• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

チュートリアル、ライブでファンに恩返し 4年ぶりツアーは「喜んでもらえるからやる」

 お笑いコンビ・チュートリアルの全国ツアー『奮発の黄昏』を開催中だ。2015年の『TUTORIALIST』以来、4年ぶりとなるツアーで新たな境地が見えたという。2006年のM-1グランプリ王者でもある2人は今後のお笑い界の予測もしてくれた。

4年ぶりの全国ツアー『奮発の黄昏』を開催中のチュートリアル (C)ORICON NewS inc.

4年ぶりの全国ツアー『奮発の黄昏』を開催中のチュートリアル (C)ORICON NewS inc.

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


■ようやくライブが“予定通り”に 意外過ぎる開催危機も明かす

 全国を周り、きょう19日の東京公演(よみうりホール)、24日の名古屋公演(日本特殊陶業市民会館ビレッジホール)を残すだけとなった。手応えについて徳井義実は「いい感じです。お客さんの反応も上々で楽しくやらせてもらってます」と話し、福田充徳も「やる前は不安もあったんですけど、お客さんにも来てもらっている。前回で最後かな、という話もしていた。『また、やるんや』と新鮮な気持ちですね」と笑顔を見せた。

 公演前は意外なことに不安が大きかったと明かす。「前回も、そんな雰囲気があったんですけど、ネタのイメージもないのかな、と。テレビの人みたいな。そういう意味で動員が大丈夫かな、と」と徳井。当初は500〜600人規模の会場を希望していたが、ライブ制作側からの強い要望で1000人集客できる会場になったそう。徳井は「『やってやらぁ』という感じでした」と苦笑いで振り返った。それでもフタを開ければ多くのファンで客席はにぎわった。

 ライブもようやく“熟練の域”に達した。「いい意味で必要最低限な感じになりました」と徳井は口にする。「ライブをやってきて、ネタ数やブリッジ(合間のVTR)とかって多けりゃいいってもんじゃない。毎回、割とオーバーしてしまう。1時間半を目指して2時間半とか3時間やっていた。この前、数えたら単独ライブは55本目ぐらい。ようやく大人なライブができました(笑)」と照れくさそうに明かした。

 また、単独ライブならではの長尺漫才も見どころ。福田は「もともと僕らはネタが長いんですよ。テレビとかだと削る作業もあって、普通にのびのびやりたいという思いがあった。言いたいことがあたら言ってもいいし、のびのびできて楽しいですね」と満喫している。一方の徳井は「ホンマはテレビでできる5分ぐらいのネタを2本ぐらいは作りたかったんですけどね(笑)」と本音をぶっちゃけていた。

■「ネタができるうち」にツアー開催 ファンが「楽しでくれるのがうれしい」

 ツアーを行うきっかけはネタ作りへの思いから。ネタ作りを担当する徳井は「ネタができるうちは、という思いがある。考えたら『もう1ツアーぐらいはできる』なと思いました。なので、タイトルにもあるんですけどホンマに『奮発』しました」と笑いながら「労力もかかるし、けいこもせなアカン。今回は福田さんに『ももエエわ』と言われるかもしれんなというのは若干ありました」と振り返った。

 そんな福田は「僕は徳井がやろか、と言ったからという感じです」と徳井の意思を尊重したそう。続けて「実は去年に言い出していて、会場の関係で今年になったんです。そしたら1月ぐらいに『やっぱ、やめとことかな』とか言い出した(笑)。『よしもとに言ったら、もうホール押さえたとかむちゃくちゃ言われた』と。むちゃくちゃなのは、お前や(笑)」と暴露。苦笑いの徳井は「1つのホールだけでもキャンセル料が35万円かかるって言われた。35万円払っても、やめようかなと思ったんです。でも、もうやめれんくなって、よっしゃって思って奮発したから『奮発の黄昏』にタイトルが変わったんです」とお気に入りタイトルになった経緯を説明。福田は「なんやねん、よしもとって言ってましたからね。あきらかに、こっちが悪いのに(笑)」とツッコんでいた。

 所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシーにはベテランや中堅になっても単独ツアーをやり続けるコンビが多い。ほかのコンビに負けられないという思いがあるのか聞いてみると徳井は「それは全くないですね。やる意味は本人らの自己満」とする。「例えばライブにテレビ局の人が来て『あいつらに番組をやらせよう』ということにもならないし、SNSでバズるわけでもない。ホンマに自分らの都合ですよね」と語った。「大人になればなるほど、お客さんが楽しんで帰ってくれるのがうれしい。20代のころは『コレがオモロいねん』みたいなネタを客にぶつけて『さぁ笑え』みたいな。で、ウケたら『俺らスゴいな』と。生モノですし、大人になればなるほど、お客さんに楽しんでもらうことに満足感を得られるようになりましたね」と心境の変化を明かす。

 変わった時期について徳井は「30代半ばぐらいからですかね。昔はネタをやって『面白い』と言われることでしか世に出る術がなかった。そのときにネタは、そういう役割を担っていた。その役割が終わったときに、お客さんに喜んでほしいと思った。ライブツアーってビジネス的にはやったところで何も変わらない。でも、自分らが満足感あって、お客さんに喜んでもらえるからやるんです」と熱い思いを語り、福田も「テレビの仕事増えて、お客さんと触れ合う機会が減ってる。でも、ツアーには来てくれてる人がいる。その人が笑って喜んでくれてるなら、ありがたいですよね」と、こちらも熱っぽく口にした。

 また、お笑いにも時代の変化も感じている。昭和を代表する芸人たちの笑いで育ち、平成にM-1王者として一時代を築いた。新しく始まった令和の時代の笑いについて福田は「僕らの子どものころは『ドリフ』や『ひょうきん族』の次の日は、その話をずっとしていた。これからは共通のコレというのが、どんどん薄れていくと思う。みんなが知っているさんまさん、たけしさん、タモリさんみたいな人がどんどん減っていくのかな」と予測。徳井も「テレビが全てというエンタメ界ではなくなりつつある。そういう中でライブという生モノの価値はどんどん上がってくると思う。福田さんが言うように細分化されればされるほど関係は濃密になっていくのかな。ライブツアーをやるかどうかは別にして生のモノは大事にしていきたいですね」と見据えた。

 そんな思いの詰まったライブツアーも佳境を迎えた。徳井は「毎回、いろんなタイトルをつけるんですけど、1、2を争うぐらい好きなタイトル。個人的にいいタイトルがつくとテンションが上がるんです(笑)。初の適度なボリューム感になったので、そこも楽しんでいただければ」と呼びかけ、福田も「今のところDVDにする予定はない。今回こそ本当に最後になるかも。と言いながら大仁田厚は7回、引退興行をしている(笑)。年とともに、お客さんと一緒にライブを作る雰囲気になっているので一緒に楽しいライブにしたいですね」と意気込んでいた。

関連写真

  • 4年ぶりの全国ツアー『奮発の黄昏』を開催中のチュートリアル (C)ORICON NewS inc.
  • 4年ぶりの全国ツアー『奮発の黄昏』を開催中のチュートリアル (C)ORICON NewS inc.

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

 を検索