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武器は“ストーリーとファミリー感” 美女が続々誕生・ゼロイチファミリアの快進撃

 今年7月、人気絶頂のなか突然「来年3月いっぱいで芸能界引退」を発表し、大きな衝撃を与えたグラビアアイドル・川崎あや。彼女を筆頭に、雑誌界を席巻している多数の美女タレントが所属する芸能プロダクション・ゼロイチファミリアに注目が集まっている。それぞれのタレントがキュートなルックスはもちろん、個性的なキャラクターも支持され、女性ファンも増加中。なぜこの事務所から、次々と話題の美女が誕生するのか。キーマンである同社マネージメント事業部の長谷川喜十郎氏に聞いた。

快進撃を続けるゼロイチファミリアの所属タレントたち(左から)早瀬あや、林ゆめ、桃月なしこ、十味、黒木ひかり、青山ひかる、川崎あや、アンジェラ芽衣

快進撃を続けるゼロイチファミリアの所属タレントたち(左から)早瀬あや、林ゆめ、桃月なしこ、十味、黒木ひかり、青山ひかる、川崎あや、アンジェラ芽衣

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■職業や肩書を“称号”として、キャッチフレーズを考え抜く コンプレックスは武器

 同社は2016年1月、当時ヘアメイクアップアーティストとして活動していた長谷川喜十郎氏が、川崎と出会ったことをきっかけに設立。名前の由来は「タレントをはじめ関わらせていただく全ての方々と『ゼロからイチへと躍進するチーム(ファミリー)』でありたい」という意味が込められた。現在4年目にして、多数の出版社やメディアから熱い視線を集める同社だが、長谷川氏は設立当初を「本当に仕事も乏しく、川崎と他スタッフと小さな居酒屋の軒先で、ビール瓶の空箱に座って飲み物片手に『仕事ないね…』と話していたのを思い出します」と振り返る。

 そんな状況からわずか数年、今では川崎をはじめ、桃月なしこ十味黒木ひかりアンジェラ芽衣林ゆめなど漫画誌やエンタメ誌の表紙を飾る人気タレントを中心に、総勢30名を超える事務所へと成長した。今年2月には、所属タレント12人が表紙から巻末までグラビア全ページをジャックした『週刊プレイボーイ』が発売されるなど、世間を騒がせるニュースも次々と提供している。

 わずか数年での急激な成長の要因は、いくつか挙げられる。第一でありもっとも大事なことは、それぞれの“タレント力”。川崎はウエスト52センチという国宝級くびれを誇る“くびれクイーン”、桃月は現役のナースとして働きながらコスプレイヤーという二刀流、黒木は高校卒業記念写真集イベントで留年を明かすなど、それぞれのストーリーや肩書が魅力的である。この点について長谷川氏は、ルックスも大事だがタレント選びでもっとも重視していることは、「一人ひとりのルーツやストーリー。そのストーリーから得た職業や肩書を“称号”として、キャッチフレーズを考え抜きます。なので、“モデルで女優”のようなありきたりな肩書きには興味がなく、“ナースでコスプレイヤー”や“高校4年生”など、『人となり』がわかることを意識しています」と明かす。

 「採用基準として、人に誇れるような『すてきな部分』だけを持つ子には、あまり興味がありません。コンプレックスがあって傷があって根暗な、そしてタレント活動にも余り興味が無いような(笑)、そういう人のストーリーの方が複雑で面白い傾向があります。だから特に弊社には、根暗なタレントが多く在籍しています。所属するまでは暗い巣穴にいて、所属して少しずつ巣穴から出て活動し始めたようなイメージです。また、武器を持たない子とは契約しません。当然と思われるでしょうが、僕たちの考える武器は『人に愛されるもの』であって、『人を攻撃するもの』や『人に見せびらかすためのもの』ではない。そして、人に愛されるものとは一概に本人が武器だと思っているものではなく、むしろコンプレックスだと思って隠そうとしていることの方が多いです。僕たちはそのコンプレックスを武器と見立て『愛されるタレント』の育成に全力を挙げています」

 そんなタレントの個性を伸ばすため、事務所としても費用は労力を惜しまず、継続できるサポートに注力する。同社ではそれまでに芸能活動をしていたタレントはほぼゼロで、彼女たちをステージに立たせ役割を成立させるため、英語や韓国語など語学をはじめ、ダンス・演技・ウォーキング・ジム・ボイトレなどさまざまなカリキュラムを組み、事務所が日々レッスンを主催し無料で受講できる仕組みを作っている。

■積極的な情報発信のきっかけは加藤紗里 悪口でも知ってもらえることに感謝

 次に成長要因として評判なのが、事務所としてのグラビアジャックや、誰かが雑誌やテレビに出演すれば他のタレントがSNSで祝福するという、同社のタレントの仲の良さだ。新しいタレントが所属する場合、既存タレントからの「この子かわいくないですか?」という紹介が最も多いというエピソードもあり、社名の通り“ファミリー感”にあふれているため、タレント個人の応援はもちろん“事務所推し”のファンも多いという。事務所としても「ファミリー感を意図的に意識づけている」が、意外にも「タレントには、常に同じ事務所の横にいる仲間たちはライバルであると言っています」という。

 仲間とはいえ、現実にはオーディションで受かるタレントと落ちるタレントという差が生まれる。笑顔になっている人の裏では、泣いている人や歯を食いしばっている人がいるのも、また事実。だからこそ、長谷川氏は「“知名度”にせよ“能力”にせよ、この世界において『ゼロ』に近い我々は、それを『イチ』にするためにまずは手を取り合い、共に努力をし、共に少しでも『イチ』を目指す必要があります」とファミリーとしての絆の重要性を説く。

 また、出演した雑誌の画像、タレント本人のコメントを含めたリリース発信など、事務所スタッフのこまめなケアも、各所から好評だ。これについても、独特の持論を持っている。きっかけとなったのは、同社所属タレントで、お笑い芸人との熱愛で世間を騒がせた加藤紗里の存在だ。「彼女がメディアに取り上げていただいていた時に得た特殊な感覚で、興味とは『好き』でも『嫌い』でもいいと知りました。どんなに悪口を書かれても、知って興味を持ってもらえることに感謝する。我々が一番嫌なのは、無関心です」。それを教訓に、メディアに興味を持ってもらうため、小説や雑誌の“つり革広告”のように見出しを付けた情報発信に総力を挙げ、日々業務として必死に取り組んできた。現在は「それが良かったかは別として、徐々に我々が発信した情報を記者の方々が興味を持ち、読んでいただけるようになる。それが結果として記事になり、各メディアに記事化していただけるようになった」と手応えを感じている。

 他にも具体例を挙げてもらった。「例えば花咲れあというタレントのキャッチコピーは『グラビア界の問題児』です。彼女の持つオーラと、一度大きな遅刻をしたことが由来ですが、僕らはそれを隠さずむしろしっかりとそれを打ち出し、メディアの方々にもわかっていただき、それを彼女のスタートラインとします。そして『グラビア界の問題児』が成長し、もしかしたら遅刻をしなくなり、さらに大きな舞台に飛び立っていく。その時に記者の方の1人でも『あ〜、あいつは昔、グラビア界の問題児と呼ばれていたのに、こんな大きな舞台に…』と、彼女の今までのストーリーを覚えていてくれれば、僕たちの勝ちだと思っています」。

■雑誌への出演はゴールではなくスタート 目的は“雑誌をしっかり売ること”

 現在は雑誌不況といわれるが、同社はそんな時代だからこそ、タレントが雑誌に出演することを目的とせず、出演した雑誌をPRし“雑誌をしっかり売ること”を目的としている。「雑誌に出ることはゴールではなく、スタートです。出していただくことは高いハードルがあり、出演が決まるたびに大きな喜びがありますが、本当に重要なのは出演タレントがどれだけ大きなストーリーを持っているか、出版社の方々と一緒になって汗をかき雑誌を売ろうという強い思いを持てるか。そして同じ事務所の仲間たちも協力し、一丸となってそれを成し遂げるか。タレント一人ひとりが努力や実績で自分の価値をあげ、より高い価値で雑誌業界へ貢献することがゴールと考えています」。

 また、「よく勘違いした発言を耳にするのですが、水着で誌面に出るというのは“誰もが水着になれば簡単に出られる”ではありません。まずそこを勘違いしている人が多いと感じます。少年誌やヤング誌の表紙や誌面を飾るということの難しさを、今一度世間の皆さんに知っていただけえたらうれしいです」と長谷川氏は思いを打ち明ける。一般的にグラビアは女優やモデルへのステップと考えられている風潮についても「僕らの考えは逆で、誌面でのお仕事で起用いただいた雑誌をPRし、販売に貢献するためにも、タレントにより多くの能力や肩書きを付けられるよう、レッスンや営業など努力しています」と持論を語った。

 今月27日、前回の『週プレ』に続き同社のタレントが一冊完全ジャックしたグラビアマガジン『Platinum FLASH』(光文社)が発売された。これについても「事務所独占誌面を出版していただいたことは、僕らにとって『ゼロ』で、それをPRし、たくさんの方々に知ってもらい買ってもらう、それこそが僕らにとっての『イチ』です。そのためには、出演者や出演したかったのにできなかったタレントも含め、全員でそれをいいものにし、PRして売る必要がある。売れて初めてゼロからイチとなり、イチを作れてこそ全員が活躍できる舞台が待っているものだと思っています。発売はスタートなので、僕らはこの素晴らしさを伝えるためにたくさんの人に認知していただき、そして購入(承認)していただけるように頑張ります」と発売に満足せず、その先を見据える。

 同社には平均で月100件超、デビューオーディションがあると月300件程のタレント応募が寄せられるが、ファンからも「この子ゼロイチファミリア顔だからぜひ見てみてください」というメールも頻ぱんに送られてくる。まさに、タレント・スタッフだけではなくファンをはじめ、仕事の取引先、メディアなど周辺の人々も巻き込むのが、ゼロイチファミリアの“ファミリー”たる所以(ゆえん)なのだろう。

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  • 快進撃を続けるゼロイチファミリアの所属タレントたち(左から)早瀬あや、林ゆめ、桃月なしこ、十味、黒木ひかり、青山ひかる、川崎あや、アンジェラ芽衣
  • ゼロイチファミリアを牽引する川崎あや (C)ORICON NewS inc.
  • 高校留年が話題となった“神的美少女”黒木ひかり (C)ORICON NewS inc.

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