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不可能に挑戦してきた城田優の20年 初心忘れず「正しいことは貫いていきたい」

 ドラマ『ROOKIES』で人気を博し、以降は数々の人気ドラマやミュージカルでキャリアを着実に積み上げてきた俳優・城田優(33)。主演を務めた舞台『エリザベート』では数々の賞を受賞し、今年は『ファントム』で演出と主演を務めるなど、エンターテイナーとしての実力を惜しみなく発揮している。そんな城田が20年のキャリアの中で培ったものすべてを詰め込むべく、自らがプロデューサーとして製作に挑んだソロ写真集『Sonador』(「n」はティルデを付けたスペイン語「エニェ」)を発売する。彼のルーツであるスペイン語のタイトルを和訳すると“夢見る人”だが、その意味について城田は「志が高いとか不可能を可能にしたいと思っている人」と語る。20年という節目に、常に不可能に挑戦してきた自身のキャリアを振り返ってもらった。

写真集『Sonador』を発売する城田優(C)ORICON NewS inc.

写真集『Sonador』を発売する城田優(C)ORICON NewS inc.

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■写真集は「100%心を開いている状態で撮影」 親友・5人との対談も実現

 本作の撮影は自然豊かなサイパンで行われており、滞在中のリラックスした表情から大人セクシーな表情まで城田の魅力がギュッと詰まった一冊となっている。

「どのカットを撮っているときも楽しくて、オンもオフも関係なく100%心を開いている状態で撮影していました。いろんなところに僕のこだわりが詰まっていますし、衣装は半分ぐらい私服です。とはいえ絶対にこの服を着たいとか、個人的な強いこだわりはなく、撮る場所に合わせてスタイリングしていきました。主観的に物事を決めてしまうと、一歩間違えばエゴな本になってしまうかもしれない。“オシャレだな”とか“ステキだな”と単純に思ってもらいたいですし、城田優に少しでも興味を持ってもらえるよう間口を広げられたらいいですね」

 写真集には彼と親交の深い山田孝之や佐藤健、三浦翔平、三浦春馬、メンタリストのDaiGoとの対談インタビューも収録されており、中でも『ROOKIES』で共演して以来、「プライベートで一番会っている」という佐藤健は「僕の全てを知ってる人。とても貴重な存在」だと明かした。

「健との関係性はずっと昔から変わっていなくて、むしろ良い形で育んでいます。ゲームがお互いに好きなので、カードゲームやテレビゲームを一緒にやったり(笑)。もちろん、それぞれが出演した作品の“この芝居がどうだった”という真面目な話もしますし、お互いの相談も一番してると思います。最近だと『亜人』という映画に2人とも出てるんですけど、同じシーンには出ていないので、いつかガッツリ共演したくて。僕らにしか出せない空気感ってあると思うので、例えば『ハングオーバー!』みたいなコメディも面白いかもしれませんね(笑)」

■2つの大作に挑んだ2019年 動いてないのに痩せていき…「こんな経験は初めてでした」

 20年のキャリアの中で様々なプレッシャーと戦ってきた城田だが、中でも佐藤健と共演した『ROOKIES』の撮影時期は過酷なスケジュールだったと振り返る。そのとき「めちゃくちゃバグってました」と感覚を麻痺させることで乗りきっていたという。

「『ROOKIES』の撮影と同時期に舞台にも出演していたんです。あの頃はわけもわからず涙が流れたり、お芝居以外は誰とも会話をしない日もありました。僕、基本はおしゃべりなので、全くしゃべらないなんて異常事態ですよ(笑)。とにかくスケジュールがハードだったので。だけど『ROOKIES』は男子ばかりでウワーッとテンションの高い現場で、ちょっと躁鬱状態みたいな。スイッチの切り替えがその頃はまだうまくできなかったんです。とにかくハードスケジュールだったので、頭の中をバグらせるしかなかったですね」

 そんな時期を乗り越え、多数の作品に出演してきた城田。2019年は“エンターテインメントの王様”と呼ばれるミュージカル『ピピン』に全力で挑んだ。これまで大きな作品を何度も経験してきたが、それでも「今までで一番肉体的にヤバかった」と語る。

「エンターテンイメントの王様と呼ばれるだけあって、お芝居あり歌ありダンスあり、イリュージョンやナイフ投げのような技、それからバク宙などアクロバティックな場面もある盛りだくさんのミュージカルなんです。それなのに稽古に入ってから“じゃあ今からこういうことを習得してください”という状態で(苦笑)。とにかくどれも難しいし、とてつもないプレッシャーでした。時間の無いなか、こんなにも習得しなければならないのかと。稽古場で泣いたのは子供の頃以来だと思います」

 そんなハードなミュージカルの次に挑んだのは、なんと演出と主演の両方を務めた舞台『ファントム』だった。「『ピピン』では体を動かしましたけど、『ファントム』は頭を使っていました。エネルギー消費量はこっちのほうがデカかったです。主演をやりながら演出も手掛けるなんて正気の沙汰じゃないですよね(笑)」と明るく笑った城田だが、「できないかもしれないと思うと負の連鎖しかない。今までやってきたんだからと、自分で自分を信じるしかないんです」と語る表情は真剣そのもの。

「稽古中は演出家として皆さんのお芝居やスタッフの動きや転換、美術、衣装など全体的なことを見なければいけませんから、自分の稽古はほとんどできないんです。結果的に9割は自主トレというか、稽古で完成させたものを思い出しながら自分だけで稽古をしている状態でした。脳の消費カロリーがハンパじゃなかったせいか、あまり動いてないのに痩せてしまって。こんな経験は初めてでした」

 今年はこれまで経験してこなかったような仕事が多かったようだが、これまではどうやって苦難の道を乗り越えてきたのだろうか。

「やっぱりバグらせてきたんじゃないですかね(笑)。歌やダンス、殺陣など体を使ったパフォーマンスや、芝居のせりふを絶対にこの日までに仕上げなければいけない、という日々の繰り返しで、とんでもない負荷を自分にかけながら常にプレッシャーと戦ってきました。だけど、どんなにつらくても続けていかなければいけない。だから考えすぎて苦しくなるよりは、バグらせて忘れるしかないんです。今できることをやるというマインドに切り替えるとか。後輩にもよく“心身ともに健康じゃなきゃいけないから自分の人生を大事にしよう”と言いますし、自分も気をつけるようにしています。充電しながら目の前の仕事に全力に挑むしかないんですよね」

■きっかけになった山下智久の言葉 大切に育ててきたファンとの関係性

 自身の力を信じてきた城田だが、初心を忘れることなく謙虚に真面目に仕事に取り組めたのは、ある人物の言葉がきっかけだったという。

「初めて出演したミュージカル『美少女戦士セーラームーン』で役者として、そして殺陣師としても参加されていた幸村吉也さんという方と共演したのですが、16〜7年ぶりに『ファントム』でご一緒することになり、アクションも担当して頂きました。幸村さんは『セーラームーン』の時に『優、舞台というのはやればやるほど怖くなっていくんだぞ』と言ってくれて。当時はまだ経験が浅かったので、その言葉の意味がよくわからなかったんです。経験を重ねて周りに評価してもらえることも増え、責任感も出てきて、やっとその言葉の重みがわかりました。幸村さんの言葉は僕の中で大事なものとして存在しています」

 城田の心の中に大事にしているのは、幸村の言葉だけではない。彼がデビューして間もない頃、高校の同級生であり、当時すでに人気絶頂だったアイドルのたった一言が響いたという。

「山下智久くんです。彼が出演していたドラマは同級生になる前から見ていたし、うらやましく思っていました。同級生として交流を深めていた頃、ふと山下くんに『お前はいいよな』と愚痴をこぼしたことがあって。そしたら彼は『すぐに咲く花なんてないじゃん』と言ってくれたんです。確かに植物は花芽を付けて蕾になり、茎や根から栄養をもらって育ち、少しずつキレイな花を咲かせますよね。むしろ簡単に咲く花はどこか価値がないようにも思えます。だからこそ彼の一言はすごく響きましたし、今でもずっと心に残っている言葉です」

 仕事という名の花をじっくりと育て、これからも次々と美しい花を咲かせていくだろう。それは、彼にとって大事な“ファンとの関係性”とも共通している。

「僕を応援してくれている方々は、ちゃんと“城田優”という人間を理解してくれていて、一緒に育てているような感覚があります。僕を応援することで心のゆとりや楽しみを増やしてほしいし、エネルギーの交換もしっかりとできていると思うんです。ただ、ファンの方々との信頼関係を築くためには、本当のことしか言っちゃいけないと思っていて。例えば、結婚観や恋愛に関することもなるべく隠さず話したいし、これまでも話してきました。と言いつつ、今は本当に何もないんですけどね(笑)」

 彼の言葉の通り、過去には人気絶頂時に交際宣言もしたこともあり、「Sonador」でのロングインタビューでは、結婚観や恋愛に関する正直な言葉が語られている。「あのときは致命傷になるほどの打撃を喰らいました(笑)。だけど僕はアイドルじゃないので、もしも結婚したらシンプルに祝ってほしい。なぜなら僕はエンターテイナーである前に、一人の人間だからです」とキッパリと断言する。

「外国だと割と“我々はこういう関係性です”と堂々と恋人との関係性を明かしますけど、日本ではまだ難しい。それは誰が悪いということではなく、そういうシステムになってしまっているから。だけど少しでも変えていけるようにしたいし、ファンの方々にはできるだけ僕と同じ感覚を持ってほしいです。正直でいることで、余計なエネルギーを使ったりめんどくさいこともありますけど(笑)、正しいと思ったことは貫いていきたい。とにかく今年は仕事を頑張ったので来年はプライベートを充実させたいですね(笑)」
(取材・文:奥村百恵)

◆城田優(しろた・ゆう) 1985年12月26日生まれ、東京都出身。2003年に俳優デビュー以降、ドラマ、映画、舞台など幅広いジャンルで活躍。12月24日に大阪・リーガロイヤルホテル 光琳の間、同27日に東京會舘本舘ローズで『城田優 Christmas & Birthday Special Dinner Show 2019』を開催。また年明けから4都市ホールツアー『城田優 Concert Tour 2020〜Mariage〜』を行う。

関連写真

  • 写真集『Sonador』を発売する城田優(C)ORICON NewS inc.
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  • デビュー20周年記念ソロ写真集『Sonador Yu Shirota 20th Anniversary Book』より
  • デビュー20周年記念ソロ写真集『Sonador Yu Shirota 20th Anniversary Book』より
  • デビュー20周年記念ソロ写真集『Sonador Yu Shirota 20th Anniversary Book』より
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  • デビュー20周年記念ソロ写真集『Sonador Yu Shirota 20th Anniversary Book』より
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