブラックスター」のライブでも楽曲でも出していきたいと改めて思いました。

――9月で「ブラックスター」は2周年を迎えるわけですが、今後、作品に期待したいこととは何でしょうか。

藤田 キャラクターが多いので、その複雑な人間関係の中から生まれる楽曲を歌っていきたいですね。不穏なストーリーになったら、プレイヤーも苦しい思いをするかもしれないけれど、対立構造のような関係が描かれれば、そのコラボ曲もできるだろうし。そうすればライブでも盛り上がれるし、何より僕たちのテンションも上がるので、やっていきたいところです。

小林 「BLACK LIVE」1発目は、「Theater Starless」というものをこの世に体現するものでした。今夏のツアーはそこから飛び出して、「出張Theater Starless」となります。場所ごとに出演するチームが違うし、対バンのような形式にもなるので、「Theater Starless」という枠組みをいい意味で飛び出している。それって、みんなで基盤を作り上げてきたからこそ、できることなんですよね。魅力的なキャラクターやストーリーだからこそ、いい意味でどんどん枠組みを飛び越えていってほしい。ライブとは全然違うイベントをやるでもいいし、ゲームの世界から飛び出していければ、もっともっと広がっていくんじゃないかな?

文・坂本ゆかり

【DVD&Blu-ray Disc】
『ブラックスター -Theater Starless- 1st LIVE「BLACK LIVE」』
■発売日:7月27日
■内容:今年2月28日に開催されたライブ『BLACK LIVE』を映像パッケージ化
■<初回限定版>BDメイキング映像やブックレットが同梱するほか、ライブ描きおろしイラストを使用したA4アクリルボード付き
■<通常版>Blu-ray Disc:¥8800/<通常版>DVD:¥7700

藤田玲 プロフィール
1988年9月6日生まれ、東京都出身。03年に『仮面ライダー555』北崎役で俳優デビュー。以降、「牙狼」シリーズ、「絶狼-ZERO-」シリーズでは主演を務めている。堪能な語学を活かして17年より子供向け英語番組『ABC ブロッコリ!』(キッズステーション)にレギュラー出演。このほか、数多くの舞台にも出演しており、近年では『MANKAI STAGE「A3!」』シリーズや「刀剣乱舞」シリーズ、4月には『てれびのおばけ』(本多劇場)に出演。「ブラックスター-Theater Starless-」ではケイのシンガー役を務める。

小林太郎 プロフィール
1990年6月26日生まれ、静岡県出身。12年7月にキングレコードのロックレーベル「STANDING THERE, ROCKS」よりメジャー1stミニアルバム『MILESTONE』リリース。13年1月にはメジャー1stフルアルバム『tremolo』を発表。以降、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』や『COUNTDOWN JAPA』などのフェスにも精力的に出演するなど、ライブを中心とした活動を展開。17年には自身のレーベル「MOTHERSMILK RECORD」(通称マザミ)を設立。「仮面ライダーアマゾンズ」シリーズの主題歌や大人気アプリ「グランブルーファンタジー」内の歌唱担当、『ブラックスター-Theater Starless-』では晶のシンガー役を務める。

関連写真

  • リズムゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』で歌を担当する藤田 玲と小林太郎
  • リズムゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』藤田 玲(TeamK ケイ Singer)
  • リズムゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』小林太郎(TeamW 晶 Singer)
  • キャラクターの歌を担当するシンガーが集結した今年2月の『BLACK LIVE』
  • 1st LIVE『BLACK LIVE』 藤田 玲
  • 1st LIVE『BLACK LIVE』 小林太郎
  • 1st LIVE『BLACK LIVE』 藤田 玲
  • 1st LIVE『BLACK LIVE』 小林太郎
  • 『ブラックスター -Theater Starless- 1st LIVE「BLACK LIVE」』<初回限定版>
  • 『ブラックスター -Theater Starless- 1st LIVE「BLACK LIVE」』<通常版>Blu-ray Disc
  • 『ブラックスター -Theater Starless- 1st LIVE「BLACK LIVE」』<通常版>DVD

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