テレビアニメや映画化などもされ、世界中で愛され大人気の『ポケモン』初となるハリウッド実写映画『名探偵ピカチュウ』が、3日より日本先行で公開されている。見どころのひとつは、おっさん口調で人間の言葉を話す“名探偵ピカチュウ”で、それを『デッドプール』主演のライアン・レイノルズが演じている。「自分より適役がいるのではないか？」「自分の魂がピカチュウの中に入ったようで違和感があった」と不安も語りつつ、「娘との関係がより深まりました」「兄が探偵として働いていて縁を感じた」など“実写ピカチュウ”を演じて得たことや奇妙な縁を語ってもらった。

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――アニメ版の声優ではなく実写映画としてピカチュウを演じることになりましたが、オファーを受けた時はどのような心境だったのでしょうか。

　「自分でいいのかな？　自分より適役がいるのではないか？」と最初は懐疑的で心配でしたが、アニメ版とは違うストーリー展開ということで、やってみようと思いました。その後、CGのピカチュウに自分の声をあてられた映像が送られて、人間の言葉を話すピカチュウを見た時「これなら僕もできるかも」と思い、オファーを引き受けました。映像はパソコンで見ていたのですが、ポケモンにハマっている娘もそれを見て大はしゃぎでしたね（笑）それも決断した理由のひとつです。自分が出演している映画を、娘と一緒に楽しめる作品は今回が初めてで、自身にとってかけがえのない作品になりました。

――『名探偵ピカチュウ』というゲームがベースになっており、ミステリーや探偵、謎解き要素が劇中の見どころのひとつです。ピカチュウの役作りにおいて、その辺りは意識したのでしょうか。

　兄が探偵として働いているので、オファーを受けた時は不思議な縁を感じました。役作りとしては、昔のフィルム・ノワール系の映画を参考に、それを自分なりに解釈をして“名探偵ピカチュウ”を演じましたね。キュートな姿だけど話してみるとおじさん口調で、落ち着きがなく、感情豊かな役を務めたのはとても楽しかったです（笑）

　おじさん口調の部分は素の部分もあり、キャリアで得た経験・演技方法もあってさまざま。モーションキャプチャーは初挑戦だったのですが、細かい動きや表情が反映されていて驚きました。完成したものを初めて見た時は、自分の魂がピカチュウの中に入ったように感じて違和感がありましたね。なので、びっくりして慣れていくのに時間が掛かりました。

――ピカチュウを演じたことは俳優人生において特別なことになったと思います。キャリアを振り返りつつ、ピカチュウの存在は私生活に何か影響を与えましたか？

　劇中でピカチュウはコーヒーを飲んでいますが、普段の僕の方が多く飲んでいますね（笑）演じて私生活に影響を与えたことは、家族の存在でしょうか。家族全員で一緒に観られる映画に出演できたことは大きな喜びであり、娘との関係がより深まりました。私がピカチュウを演じていることは、2歳の子はあまりピンときていない様子で、4歳の子も「パパの声に似ている」と言うのですが、まだ娘たちに明かしていない。どんな反応をするのか楽しみ。　また、子どもが生まれてから演じることがより楽しめるようになりました。その瞬間に没頭できることが楽しくて、アクションからカットまでの間は苦しみや痛みも感じず、プライベートなことがすべて排除されて、一つのことに没頭できることが俳優の醍醐味だと感じています。今の世の中、携帯電話を片手で握って意識が違う方向に行く時代に、こうして没頭できることがあり恵まれていると思いますし、世界中で愛されている『ポケモン』の映画に出演できて改めて光栄に思っています。

＜映画『名探偵ピカチュウ』作品概要＞
　世界中で大人気のピカチュウを題材にした同名ゲームが原案。主人公のティムがライムシティという街を舞台に、相棒となる見た目は可愛いのに、中身は“おっさん”で自分にしか聞こえない人間の言葉を話すピカチュウと一緒に謎を解きながら、事件に巻き込まれた父親を探すミステリーアドベンチャー。

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