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『池の水』伊藤P×『チコちゃん』小松P、ヒット番組はこうやって作る

 「フジテレビ時代に失敗ってどれくらいしていますか?」と、取材に乗じてあの『チコちゃんに叱られる!』の生みの親、小松純也氏に質問したのは、『池の水ぜんぶ抜く』を手がけるテレビ東京の伊藤隆行プロデューサー。今回、取材に入った番組は、テレビ東京系で8日に放送される単発の新番組『あなたの日本語大丈夫? 笑われるニホン語』(後9:00〜10:48)。この番組における伊藤氏と小松氏、ふたりの肩書きはともにチーフプロデューサー。『池の水』と『チコちゃん』のプロデューサーが、タッグを組んだ新番組はどのように生まれたのか。

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■企画書は「タイトルと2、3行の内容で十分」

――お二人は以前からお知り合いだったのですか?

小松:内村光良さんの50歳の誕生日を祝うパーティーがあって、同じテーブルだったんですよね。

伊藤:その当時、フジテレビに内村さんがMCをしている番組がなくて、「これは何か考えなきゃな」とおっしゃっていたんですが、それから間もなく『痛快TV スカッとジャパン』(2014年10月〜)がスタートして。有言実行、早っ、しかも当たっていくからさすがだな、と思っていました。

小松:伊藤さんこそ、スーパースターじゃないですか。

伊藤:そういうの、いま、ここで初めて言うのやめてください(笑)。

小松:魚が好きなので、かいぼりを見ているだけでときめく。そのときめきをそのままテレビ番組にしてしまう人って、すごいなと思っていました。昔は自分が一番尖っていたいと思
っていたけど、いまは伊藤さんがバラエティーのプロデューサーの中では先鋭的なものづくりをしている人だと、僕は思います。

――お互いリスペクトしあっているお二人が一緒に新しい番組を作ることになったきっかけは?

小松:間に入って下さる方がいて、伊藤さんと一緒に番組をやったらどうですか?って。それはぜひ、やりたいと思って、いくつか企画を提案した中の一つが『笑われるニホン語』。

伊藤:こちらとしても、えっ? うちでやっていただけるんですか? と思いました。僕はフジテレビのお笑い番組を見て育った世代なので、月並みなことばでいえば、憧れていました。あの『チコちゃん』の小松さんから企画を提案していただけるということで、緊張していました。実現しないと申し訳ない、というのもあるんですが、企画を出していただく時は、タイトルと2、3行の内容で十分だと思っていて、そのスタイルでいくつか出してもらいました。その中で、ひと際輝いて見えたのが『笑われるニホン語』でした。「これやりましょう」って即決。

■お年寄りから子どもまで楽しめる番組は「意外性のあるものを見つけられるかどうか」

――そんなに軽く?

伊藤:僕は、軽いかもしれないです(笑)。

小松:ちょっとびっくりしました。すぐに「やりましょうと」言ってくださって。まるで昔ばなしみたいだと思いました。昔は、会議でも雑談でも、ポンと出たアイデアが面白いと思ったら、「それやろう」と言って、すぐに実現したという伝説を聞いたことはあったんですが、いまの時代、制作会社のプロデューサーとして言わせていただくと、そういうことはほとんどないですよね。

伊藤:小松さんと組んだらどんな事が起こるだろう、という好奇心が大前提にあって、さらに自分がやったことがないこと、小松さんと組まなかったらおそらくこの先も自分ではやらないこと、テレビ東京にないもので、これだと思ったのが『笑われるニホン語』。当たるか外すか、よりもワクワクの方が勝って、即決になりました。

小松:企画を出しても、いろんな人があれこれ言ってきて、対応しているうちに企画の原型がなくなって、何をやる番組なのかわからなくなったまま収録して、編集して…なんてことはよくある話。放送はされるけど、数字は悪いし、つまんないしで終わっていく。そりゃそうですよ。現場の人たちで決めることができなくて、上に相談したら塩漬けにされて、ということもしょっちゅうある。でも、今回は企画の本質を捻じ曲げるようなことは何もなかったですし、僕らが思いつかなったアイデアを出してくれて、のびのびとやらせていただきました。本当に感謝です。

伊藤:新元号「令和」に変わって、いつになく日本語に注目が集まっていましたし、2020年東京オリンピックパラリンピックも控えているなか、日本語を題材にした番組っていいな、と思って。それも「笑われる」というのが付く。日本人が正しく日本語を使えないのは、やっぱり恥ずかしいけど、もしかしたら笑われているかもしれない、と思ってしまうくらい日本語に自信がなくなっている自分もいて、いいな、と思いました。

小松:お年寄りから子どもまで楽しめる番組と考えた時に、誰にとっても切実で当たり前なんだけど、意外性のあるものを見つけられるかどうか。テレビ番組の素材として、日本語は使い古されてはいるんだけど、それでも意外性の宝庫。普段、何気なく使っている言葉にも、本来は違う意味だったとか、どうしてそう言うようになったのか、知らないことも多くて、意表を付ける。そもそも日本人は日本語を使っているから、まだまだいろいろできるジャンルだと、改めて思いました。

伊藤:小松さんが会議中に「最近イラっとする!ことがある」と言い出して、「20歳くらい年下のスタッフが“了解しました”って連発してくるんだよ!」とお怒りになられていた。そ、そーですよねー、返信メールあるあるですよね…はははは…と笑っていたんですが、内心で自分もやっちゃってるなと思って。“了解”という言葉には尊敬の意が一切含まれていない。つまり目上の人に使うニホン語の使い方としては0点なんですね。「オマエに了解される筋合いは無ぇぇ!」と声を荒げていた小松さんのテンションが、この番組の叫び声になっていくといいな、と思っていたら、ちゃんとコーナーになっていたし。

小松:「キニクヮン語」ですね。番組に登場するカッパは、伊藤さんのアイデア。何気なくカッパの絵を描いたのを見て、それちょうだいって。そういう見たこともないものを登場させるだけでも、新しい視聴体験になる。これからのテレビはできるだけそういうことをやったらいいんじゃないかと思います。

伊藤: 調子こいて間違った二ホン語を使っていると、カッパに罵倒されます(笑)。見事に小松さんの手法で日本語を扱った教養番組が、お笑い番組になった。教養お笑い番組。新しいジャンルができたんじゃないですかね。

小松:教養お笑い番組ですか、目指したいですね。出演者のおかしな答えを笑いながら、日々の暮らしの中で自分も実は笑われているかもしれない、と気づいてもらえるネタがゴロゴロ転がっている番組にしたかった。そういう意味ではわりとうまくいったのかな。

■「失敗はどれくらいしていますか?」

伊藤:最後に僕から聞いていいですか? 小松さん、フジテレビ時代に失敗はどれくらいしていますか?

小松:死ぬほどしていますよ。

伊藤:よかった。僕もなんです。ほとんどコケてます。

小松:私の方がコケていると思うな(笑)。フジテレビが最も調子の良かった頃、GP帯の平均視聴率14%台の中、レギュラー番組で視聴率3.8%を叩き出しましたから。

――世間のイメージはお二人ともヒットメーカーですが…。

小松:それはヒットした番組しか覚えてくれていないから(笑)。それに、そんなにヒット番組なんて生まれない。

伊藤:長嶋茂雄さんのように、三振もするけど、その後ホームランを打っているからかっこいい。

小松:首の皮一枚でつながり続けてきました。フジテレビにいた頃、一時期、新番組を始めるときは必ず2つ同時に始めるようにしていた。一つコケても、もう一つは大丈夫な可能性があるから。失敗の確率はどちらも50%。2つあったら25%に下がるかな、と思って。

――下がりますか?

伊藤:そうやって小松さんは生き伸びてこられました、とさ(笑)。

小松:はい、生き延びてきました。

伊藤:テレビ東京の大ゴケ王として小松さんの背中を追いかけます。

小松:テレビ界の大コケ兄弟。イヤなことを思い出させないでよ(笑)。

■あなたの日本語大丈夫? 笑われるニホン語
7月8日(月) 後9:00〜10:48

 出演のパネラーたちに、日本語の一斉テストを実施。間違った日本語を堂々と使っているパネラーを、日本語学者の金田一秀穂氏、民放バラエティー初出演の元NHKアナウンサー・加賀美幸子氏、東京大学名誉教授で国文学研究資料館館長のロバート・キャンベル氏が、厳しくダメ出し&丁寧に解説していく。ドラマの中から間違った日本語を探しだすクイズや有名な「詩」を題材に美しい日本語を学ぶコーナー、若者言葉とされている「ウザい」のルーツを調査するなど、バラエティーに富んだ内容で日本語を学べる教養系お笑いバラエティー。

 MCは、設楽統日村勇紀バナナマン)。進行は竹崎由佳アナウンサー(崎=たつさき)。パネラーは、山下真司高畑淳子林家たい平濱口優よゐこ)、春日俊彰オードリー)、友近丸山桂里奈西野未姫、ほか。

関連写真

  • 『池の水ぜんぶ抜く』を手がける伊藤隆行P(左)と『チコちゃんに叱られる!』の小松純也P(右)が初タッグ。『あなたの日本語大丈夫? 笑われるニホン語』テレビ東京系で7月8日放送 (C)ORICON NewS inc.
  • フジテレビを退社し、今年4月からフリーになった小松純也氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 『モヤモヤさまぁ〜ず2』『やりすぎ都市伝説』も担当するテレビ東京の伊藤隆行氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 『池の水ぜんぶ抜く』を手がける伊藤隆行氏(左)と『チコちゃんに叱られる!』の伊藤隆行氏(右)が初タッグ。『あなたの日本語大丈夫? 笑われるニホン語』テレビ東京系で7月8日放送 (C)ORICON NewS inc.
  • 司会はバナナマン=『あなたの日本語大丈夫? 笑われるニホン語』テレビ東京系で7月8日放送 (C)テレビ東京
  • 出演者全員集合=『あなたの日本語大丈夫? 笑われるニホン語』テレビ東京系で7月8日放送 (C)テレビ東京
  • スタジオ収録の様子=『あなたの日本語大丈夫? 笑われるニホン語』テレビ東京系で7月8日放送 (C)テレビ東京

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