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森口博子&影山ヒロノブ、平成のアニソン難しく「テンポ速い」 ボカロの影響など業界の変化

 歌手の森口博子(50)と影山ヒロノブ(58)が先日、都内で行われたBS11で放送中の大人アニソン音楽番組『Anison Days』(毎週月曜 後11:00)の「放送100回記念2週連続スペシャル」収録会に参加。昭和、平成と多くのアニソンを歌ってきた2人は「最近のアニソンは難しい。テンポが早くなってきた」「昔は低予算だったので、40分以上収録するのが難しかった」など、時代の流れから見たアニソンの歴史や業界の変化などを振り返った。

音楽番組『Anison Days』収録会に参加した(左から)酒井ミキオ、 オーイシマサヨシ、影山ヒロノブ、森口博子(C)ORICON NewS inc.

音楽番組『Anison Days』収録会に参加した(左から)酒井ミキオ、 オーイシマサヨシ、影山ヒロノブ、森口博子(C)ORICON NewS inc.

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 同番組は時代を彩ってきたアニソンの歴史と楽曲の魅力をさまざまな角度からひも解くもので、MCの森口と酒井ミキオがゲストとともに番組オリジナルアレンジでスタジオ生ライブを披露する。6月3・10日に放送される「放送100回記念2週連続スペシャル」は、『80年代、90年代、00年代と、10年代のアニソン』がトークテーマ。

 それにちなみ、アニメ『機動戦士Zガンダム』のOP「水の星へ愛をこめて」(85年)など多くのアニソンを担当してきた森口は「最近のアニソンは難しい」と告白。理由については難解なメロディーの流れや、ブレスのとり方の変化に加え、「このコード進行があるからそこのメロディーにたどり着けないとか…、テンポが速い」と説明した。

 『ドラゴンボールZ』のOP「CHA-LA HEAD-CHA-LA」(89年)などを歌い、番組にゲスト出演する影山もテンポの速さに言及し、「対応できるテンポというのが、俺よりオーイシ(マサヨシ)君とか(の方)ができている」と話すと、別名義で『けものフレンズ』主題歌などの作詞・作曲を担当しているオーイシも「今どきの曲でも、めちゃくちゃ練習しています」と笑顔。

 テンポが速くなった背景としてオーイシは「大きな影響を与えたのはボーカロイドの文化だと思います」と分析。「ボーカロイドの登場で人力では難しいことができるようになった。ジェットコースターのようなメロディーを機械で歌わせる文化が流行ったため、今度は『人で歌わせたらどうなるのか?』という流れになってアニソンもその波の影響で複雑化、テンポが速くなっていたんだと思います」と言い、「チャレンジする楽しさなどはアニソンを熱くさせる。大変な部分はありつつも、ある意味では良いと思います」と歌い手側の影響も語った。

 アニソンの歴史について影山は「感じるのは、この30年の間にアニソンを含めたアニメの文化がすごい勢いで世界へ飛び出していった。日本の社会においても昔はアニメと聞くと『オタクだ!』なんて言われていましたが、今ではすべての方にとって“アニメ”はなくてはならないアイテム、存在になった」と平成のアニメ文化を振り返る。

 「アニソンもアニソンシンガーが歌う時代から、自分たちが曲を作って自分たちが得意なことをドンドンやっていく自由な音楽の世界になったと思います」と業界の変化も告白。さらに「環境も昔は低予算だったので、よく歌を収録する時に『40分以上は歌わせないぞ!』と言われたり…」と話すと、ほかの3人は「えー!」と驚きの声。

 収録するスタジオ料の関係(延長料金など)が例として上げられ、オーイシは「今は(しっかりしたものが)収録できるまでやる。貴重なお話です…」と先輩方が積み重ねてきた歴史に興味津々だった。

 影山はライブパフォーマンスでもアニメ文化の変化を感じるという。「今は世界中で『日本のアニソンが愛されている』という認識が定着していますが、海外のライブに最初呼ばれた時は『海外に行くのは良いけど、お客さん居るのかよ!?』と心配になっていましたね」と回顧。

 「ブラジルとかに行った時、観客が日本のアニソンを知っていることに対して、(ステージ上から見た景色は)信じられない光景だった。知らない間にアニメの文化が育っていたんだなと。日本の車などは大きなお金やプロジェクトがあって世界に発信すると思いますが、アニメやアニソン文化はそういうことを経ず勝手に広まっていったと感じます」と熱弁した。

 これらの歴史の歩みに森口も「影山さんを含めてアーティスト、スタッフの方々が丁寧に楽曲を作って行ったおかげで今の時代に繋がっていると思います。ジャンルもポップスだけでなく、ロック、ジャズなど世代や国境を越えたのは誇らしいできごと」と語る。

 また、「海外ライブでは、観客が日本語で歌ってくれる。アニメを見て学んだみたいで、トークでも『ガンダムの曲で…』と言うと『うぉー!』、『30年前の曲で…』と話すとゲラゲラと笑ったり、掛け合いまでも日本と一緒なんです」と驚きがあるという。

 オーイシもアメリカでのライブで同じようなことを経験したそうで「テキサスで『make some noise!』と言ったのですが全く通じなくて、『騒げ!』と言ったら『わー!』と盛り上がったりと…」と笑いながらアニメを通じて日本の文化が浸透していると伝えた。

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  • 音楽番組『Anison Days』収録会に参加した(左から)酒井ミキオ、 オーイシマサヨシ、影山ヒロノブ、森口博子(C)ORICON NewS inc.
  • 音楽番組『Anison Days』収録会に参加した森口博子 (C)ORICON NewS inc.
  • 音楽番組『Anison Days』収録会に参加した影山ヒロノブ (C)ORICON NewS inc.
  • 音楽番組『Anison Days』収録会に参加したオーイシマサヨシ (C)ORICON NewS inc.
  • 音楽番組『Anison Days』収録会に参加した酒井ミキオ (C)ORICON NewS inc.
  • 番組出演者と笑顔でかめはめ波
  • 音楽番組『Anison Days』収録会に参加した(左から)酒井ミキオ、 オーイシマサヨシ、影山ヒロノブ、森口博子(C)ORICON NewS inc.

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