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安全地帯、34年ぶりスタジアムライブ 甲子園球場に3万8000人動員

 5人組バンドの安全地帯が16日、初の甲子園球場ライブ『安全地帯 IN 甲子園球場 “さよならゲーム”』を開催。85年8月の横浜スタジアム公演以来34年ぶりのスタジアムライブで3万8000人を動員した。脳内出血によるリハビリ中のドラム・田中裕二を欠きつつも、アンコールを含む全24曲のステージを4人で完遂した。

(左から)矢萩渉、玉置浩二、六土開正、武沢侑昴『安全地帯 IN 甲子園球場 “さよならゲーム”』=撮影:Kato Ryo

(左から)矢萩渉、玉置浩二、六土開正、武沢侑昴『安全地帯 IN 甲子園球場 “さよならゲーム”』=撮影:Kato Ryo

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 陽光が射す秋晴れの大空の下、オーディエンスからの大きな歓声に迎えられてメンバーが登場すると、83年11月に4枚目のシングルとして発表されて安全地帯として初のチャート1位を制した「ワインレッドの心」のB面収録曲「We’re Alive」からスタート。“見渡す限りの甲子園球場に”と歌詞を歌い替えて冒頭から喝采を集めながら、その後も「情熱」「銀色のピストル」と続け、「1991年からの警告」へ。甲子園球場という大舞台にふさわしいダイナミックかつロッキンなナンバーを次々と繰り出して熱気を高めていった。

 続いて、ターンテーブリストのDJ 1,2が繰り出すファンキーなビートに乗せダンサブルに転じる。曲に合わせてステージ前方から火柱が上がる演出も興奮を誘った「熱視線」、ロマンティックな歌い出しから歓声が上がった「好きさ」など尽きることのない名曲を次々とプレイしてさらなる熱狂を甲子園にもたらした。

 玉置浩二のボーカル表現の豊かさが映える人気メロウ・チューンの三連打「恋の予感」「碧い瞳のエリス」「Friend」で前半のクライマックスを飾る。圧倒的なまでの陶酔感とソウルフルな高揚感をもって聴く者に迫る玉置の歌は、近年にソロとしてフル・オーケストラとの共演を意欲的に重ね、歌い手としてさらなる頂点を極めた現在ならではの凄みを再認識させた。

 そして、心地よいインスト「夕暮れ」を挟み、衣装をチェンジした玉置が再登場しての後半は、名曲「夢のつづき」からメロウかつセンチメンタルに幕開け。日が暮れてきたシチュエーションとも絶妙にシンクロしながら叙情的なピアノに導かれての「あなたに」、そして玉置も再びギターを手にして哀愁味に溢れたギターのイントロから歓声が上がったお待ちかねの名曲「ワインレッドの心」、スケールの大きな曲展開で徐々に高揚させる「蒼いバラ」と立て続けに人気チューンを重ねる。

 続く「真夜中すぎの恋」では、一転してダンサブルなビートと激しいスクラッチを響かせながらスタジアム公演らしいアッパーなモードへ。雰囲気を一変させると、曲間では玉置がギターを抱えたままステージから降りて、阪神甲子園球場の外野センターからライト、一塁側、ホームベース、三塁側、レフトと広大なグランドの外周を走り抜けるというサプライズに場内はさらに熱狂し、ロングランニングを終えた玉置がステージ上に戻ってくると、ファンク色の強いグルーヴとお馴染みのホーン・リフを伴って「じれったい」へと突入。甲子園球場を怒涛のピークタイムへと誘った。

 本編のクライマックスは、ドラマーの田中の代役を務めたホセ・コロンを含むメンバー全員の紹介を挟んで、会場全体から自然に起こったハンドクラップを伴いながらの「悲しみにさよなら」へ。曲後半には客席にシンガロングを求めて一体感をさらに高めると、すっかり日が暮れてきた中で奏でられたラストの「ひとりぼっちのエール」では、曲の後半にファンたちが携帯電話の画面をライト代わりに掲げ、甲子園全体が光の渦に覆われていくようなフィナーレを演出したのも感動的だった。

 そして、アンコール前にはステージ上のスクリーンに入場時に配られていたジェット風船を膨らませてご準備くださいという指示が映され、場内が白いジェット風船で鮮やかに埋め尽くされると、ロック・チューンの「I LOVE YOUから始めよう」が始まるとともに一斉に風船が宙に舞い、甲子園ならではの演出で再び盛り上がりをみせ、後半にはカラフルな花吹雪も舞っての大団円へ。

 続くアンコール2曲目の「あの頃へ」では、スクリーンにメンバーの出身地である北海道を連想させる雪山の映像が映されて情緒を高めると、エンディングはステージ上に白い雪が美しく舞い始め、まさに公演タイトル通りの見事な完全試合の“さよならゲーム”で歴史的なステージを締めくくった。

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  • (左から)矢萩渉、玉置浩二、六土開正、武沢侑昴『安全地帯 IN 甲子園球場 “さよならゲーム”』=撮影:Kato Ryo
  • 『安全地帯 IN 甲子園球場 “さよならゲーム”』=撮影:Kato Ryo

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