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『99人の壁』リモート収録システムが受賞 システムの有効性とアイデアを高く評価

 一般社団法人・映像情報メディア学会の理事会が21日に行われ、フジテレビ系バラエティー『超逆境クイズバトル!!99人の壁』(毎週土曜 後7:00)のリモート収録システムの開発が、同学会主催の『2020年度(第48回)技術振興賞・コンテンツ技術賞』を受賞することが決定した。同局がコンテンツ技術賞を受賞するのは3年連続となる。

リモート収録システムを使った『99人の壁』番組画面・佐藤二朗(C)フジテレビ

リモート収録システムを使った『99人の壁』番組画面・佐藤二朗(C)フジテレビ

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 番組では、1人のチャレンジャーが壁となった99人のブロッカーと早押しクイズなどで戦う形式で、毎回スタジオに100人を超える参加者を集めて収録を行っていた。コロナ禍により参加者をスタジオに集めての収録ができなくなったため、ブロッカーが自宅からリモート参加し、スタジオのチャレンジャーと早押しクイズ対決ができるシステムを開発した。

 同システムは、スマートフォンを利用した「リモート早押しシステム」と100人を超える参加者に一斉に個別情報連絡を行う「参加者連絡システム」をAWS(Amazon Web Services:アマゾンウェブサービス)上に自社開発し、一般的なweb会議システムと組み合わせたものとなる。通常の収録では、ブロッカーを25人ずつの4班に分け、スタジオセットの東西南北4方向に配置、挑戦者を取り囲む壁を構成して心的圧迫感をあおっている。この演出に近づけるため、web会議システム「Webex」(CiscoSystems社製)を採用、25面マルチを作成し東西南北4面の大型ビジョンに表示した。

 リモート早押しシステムはクラウド機能を利用しており、ブロッカーはそれぞれ個別に用意されたURLにアクセスするだけでスマホに早押しボタンが表示され、自宅のPCに映し出されたスタジオの映像を見ながらスマホで早押しクイズに参加する。また、各ブロッカーがボタンを押した時間はAWS上のサーバで集計され、早押しの判定が行われる。同時に最も早くボタンを押した参加者の情報、1位と2位以下のタイム差情報がスタジオのMC、スタッフの端末に送信される。1位とのタイム差がわかることで番組の演出範囲も広がった。

 リモート早押しシステムを運用するには、ゲストを含め100人を超える参加者全員に参加要項、クイズ参加用個別URL(早押しボタンやweb会議システムのルーム情報)等の情報を正確に伝える必要がある。参加者連絡システムは、従来は番組スタッフが一つ一つ手作業で参加者個人宛にメールをしていた情報を正確に一斉に送信するシステムで、これにより大幅な作業時間の削減と人為的な誤りの軽減を達成した。

 またリモート早押しシステムをスタジオセット内の電飾や音響と連動させる仕組みも開発し、コロナ禍における参加型番組収録に大きく貢献した。コロナ禍において各社がリモート収録を工夫して行う中で、新規開発技術と既存技術を有効に組み合わせ、番組の演出方法を守りつつ、リモート参加者による早押しクイズ番組の制作手法を約3ヶ月の短期間で確立した本システムの有効性とアイデアが高く評価され、今回の受賞となった。

関連写真

  • リモート収録システムを使った『99人の壁』番組画面・佐藤二朗(C)フジテレビ
  • 『99人の壁』リモート収録システム・全体概要図(C)フジテレビ
  • リモート早押しスマホ画面(C)フジテレビ
  • 『99人の壁』南の壁25面マルチ(C)フジテレビ
  • プロジェクトマネージャー/リーダー 上田容一郎(フジテレビデジタルコンテンツ部)(C)フジテレビ

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