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TBSエースアナ・江藤愛、10年で見えてきた“会社愛”「定年までTBSにいたいと思っているんです」

 「就職活動をする時にどうしてもアナウンサー以外にやりたいことがなくて、東京と地元の大分のアナウンサーを受けてダメだったらどうしようかなって考えていました。きっと何かの会社員にはなっていたと思うんですけど、その選択肢を考えられなかったんですよね」。当時を思い出すように、ななめ上を見上げながら話すのはTBSアナウンサーの江藤愛(33)だ。TBSの押しも押されもせぬ“エース”として、帯の情報番組、バラエティー番組、ラジオとさまざまな分野で活躍している江藤アナに、局アナを続けることの意義と覚悟、フリーに転身していく同僚たちへの思いなどを迫った。

局アナとしての思いを語った江藤愛アナウンサー(撮影/近藤誠司) (C)ORICON NewS inc.

局アナとしての思いを語った江藤愛アナウンサー(撮影/近藤誠司) (C)ORICON NewS inc.

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■エース級の活躍も「私は普通の人」 新番組で共演の東野幸治のスピード感に驚嘆

 平日の帯番組『ひるおび!』(月〜金 前10:25)のほか、『中居くん決めて!』(毎週月曜 後11:56)にレギュラー出演、番宣スポット『From TBS』のナレーションを不定期で行い、ラジオでは『爆笑問題の日曜サンデー』(後1:00)の第1〜4週のアシスタントを担当。それに加えて、この4月からは2つの新番組『メイドインジャパン!』(毎週月曜 後9:00)、『その他の人に会ってみた』(毎週火曜 後11:56)の進行も務めることになった。多忙な毎日、平日は『あさチャン!』がスタートする朝5時25分の1分前に目覚ましをセットしていると笑顔で教えてくれた。

 「枕元にリモコンを置いて『朝のトップニュースは何かな』というのを、まだ電気もついていない状態でニュースを見て、それでなんとなく起きながら、玄関から新聞を取って。歯を磨いたり、顔を洗ったりするようなものと同じような感覚でテレビを見て、ニュースをチェックするのが生活の一部になっていますね。そこから、朝7時くらいに出社して、8時半過ぎから『ひるおび!』の打ち合わせに入ります。そこからオンエアまであっという間で(笑)。その後に隔週で『その他〜』『メイドイン〜』『中居くん〜』の収録が入る日もあって、日曜は『日曜サンデー』という感じで進んでいます」

 1週間のスケジュールを見ると、改めてその多忙ぶりがわかるが、本人は非常にいきいきとした表情を浮かべる。「本当に仕事中心の毎日が楽しくて(笑)。だから『こういう新しい番組が始まりますので、進行は江藤さんでお願いします』と言っていただいた時は、すごくうれしいんです。『メイドイン』も『その他』も特番でやっていたものがレギュラーになるって愛着があるものだから、そこにまた関わることができるのはすごく幸せなこと。やっぱり、レギュラーになったらほかのアナウンサーだったら悲しいじゃないですか(笑)」。

 『その他』では東野幸治、『メイドイン』では山里亮太とともに番組を進行しているが、2人の魅力について向けてみた。「『メイドイン』という番組自体はホッとする、家族の温かさ、日本の良さを教えてくれるので、山里さんもいつものキレキレな感じと違って、何か穏やかな印象を受けます。頼れるお兄ちゃんですね。東野さんとは、今回初めてレギュラーでご一緒するんですけど、とにかく楽しくて。あのスピード感がたまらないですね。私の知らない世界を教えてくれる方ですし、収録でも『江藤さん、あなたはTBSでキレイな仕事ばっかりしすぎです。こういうのもやりなさい!』とイジってくださるんです(笑)」。

 『その他』は、世の中にあふれるさまざまなアンケート調査や統計で「その他」の項目に含まれるような、その世界での『王道の選択』をしなかった異色の経歴の持ち主に注目する番組だが、東野からは「江藤さんは王道ですよ」との言葉をかけられた。「東野さんとしては、大学を出て、アナウンサーになって、そして帯番組をやって、ゴールデンをやって…という意味のようです」と笑顔を見せるが、番組に関わることで仕事観に変化が生じたという。

 「これまでは王道や、メインストリームを行く人がすごいって思っていたんです。この番組には、自分でこれがやりたいと思って『その他』の道に進んでいる方が出てくるのですが、そういう『好き』を仕事にできる人が、実は一番すごいかもと思えるようになりました。東野さんは、私のことを『王道だ』とおっしゃってくれましたけど、この番組に出たことで自分は『王道』でも『その他』でもない『普通の人』だよなって実感しました(笑)。別にアナウンサーとしてエッジが効いているわけでもないし、本当に普通の人だなって」。

 江藤アナ自身はこう謙遜するが、今の仕事量やスタッフからの「局内で1・2を争うアナウンサー」との評価から、今いかにTBSで“江藤愛”が求められているかは明らかだ。その事実については、どう受け止めているのだろう。「いやー、みんながやめてフリーなっちゃうからじゃないかな(笑)。本当に私、会社入った時は何もできなくて、今でも入社1年目の時の番組が鮮明に蘇ってきて『なんで、あんなことを言っちゃったんだろう』『読むのが下手だった』って反省しています。自分が何もできなかった時から、TBSという会社は温かく待ってくれたなと思うと、私は本当に感謝しかなくて、TBSをみんなに好きになってもらえるお手伝いがしたいなと思ってやっているんです」。

■入社丸10年で「また仕事が楽しくなりました」 相次ぐ同僚のフリー転身にさみしさも

 今年で入社丸10年という、ひとつの節目を迎えた。「また、仕事が楽しくなりました。やっぱり10年って、ある程度の貫禄じゃないけど、キャリアを積むことができたなという、ひとつの自信にもつながりますよね。これまでの人生を振り返っても、10年同じ場所にいるってないですよね。だから、これは褒めてあげていいよなって自信となり、いろんな番組の中で、今自分がどんなコメントを求められているかなって考えながら、素直に答えられるようにりました。以前だったら、求められるものを無理して答えていたこともあったかもしれないけど、今はちょっと楽な気持ちで、自分が生きてきたアナウンサーとしての10年で、答えていいのかなと思ったり。仕事としては変わらないんですけど、向き合い方がまた変わって、1個自分の中でステージが上がった感覚はあります」。

 今年になり吉田明世宇垣美里といったようにTBSのアナウンサーが次々と“フリー”になっているが、どのような思いを抱いているのだろうか。「後輩から『やめます』って連絡が来ると、なんか『さみしい』って言っちゃうんですよね。もちろん、新しい世界に飛び込んでいく子たちに、頑張ってねっていう思いはあるし、すごい才能豊かな子が多いので、アナウンサーっていう枠にとらわれずに羽ばたいていく子たちだなという気持ちです。フリーでもきっといろんな場面で活躍すると思うので、そういう子たちと一緒に働けたことはうれしいですが、やめちゃうのかって……。同じアナウンサーでも、やっぱりTBSという看板、会社を守っていく、盛り上げていくという同じ志のもとやっていくのとは違って、フリーになると個人の看板になっちゃうので、そういう意味ではさみしいです」。

 この言葉を聞いて思い出したのが、3月21日に放送されたTBSラジオの特番『ラジ(コ)フェス』での太田光の発言だ。「『サンデー・ジャポン』のアナウンサーは局アナにしてよって言っているのは、要するに局を背負ってくれている人がひとりいるだけで、全然違うわけよ。例えば、何かクレームがきた時に、TBSとしての謝罪とか意見とか言ってくれるのは、それはフリーじゃできないから」。太田の言葉が“局アナ”を貫いている江藤アナの支えになった。

 「私もあれ聞いて感動しました。そういう風に見てくれるんだと。自分の発言は自分個人だけのものではなくて、やっぱり会社の意見に捉えられてしまうこともあるっていうのは、意識していますので。と言いながら、かなりラフに話させてもらっているんですけどね(笑)。キャリアを重ねる中で、ある程度、自分の思いとかがないと伝わらないというのも、なんとなく理解してきて。やっぱり伝えたいことがあるから、そこにいるんだっていう使命みたいなものもあります。ニュースって、見ている人がどう受け止めるかが大事で、こちらがあまり色をつけすぎても良くないと思うんですけど、自分がそのニュースに対してどう思うのか。うれしいのか、悲しいのか、怒りなのか。そのスタンスは持っていいんだろうと考えています」

 昨年に江藤アナにインタビューを行った際には、母から「女性版・安住紳一郎さんになりなさい」と言われたことを明かしていたが、そんな安住アナは2006年に出版された著書『局アナ』(小学館)で次のようなことをつづっている。「テレビが小さい頃から大好きで、放送局にとても憧れがあった。初めて仕事をしたとき、画面に映った自分の顔の下に『TBSアナウンサー』と字幕スーパーが出た。何だかとても興奮したことを今でも覚えている。全国に2136人いる局アナの共通する思いだと思う。タレントやフリーと同じ、テレビに出ることが仕事とはいえ待遇や役割はまるで違う。矛盾や過剰な要求にやりきれなくなるときもあるが、逆に局アナだからこそ会社や同僚に関わりあえることもたくさんある。テレビに出る仕事という前に、一放送局員であるということが誇りでもある」(p142-143)。

 先輩と同じ“局アナ”としての道を着実に歩んでいる江藤アナだが「この前のインタビューが出る前に、安住さんに『こういうことを言いました』と伝えましたら、『へぇー』って笑ってくれました(笑)。きょうも、ちょうどここに来る前に会社で会ったら『ボードの伝え方、うまいよね』って言ってくれて、めちゃくちゃうれしかったです。さりげない先輩のほめ言葉、しかも安住さんの言葉ってうれしくて。だから、きょうは素直にウキウキでここに来ました」と満面の笑みを浮かべる。今後のキャリアについてもまっすぐと前を見据えた。

 

「私は定年までTBSにいたいと思っているんです。でも、定年まで局でアナウンサーとして所属できる方はあまり多くなくて、フリーになられたりすることが多いので、『その他』で『定年まで局にいたアナウンサーのその後』っていうのを追っかけてもらいたいな。大事なのは“定年後”ですから(笑)。フリーになることですか…。本当に嘘偽りなく、1回もないです。まず需要もないし、やりたいと思わない。やっぱり、TBSのアナウンサーとして、自分にやるべきこと、やりたいことがあると思っているので、私自身『江藤愛』で生きようと思っていないんですよ。もちろん、このテレビの業界にいるから、ある程度の知ってもらわなきゃとか、知名度とか人気とかもちろん必要だいうのはわかっているんです。でも、自分が映らなくても、しゃべっていなくても、その場で会話を楽しんだり、アシストできればいいなって思うので、江藤愛というよりは“TBSアナウンサーの江藤”ですっていう気持ちなんですよね」

 次回は、江藤アナの仕事現場での様子に迫るため、『ひるおび!』終わりから『その他』収録の密着取材の様子を届ける。

◆江藤愛(えとう・あい)1985年生まれ。青山学院大学卒業後の2009年にTBS入社。現在は、テレビでは『ひるおび!』(月〜金 前10:25)、『中居くん決めて!』(毎週月曜 後11:56)、『メイドインジャパン!』(毎週月曜 後9:00)、『その他の人に会ってみた』(毎週火曜 後11:56)、『From TBS』のナレーションを不定期で行い、ラジオでは『爆笑問題の日曜サンデー』(後1:00)の第1〜4週のアシスタントを担当している。

関連写真

  • 局アナとしての思いを語った江藤愛アナウンサー(撮影/近藤誠司) (C)ORICON NewS inc.
  • 番組合間に移動中の江藤愛アナウンサー(撮影/近藤誠司) (C)ORICON NewS inc.
  • 番組の打ち合わせを行う江藤愛アナウンサー(撮影/近藤誠司) (C)ORICON NewS inc.
  • 『その他の人に会ってみた』収録中の江藤愛アナウンサー(撮影/近藤誠司) (C)ORICON NewS inc.

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