劇場版アニメ『冴えない彼女の育てかた Fine』初日舞台あいさつが26日、東京・新宿バルト9で行われ、声優の松岡禎丞、安野希世乃、大西沙織、茅野愛衣、矢作紗友里、赤崎千夏らメインキャスト、主題歌「glory days」を歌唱する春奈るなが勢ぞろいで登壇した。

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　満員の観客は、キャストとアーティストを大きな拍手で歓迎。キャスト陣は挨拶をすると、5年にわたる『冴えカノ』シリーズの思い出を振り返った。

　主人公・安芸倫也を演じる松岡は開口一番「印象に残っていないことがないんです。全部が印象に残っています」と作品への想いを語る。ヒロイン・加藤恵役の安野は「（加藤）恵はフラットなキャラクターと言うことで、TVシリーズでは表情変化があまりないキャラクターだったんです。でも、目からハイライトの光が消えたり、目で語るところがたくさんあったんですね。今回の劇場版では、目だけでなく、ほっぺの色がぽっとかわいらしく色づくんです。そこに恵の感情が現れていると思うので、劇場版では恵のほっぺたにも注目してほしいです」とキャラクターの成長を語った。

　澤村・スペンサー・英梨々役の大西が語った作品の思い出は劇場版のアフレコ。「夏にアフレコをしたのですが、スタジオが暑くて、セリフもすごくボリュームがあったので、松岡さんがクールダウンするために、『プシュー』っとコールドスプレーをかけていたんです。それがすごく印象的でした」と振り返ってくれた。松岡は収録中にコールドスプレー2缶を使い切ったとのこと。このことが明かされるとほかのキャスト陣も騒然となり、大西からは「収録中の松岡さんが霧がかって見えた」と衝撃の発言も飛び出した。

　また、霞ヶ丘詩羽役の茅野はTVシリーズのアフレコの思い出を明かしてくれた。「TVシリーズのアフレコでは松岡さんがいろいろ事件を起こしてくれまして。バレンタインか何かにカヌレをスタジオへ持っていって。みんなで食べようとしたら、松岡さんがそれをひっくり返したんです。そのカヌレが地面に落ちる前に矢作さんがスライディングで拾ったという…え、松岡さん覚えてない？」。女性キャスト陣がその事件を懐かしそうに振り返る中、松岡だけが覚えていないという事実が判明。会場は大きな笑いに包まれた。

　続いてキャスト陣はこの作品の見どころを挙手して発表することに。最初に手を挙げたのは氷堂美智留役の矢作。「今回の美智留の見どころは、冒頭のライブです。美智留が歌ってます！」とのこと。続いて茅野は「英梨々と詩羽の関係性に注目です。『冴えカノ』は足の描写が多いんですよね。TVシリーズの時は、英梨々と詩羽が足でガンガン蹴り合うシーンがあったのですが、今回はどうなるか。足に注目してください」というと、それを受けて安野さんが「恵の注目は手かなあ。今回、手がすごくなまめかしく動くので、そこをぜひ見てください」と見どころを語ってくれた。

　大西は英梨々の見どころを「アフレコのときに2度くらい魂が抜けかけたシーンがありました。英梨々の頑張りもぜひ見ていただきたいと思います」と熱弁。また、主題歌を歌唱している春奈も「嫁の英梨々がすばらしいんです。登場人物のみんないとおしくなるような気持ちにさせてくれる映画ですね」とおススメしてくれた。

　フォトセッションのあと、体力を使い果たした松岡は、まさかの最後のメッセージを拒否。安野さんにメッセージ役を託そうとすると…「こういうところは主人公である安芸くんがバシッと決めるのが筋なんじゃないかなあ」と安野が恵の声で、松岡を諭すことに改めて、松岡から最後のメッセージとして「胸がきゅんきゅんするような作品です。見ているときに力が入りすぎて、拳から血をながさないようにしてください。あと、エンディングの曲が流れてからも、席を立たないでください。ぜひ一度ならず、何度も劇場で楽しんでいただければ嬉しいです」。このメッセージが告げられると、会場は大きな拍手に包まれた。初日の舞台挨拶は大盛況のまま、終了となった。