円谷プロダクションとNetflixが、CGアニメ長編映画『Ultraman （原題）』を共同製作中であることが14日、発表された。アニメシリーズ『ULTRAMAN』（シーズン2を発表済み）に続く、タッグとなる。

　新作映画のあらすじは、野球界のスター選手、サトウ・ケンのもう一つの姿、それは地球を守るスーパーヒーロー、ウルトラマン。その役割を担うべく、サトウは日本に帰国するも、戻ってすぐに、「宿敵」の子である赤ちゃん怪獣の養育を任されるという、思いもよらない事態に…。チームの一員として、また新米パパとして奮闘しながら、ケンは自分の中にあるエゴや疎遠になっている父、過激な怪獣防衛軍の台頭と向き合い、ウルトラマンであることの本当の意味を見出していく。

　監督は、シャノン・ティンドル、共同監督としてジョン・アオシマ、脚本はティンドル監督とマーク・ヘイムズが担当。ティンドル監督は「この映画を作ることは、私の長年の夢でした。円谷英二さんの『ウルトラマン』に対する私の愛から生まれたオリジナルストーリーが、幸運にも映画として実を結ぶことになりました。円谷プロダクションの方々からの素晴らしい信頼と、Netflixアニメーション部門の皆さんのサポートに、心から感謝しています。優れたメンバーがそろった私たちチームの斬新な『Ultraman（原題）』を、世界中の視聴者にお届けできる日を楽しみにしています」と、コメントを寄せている。

　円谷プロダクション、塚越隆行代表取締役会長兼CEOは 「『ウルトラマン』は55年前、当社の創業後間もなく日本で誕生しました。円谷プロダクションにとって今回のNetflixとの取り組みは、創業以来初めての本格的な全世界に向けての展開になります。『ウルトラマン』は、これまで多くの人たちを魅了してきました。シャノン・ティンドル氏もその一人です。彼は子どものころからウルトラマンに大きな影響を受けて育ち、そしてクリエイターになったとお聞きしています。今度は世界中の子供たちが、Netflixを通じてシャノンのウルトラマンを観て、勇気と希望と思いやりの気持ちを育んでもらえたらうれしいです」と、期待を込めた。

　Netflixオリジナルアニメーション部門ディレクター、アラム・ヤクービアンも「日本の国民的ヒーローを愛するファンに、私たちの映画をお届けするのがとても楽しみです。初めて観る若い世代の皆さんにとっても、きっと新しいお気に入りのスーパーヒーローとなるでしょう」と、自信をのぞかせている。

　なお、Netflixではアニメ長編映画の需要が急拡大していることを受け、オリジナル作品のラインアップを強化。『Ultraman （原題）』もその一つに加わる。Netflixでは、これまでに、セルジオ・パブロス監督の『クロース』（スペイン）、グレン・キーン監督による『フェイフェイと月の冒険』（米中共同製作）がアカデミー賞にノミネートされており、『Ultraman （原題）』も世界最高峰を目指してほしいところだ。