歴代の『週刊少年ジャンプ』の編集長らが9日、都内で行われた「おとなのジャンプ酒場」オープン記念イベント＆内覧会に出席。同誌のキーワードである「友情・努力・勝利」について言及し、時代によって変化してきていると語った。

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　これは同誌の創刊50周年記念企画の一環として11日にオープンするもので、1980年代のジャンプ作品をフィーチャーし、黄金期の歴史を詰め込んだ店内空間でオリジナルメニューを提供する。この日は、当時の編集部で活躍した5代目編集長の堀江信彦氏（担当は『シティーハンター』など）、鈴木晴彦氏（『キャプテン翼』など　※編集長経験はないが現在の常務取締役）、8代目の茨木政彦氏（『ろくでなしBLUES』など）のほか、現在の11代目・中野博之氏（『べるぜバブ』『トリコ』など）が参加した。

　同誌では「友情・努力・勝利」が昔からキーワードとされており、MCを務めた中野氏が「編集長やスタッフによって捉え方が違うと思います。当時は、この言葉をどのように受け止めていたのか、また、編集部としてのスローガンだったのか」と3人に質問。

　堀江氏は「読者アンケート分析をやっていたのですが、ある時『あなたの将来はよくなりますか？』と質問したら、そうしたら若い読者ほど『よくなる』と答えた。では、その子たちはどんな言葉が好きかと調べると『努力、勝利が好き』と答えてきた」と明かすと、鈴木氏と茨木氏は「うそだ〜、あれは初代の長野規氏が決めたのでしょ？」と半信半疑。

　すると、堀江氏は「長野さんが決めたのですが…」と補足しつつ「定期的にアンケートで『その年は（題材は）何がいいか』と調べていると、『健康』が上位に上がってきた。それでも若い人は『友情努力』を支持する理由は、将来が今より良くなると思い、社会との繋がりを大事にすることがわかった。それを会議で報告した」と明かした。

　一方、鈴木氏はこのテーマに違和感があるそうで「『友情・努力・勝利』と色んなところで言われるのですが、ピンとこない。努力がおかしい。友情と勝利はセットで少年漫画では当たり前なのですが、『努力』は真面目に漫画で表現しようとしたら最近、10週くらいで連載が終わりますよね？　努力はネタにならない」と時代によって変化してきたと告白。

　「“漫画はキャラクター”と言われてきたのに、（スローガンに）キャラクターがないのがおかしいと思っていて、最近、私は『友情、個性、勝利』と言うようにしている。『友情・努力・勝利』は50年前の初代編集長が作った言葉で、それに振り回されるべきではない」と訴えると、堀江氏は「漫画の登場人物も努力しなくなってきている…」と納得している様子だった。