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緊急事態宣言から1週間、福岡の放送界は今(後編) “夕方の顔”長岡大雅アナのSNS戦略「県内の感染者数が0になるまで…」

 新型コロナウイルス感染拡大により、福岡県が7日夜に緊急事態宣言地域に指定された。それから1週間が経過した今、福岡の放送界は何をどう伝えているのか。ORICON NEWSでは、それぞれの立場から情報を発信しているKBCのアナウンサー3人にメールでのインタビューを敢行。後編は、夕方のニュース帯番組『シリタカ!』(月〜金 後6:15)のメインMCで、自身のツイッターでも情報発信に務める長岡大雅アナ(31)の取り組みを紹介する。

長岡大雅アナ(C)KBC

長岡大雅アナ(C)KBC

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■天神の街で聞いた不安の声 新型コロナの全体像つかむ報道に注力「対策考える機会に…」

 まずは、宣言が出る前後での福岡の雰囲気について聞いた。「外出自粛のトーンは“少しだけ”上がったように感じました。宣言の発出を受けるような形で、福岡県の都市部・天神を賑わしていたデパート群も軒並み休業を決め“明らかに局面が変わった”と感じた方も多いと思います。ただ同時に、それまで県や福岡市から発表されていた外出自粛要請と何が違うのという住民の戸惑いも感じました」。さらに、このような声も上がっていると指摘する。

 「現時点で福岡県から業種を指定した休業要請は出ておらず、自治体からの補償に関する話も上がっていません。宣言発出直後に天神の街で取材をすると、人の姿は6〜7割ほど減った印象でしたが、外出している方や営業中の店では『(新型コロナ対策のために仕事を休みたいが…)宣言を出されても補償がない中で仕事を休めない』『テレワークにも限界がある』という声が聞かれました。その葛藤が、特に個人事業主の方は、宣言を契機に大きくなった印象です」

 番組では、視聴者の不安に応えるラインナップとなった。「当日は『緊急事態宣言により福岡で何が変わるのか?』という事に特化して伝えました(外出自粛の心理的な緊張感が高くなる、強制力を持つ医療施設設置のための土地建物の使用や医薬品の売渡しはどのようなケースで起きるのかなど)。また、感染症の専門家を招いて福岡の現状(倍加日数の短さ、4つのクラスター、2つの院内感染など)について伺うとともに、今後必要になる対策を紹介しました。宣言を理解しつつも、福岡の現状を把握した上で、宣言のみに捉われず、個人の環境に合わせて有効な対策をしようというスタンスを取りました」。

 刻々と状況が変化する中、伝え方には細心の注意を払っている。「事態を自分で把握した上で、必要な注意喚起のトーンを探っています。油断はできず、煽り過ぎる事も不安やストレスにつながるので、非常に難しいです。あとは、先手が打てるような情報。今回のケースでいえば、感染から検査までの2週間のタイムラグをどう実感してもらえるか。また、立体的に新型コロナの情報が届くように努めています。感染者数を伝える上でも、感染経路の不明者の割合、感染者を抱える地域の広がり、重症者の数、現在の感染症指定医療機関の病床数など、できる限り合わせて伝えています。ストーリーや背景を伝え、県内の新型コロナ現象の全体像を把握してもらう事で、視聴者の皆さんに“自分に必要な対策を考える”機会になってくれればと思っています」。

■ツイッターでの手書き情報に思い “夕方の顔”として決意「より身近に、具体的に」

 そんな中、自身のツイッターでは感染者数、PCR検査を受けた人数、感染から退院にいたった人数などを手書きにしたボートを添付して独自に情報を発信している。「そもそもは、イマイチまとまった感染者の資料がないなぁ…と思い立ち、自分の手元資料として作成を始めました。手書きについては『書かないと頭に入らん!』というアナログ発想から来ていて、これがやはり書きながら状況を整理できるので続けています。SNSに載せたのは、あまりにも多くの新型コロナにまつわる情報がタイムラインを埋めていて、僕自身もパニクっていたからです」と明かしながら、情報を共有した先の展開に期待を込める。

 「特に福岡県内の人に絞って情報が(手書きですが…)届いたらいいなと感じています。そこで事態を把握してもらった上で、みんなが“新型コロナオタク”になってくれれば、自分の環境に合った対策が打てて、終息に向かうのではとも妄想しました。反響は想像以上でした。何だか、手書きがまた目を引くみたいです。確かにこの時代に手書きのデータなんて滅多に見ませんからね。少しでも多くの方の対策につながってくれたらと思います。ここまできたら、県内の感染者数が0になるまで意地でも続けたいと思います。その時は、ガッツポーズです」

 福岡県外から福岡の現状を心配する声にも「県内も日々感染者数が増えていますが、徐々に感染者の方を受け入れるベッドや軽症者を受け入れるホテルなども増えています。もし落ち着いたら、また遊びに来てくださいね。福岡の食が、中洲が、ライブハウスが待っています」と呼びかけ。その上で“夕方の顔”として今後の決意を語った。

 「より身近に、具体的に、切迫感を感じながらも冷静に対策できるような放送をしていきたいです。そして、県内の状況が立体的に把握できるような伝え方で。また、張り詰めた状況が続いているので、どこかでそのストレスを解放できるような、ほっこりしたり笑えたりするコンテンツも届けたいです。何せ長期戦になりますので。3密を避けた上で、楽しむことは自粛したくないですし、させたくもないです」

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