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『シン・エヴァ』“0706作戦”舞台裏レポート vol.2 〜緒方恵美に託された映像納品編

 ちょうど1週間前、7月6日の日本時間午後8時15分より国内主要5都市とフランス・パリなど世界をまたにかけ実行された『シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT 1(冒頭10分40秒00コマ) 0706版』の上映イベント、通称“0706作戦”。ファンが待ちわびた最新映像の上映に文字通り世界中が沸き、国内で約10万人を動員する一大イベントとなった。一方で、作戦成功までの道のりもまた、大規模かつ緊張感にあふれる局面の連続だった。vol. 2では、碇シンジ役声優・緒方恵美がフランス・パリの『JAPAN EXPO』会場まで手持ちで映像のHDDを届けたエピソードを株式会社カラーの担当者に伺うとともに、当日の配信視聴を担ったLINE LIVE担当者の話をお届けする。

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■HDDを届ける唯一の希望…緒方恵美の渡航・出演が決まるまで

 映像制作スケジュールがギリギリだったため、『JAPAN EXPO』では当初予定していた庵野秀明総監督のステージ登壇を断念。イベント直前ギリギリまで総監督が日本に残って編集作業を行い、いざフランスへ運ぶだけ!となったが、あまりにギリギリで運搬するスタッフはすでに現地へ飛んでいたという…。

 そんな中、フランスへHDDを運ぶ手段として唯一の希望となったのが、急きょ登壇が決まっていたシンジ役の緒方恵美。映像完成直後、制作プロデューサーからHDD現物を受け取り、緒方が映像と共にフランスへ渡航。現地パリにHDDが届けられたのはイベント当日6日の早朝5時だった。

 さらに、パリと同じく海外会場となる中国・上海やアメリカ・LA、日本の街頭ビジョンについては、急きょ災害速報アカウント「特務機関NERV」運営者であり、ゲヒルン株式会社代表の石森大貴氏にシステムの制作を依頼し海外会場はダウンロード、街頭ビジョンはストリーミング配信によって全会場、問題なく映像が届いた。さらには、もしフランスに運搬したHDDに不具合が生じた場合の最終防衛線対応にも使用され、縁の下で大活躍となった。

――緒方さんにHDDを託すという大胆な計画はどういった経緯で決まったのですか

 庵野総監督を東京に残すと判断した時点で、ギリギリまで絵が進化し続けるということが自動的に決まりました。そこから新ゲストとなる緒方恵美さんにご登壇ブッキングをお願いしたわけですが、ご依頼自体がギリギリになったため、ご本人のスケジュール上、全てのスタッフが現地へ移動したさらに後の日程でのご移動となりました。つまり最終的に進化した絵が入ったHDDを運べる役割になる方が物理的に緒方恵美さんしか存在しなかったのです。

 もちろん飛行機の遅れや想定外の事態にも備え、フランス現地では、緊急退避用・石森サーバでの現地最終防衛線DL対応を並行して行っておりました。しかし、フランスのネット回線は基本ADSLレベルですので、およそ20GBの映像をタイムアウトせず問題なくDLするのにはかなりの時間と複数のトライが必要であることが判明しました。

――HDDが手渡された際の緒方さんのご様子は…

 とても大事に運んでいただいたと感じております。正副をお渡ししましたので、大変お手間になったかと思います。本当にすみませんでした。緒方さんからはさすがに本使用する映像素材を運んだことはない、と苦笑されましたが快く引き受けていただき誠に助かりました。

――映像が無事に納品されたあとはどのようにリハが進められたのですか

 現地では前日夜20時程度から1時間ほど、衛星を使った送出と、ネットケーブルを使った送出を2パターンテストしました。が、20時に現地にて準備開始したところ、会場の演目が全く終わっておらず、日本チームも含めて待たせる結果となりました。ジャパンエキスポでは現場のテクニカル担当者がボランティアであることも多く、想定外の事態が度々あります。

 そんなわけでテクニカルチームは気が気でなかった状態、かつ日本は超早朝でした。LINEを使ってフランス→日本各地に情報を伝達、各地から問題があればLINE上で報告をもらうという作業を繰り返しました。現地の回線が遅くともLINEのトラフィックが非常に軽いためテキストメッセージは問題なくやりとりできます。本当にありがたかったです。

■「あらゆるパターンを想定」ネット視聴を支えたLINE LIVE

 映像をパリの現場に納品しリハ・本番上映と胃の痛い緊張感のなか無事成功した上映会だが、当日はLINE LIVEが会場に足を運べなかったファンの視聴環境を一手に背負っていたことも忘れてはならない。視聴数は7月10日までのアーカイブを含めて66万8947にのぼった。

 アクセス集中などによるトラブルを防ぐため、どんな心構えで当日に臨んだのか。LINEの担当者に聞いてみると、「とにかくあらゆるパターンを想定すること、トラブル時の最もベターとなる代替手段を考えていました。また、日本のパブリックビューイング統括チームに状況が適切に伝わるようにLINEでリアルタイムコミュニケーションを取っていました」と振り返った。

 また、「リハの段階と本番では、当日の時間帯・お客様増加による電波状況・通信環境・天候・電源等の状況が異なることもあり、(リハが成功した段階では)本番で成功していたわけではないので、緊迫感は全くとけなかったですね。ただ手応えを感じたのは事実です」と心境を明かす。

 驚くことに、今回の配信のために特段のスペック強化などは行っていなかったといい、「この規模感の同時視聴には耐えられるよう日々サーバー環境を整えております」と頼もしいコメントを寄せてくれた。

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