元プロ野球選手の清原和博氏（52）が1日、都内で行われた厚労省主催『依存症の理解を深めるための普及啓発イベント』に登壇。2016年に覚醒剤取締法違反で有罪判決を受けた清原氏は、薬物依存脱却に向けて一歩ずつ前進していることを明かした。

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　トークショー『回復を応援し、受け入れる社会へ』では、ゲストに清原氏のほか、俳優の高知東生氏、歌手で俳優の杉田あきひろ氏、元NHKアナウンサーの塚本堅ー氏が登壇。4人は2016年に薬物使用の疑いで逮捕され、その後各自が回復に向け努力を重ねてきた。一堂に会して意見交換することは今回初めての試み。

　冒頭、大勢の報道陣からカメラを向けられ感想を求められた清原氏は「カメラは昔は得意だったが…（今は）怖いです」と冗談を交えるなど、朗らかな雰囲気の中でトークショーがスタート。

　清原氏は薬物依存者の自助グループとつながったことが薬物依存脱却への大きな一歩だったと告白。「最初は病院の治療に行っていた。そういうグループがあると聞いたが、なかなかハードルが高かった。1、2回行くうちに『同じ悩みを抱えてたんだ』と分かち合えることで、雑談、笑顔が生まれた。最初は戸惑ったが、みなさんの包み隠さず話せることが僕にとってすごく大きなこと」としみじみ振り返った。

　続けて「僕の場合は依存度が大きかった。その副作用でうつ病も発症した。薬物に逃げたくないのでアルコールに逃げてしまっていた」と過去の苦しみを吐露。今でも年に数回は酒を飲んでしまうこともあるというが、「自助グループにつながってからお酒も減っている。つい最近も飲んでしまい反省している」と語り、会場の笑いを誘った。

　一方、きょう大阪で母親の1周忌法要を行っていることに触れ、「昨年のこの時期に母が亡くなった。命日に大阪に帰ろうと思っている。自分としては、去年の厚生労働省のイベントに出させてもらい、少しだが前に進めた。明日からこつこつやっていきたい」と気を引き締めた。また今年6月に執行猶予が終わることについては「世間のみなさまに受け入れてもらえるか（自分の想像と）合わなかったらどうしたらいいのかな。いざ執行猶予が明けると分かると怖い」と本音を漏らした。

　イベントはアルコールやギャンブル、薬物などの依存症に対する正しい知識の啓発と理解のほか、依存症への偏見や差別の解消を図ることが目的。また依存症者への適切な治療の必要性とその家族に対する支援の理解を深めてもらい、依存症者の回復を応援し社会に受け入れられる環境づくりを目指して実施している。

　イベントは2つのテーマで展開するトークショーとミニライブで構成。第1部のトークショー『依存症って何ですか？』では、評論家の荻上チキ氏の進行で、ゲストに森重樹ー（ZIGGY）、漫画家の菊池真理子さんを迎え、国立精神・神経研究センターの松本俊彦が依存症について事例を交えわかりやすく解説した。