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福山潤、『おそ松さん』並に破天荒だった18歳 学校の“在り方”に反発…声優業の糧に

 アニメ『コードギアス 復活のルルーシュ』ルルーシュ役や『PERSONA5』雨宮蓮役など、数多くのキャラクターを演じてきた声優・福山潤(40)。そんな彼が社会現象にもなった『おそ松さん』の劇場版『えいがのおそ松さん』に6つ子の四男・松野一松役で出演する。映画は18歳の6つ子たちが描かれ「18歳のころの一松は自分と似ている」「カラ松みたいなファッションを高校の時にしていた」「授業をサボるなど悪ガキみたいなことをしていた」など高校時代を振り返りながら、『おそ松さん』が人気となった理由を聞いてみた。

『えいがのおそ松さん』四男・一松役の福山潤

『えいがのおそ松さん』四男・一松役の福山潤

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■文字では伝わらない魅力「声に出して初めて面白くなる」

――初の劇場版となる今作ですが、お話を最初に聞いた時の心境を教えてください。また、『おそ松さん』がここまで愛されている理由は一体なんでしょうか。

 届いたシナリオを読んだ時はワクワク、ドキドキよりも恐怖が先にきました。「何をやらされるのか…」と。ほかの作品でも恐怖は感じますが、『おそ松さん』は作品が破天荒なので、映画化のお話をいただいた時は特に恐怖と心配がありましたね(笑)。収録中もその気持はありましたが…。この作品の面白さは、声に出して初めて面白く感じることかなと。ファンならわかると思いますが、作品にはパワーワードが出てくる。台本の文字情報だけじゃそこまで面白くないのですが、声に出して面白くなる。これが『おそ松さん』の侮れないところですよね。

 ヒットをするとは思いましたが、社会現象になるまでの売れ方は予想できませんでした。あの時代はコント番組やギャグアニメが少なかったのも影響していると思います。新鮮さもあり「今の時代に受け入れられるな」って。『進撃の巨人』『まどか☆マギカ』などの超ヒット作もありましたが、どれもシリアス要素が含まれていた。「こういう話だと思わなかった」「アクションで見せる凄惨なストーリー」などが受けていて、王道らしい王道が下火になっていた。

 僕らはアニメ業界に近いところで仕事をしており、年代的にも色んな作品を見ているので、新鮮さを感じることは少ないのですが、10・20代の若い子は『おそ松さん』のようなやり過ぎるギャグアニメの“笑い”に新鮮さを感じたと思います。懐かしいと感じる面白さ、初めてみる面白さもあって、各年代に受けた。あと、シリアスな作品を見ていた揺り返しで、ギャグが受けたのもあるかも知れませんね。

■一松の役作りは一切なし「“普通”を演じる」追求
――18歳の6つ子たちが描かれますが、どのように役作りをしましたか。

 現在の一松と自分は1ミリも似ていないのですが、18歳のころの一松は自分の18歳の時と似ていますね。上辺だけで人と付き合うところとか(笑)。学校の中で自分という存在をキープしながら、学生生活をどうやり過ごすか。一松の気持ちが大変わかりましたねー。自宅に帰った瞬間に目が死んでいるとか、ありましたよー(笑)。ほかのキャストの方は役づくりに苦労している様子でしたが、僕の場合は当時のままをやるだけ。普通の人を演じるという状態でしたので、逆に役を作らないことを意識しました。

 ほかの作品ではやるのですが、『おそ松さん』に関しては、自宅で声を出して練習はせず、台本を黙読と口パクするだけで、現場で初めて声を出すというやり方をしています。

――おそ松役・櫻井孝宏さんから「役作りが徹底していて、気合いが違った」と伝言が…

 うっそ! わからないものですね…(笑)。自宅でやらない理由は現場で集中したいということがあったので、現場で集中している姿を見てそう感じたのかも知れません。一松はキャラクターがすでに完成していて、練習して作り上げるのはどうかなと。現場の雰囲気にあわせて作り上げるのが吉と思いました。「ふざける」行為でも、しっかり現場でやらないとコメディーにならないですし、シリアスなシーンもしっかり演じないと全体がボヤけてしまう。

 ほかのキャストの方もそうだと思うのですが、『おそ松さん』でほかの仕事のうっぷんを晴らすんです(笑)。逆もあって、ほかの仕事で頑張った、得たものを『おそ松さん』で活かす。色んな形で、『おそ松さん』を中心に仕事をしていた時はそんなことがありました。

■「文化祭参加しない、授業サボる…」破天荒な高校時代 初告白のカラ松ファッション

――18歳の時のご自身はどういう人物でしたか。

 キャラを作ったり、みんなと波長を合わせて行動するみたいなことをしていましたね。文化祭の時に「バンド組もうぜ!」と誘われて、一度は承諾したのですが「なんか違う」と感じて脱退し、文化祭自体にも参加しなかった(苦笑)。当時は養成所に通っていてレッスン日と文化祭の日が重なっていたので、それを理由に休もうとしたのですが、それもなんか違うなと。「文化祭の準備は手伝うけど、当日はいいや」ということで、参加しなかったです。

 ですが後悔は全くしていません。その時にしかできないことはあるのですが、「できなかったらできなかったで、それもその時にしかできなかったこと」だと思っている。あの時は「養成所に通う」ということが、その時にしかできないことでしたので。「文化祭楽しかったよね」とみんなが語る中で、「体験していないんだけどね!」という奴がいるのも面白いかなと(笑)。 高校3年生は「トライアルな時期」と決めていた。1年生、2年生のころは進学や就職があるので真面目に授業を受けていたのですが、3年生になったら学校に行く意味がないなと感じ始めて。養成所に通い始めたのが2年生の頭なんですけど、3年生になると進路を決めなくてはならない。東京に行くという目的があったので、地元で就職が決まったら断らなくてはいけない。進学も演劇科がある大学は授業料が高くて親にも負担がかかるので、断念した。そしたら急に「学校に行く意味がない」という価値観が生まれました。

 そこで「今までやったことないことしよう!」と思ったわけです。「隣のクラスで授業を受けていつバレるか」とか、「出席はするけど授業は出ない。ホームルームには出るけど帰る」みたいな、今までやったことないことをしていましたね(笑)。そんな悪ガキみたいなことをしていましたが、高校2年生まで真面目に通っていた人間なので、イメージは急に変わらないこともあり「真面目な奴が変なことをしている」程度。学校の先生は心配するのですが、真面目のイメージがあるので出ていない授業も何故か出席になっていたことも(笑)。

――『おそ松さん』の作品並に破天荒だったようで…、その時の行動は役立っていますか。

 この行動は全くやる必要ないことなのですが、「やってみて、どうなんだろ?」ということは、やってみなきゃわからないという単純な理由から。「やってみたかったら、やる」これだけです。実はカラ松みたいなファッションを高校の時にしていましたよ。タンクトップを着て、その上にベストデニム、そしてオールバックにサングラス。これは、初めて告白しますが、高校2年生の夏に同じ格好をしていました(笑)。周りから引かれましたよね…。

 当時は養成所に通っていましたが、「役者として必要な経験」のためやったのではなく、単純に1人の男子高校生の好奇心だけです。「二度あんなバカなことはしない」と人間的に成長させていただきました。今では「あんな行動をすると、周りの反応や目はこうなる」ことを知った。恥ずかしさを知っているわけで、ハートも強くなりましたね(笑)。

(C)赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019 カメラマン/祭貴義道

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  • 『えいがのおそ松さん』のメインビジュアル (C)赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019
  • 『えいがのおそ松さん』の場面カット (C)赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019
  • 『えいがのおそ松さん』の場面カット (C)赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019
  • 『えいがのおそ松さん』の場面カット (C)赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019
  • 『えいがのおそ松さん』の場面カット (C)赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019

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