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『はらぺこあおむし』出版社、風刺漫画に「強い違和感」 IOCメンバーが“放映権”リンゴむさぼる

 出版社の偕成社は7日、公式サイトで今村正樹社長のコメントを掲載。同社が出版する絵本『はらぺこあおむし』をモチーフにした風刺漫画について「強い違和感を感じざるを得ませんでした」と表明した。

偕成社・今村正樹社長が風刺漫画について違和感を表明(画像はイメージ)

偕成社・今村正樹社長が風刺漫画について違和感を表明(画像はイメージ)

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 5日の毎日新聞朝刊の風刺漫画コーナー「経世済民術」にて、「エリック・カールさんを偲んで はらぺこIOC 食べまくる物語」と題し、はらぺこあおむしに擬したバッハ会長以下IOCメンバーが、「放映権」というリンゴをむさぼっている似顔絵が掲載された。

 この絵について、サイトでは「風刺の意図は明らかで、その意見については表現の自由の点から異議を申し立てる筋合いではありませんが、多くの子どもたちに愛されている絵本『はらぺこあおむし』の出版元として」違和感を明らかにした。

 続けて「『はらぺこあおむし』の楽しさは、あおむしのどこまでも健康的な食欲と、それに共感する子どもたち自身の「食べたい、成長したい」という欲求にあると思っています。金銭的な利権への欲望を風刺するにはまったく不適当と言わざるを得ません」と、作品本来の魅力と風刺の狙いがマッチしていないと指摘した。

 『はらぺこあおむし』作者のエリック・カールさんは先月に死去し、風刺画にも“エリック・カールさんを偲んで”とタイトルになっているが「おそらく絵本そのものを読んでいないのでしょう。もし読んだうえでこの風刺をあえて描こうとしたのだとしたら、満腹の末に美しい蝶に変身する結末をどのように考えられたのでしょうか」と疑問を投げかけた。

 最後に「風刺は引用する作品全体の意味を理解したうえでこそ力をもつのだと思います。今回の風刺漫画は作者と紙面に載せた編集者双方の不勉強、センスの無さを露呈したものでした」と指摘。「繰り返しますが、出版に携わるものとして、表現の自由、風刺画の重要さを信じるがゆえにこうしたお粗末さを本当に残念に思います。日本を代表する新聞の一つとしての猛省を求めたいと思います」と締めくくった。

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