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古坂大魔王&SKY-HIスペシャル対談 “情報鎖国”の日本から世界へ飛び出すカギとは?

 PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)で世界中に一大旋風を巻き起こしたピコ太郎の軌跡をつづった、古坂大魔王の書籍『ピコ太郎のつくりかた』(幻冬舎×News Picks Book)が1月31日に発売された。同書の軸となっている「世界から見た日本の芸能」という視点を多角的に語りたいという古坂が、ラッパーでシンガー・ソングライターのSKY-HIAAA・日高光啓)を対談相手に指名。親交のある2人が、熱い思いをぶつけ合った。

スペシャル対談を行った(左から)SKY-HI、古坂大魔王 (C)ORICON NewS inc.

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 一足先にSKY-HIがインタビュールームに到着して、程なくして古坂の声が近づいてくる。「オレ、日高って日高のり子しか知らないよ。あっ、もう来ていたんだ」。SKY-HIも「本当に、起きてすぐカツ丼を食べるような感じでしょ」と古坂の濃厚な絡みを笑顔で紹介するなど、冒頭から2人の仲の良さを感じさせるやり取りとなった。まず、古坂に書籍の狙いを聞いてみた。「経済指南書とか自己啓発本にするのはやめようと思っていました。今回は全く再現性のない教科書です。再現性のまったくない、自己啓発本に見えるけど、ただのエッセイという感じです(笑)」。書籍が完成したことで、ピコ太郎ブームを冷静に考えるきっかけにもなったという。

 「トランプとかウガンダとか夢みたいなワードが入っていて、この本は『朝目が覚めて、夢を語っている』という印象です(笑)。人って刺激を浴びると、考え方が変わるんだなというのは強く感じました。例えば、全国ネットの番組に出ている人たちが、ローカル番組を見て『こんな人いるんだ』って言うことがあるとしたら、それを世界に広げると、日本が“ローカル”なんです。その時にピコ太郎が行くと、ローカルから飛び出した感覚があって…。やっぱり、マディソン・スクエア・ガーデンで囲まれるってスゲーなと(笑)」。

 ピコ太郎の大成功に“理由”があったとしたら、それは「ラッキーが何万回も重なったこととインフルエンサーの存在」だと古坂は語る。「日高とかも、楽しいからっていうことで、全く違うフィールドだけど、僕が何かをやっていたら来てくれていたし、そういう人たちが広めていってくれた。損得じゃない、単純に『古坂さんバカだな。面白いな』が一番愛のある言葉だと思っていますが、今回のことはエイベックスじゃなかったらできなかった。日高は、AAAの2年目くらいから『オレ、曲作りたいんです。ちょっとシンセ貸してくださいよ』と話していて、当時僕が住んでいたワンルームでレコーディングをしたこともありました」。

 そんなSKY-HIも、昨年12月に約2年ぶり4枚目のオリジナルアルバム『JAPRISON』(ジャプリズン)を発売。タイトルは「JAPAN+PRISON」と「JAPanese Rap IS ON」を意味する造語で、日本のヒップホップや文化的な閉塞感と可能性を提示する意欲作となっている。「ラップ関係なく、閉塞感あります。こうあるべきだっていうのが強いなとは思いますし、けっこう苦しいなと思っていたところがあって、タイトルから作りましたけど、2ヶ月かけて、自分が感じている精神的な閉塞感、文化的な閉鎖、そういうのを抜け出す鍵を作ろうという気持ちがありました」。古坂の“ローカル”に共通する危機感も持っている。
 「アメリカの耳が早い人たちの間では、韓国が一番ですけど、インドネシア、最近タイのヒットも出ていて、ここ数年でエイジアンラップブームがきていているんです。アジア各国のラッパーとかは全米ツアーとかを普通にやっているし、アジアがマジ来ているなって。アメリカに行くと、アジアが調子いいなということがすぐにわかるんですけど、日本の人たちはその勢いをほとんど感じていないんじゃないかなと思います」。

 古坂も同じ思いを抱いている。「僕らは今、江戸の末期のように情報鎖国になっている。1回でもいいので海外に行くと、やっぱりいろんなことが見えてくるんです。特に、お笑いは音楽以上に鎖国なので、僕らが大好きで憧れている人たちが、世界で知られていないんですよ。それが、すっげーくやしい。あんな天才たちが、ただの言語の壁なんですよ。ピコ太郎は別に一発当たっただけなんですけど、この見た目を知っていてくれることがどれだけ有利かということをいろんな場面で痛感しましたね」。その上で、今の日本の音楽業界を感じる場所が“フェス”であると説いた。

 「僕らの世代の昔の『レコ大』は、トシちゃん(田原俊彦)、マッチ(近藤真彦)、細川たかし、宇崎竜童がいて、その中で誰が勝つのっていうワクワクがあった。今、それに近いなと思うのがフェスなんですよね。B'zがヘッドライナーをやったり、そこに日高がいたり、欅坂がいて、あいみょんがいて、ジャニーズも出てくれば、すごい一番わかりやすいグラミー賞になるんじゃないかな。リアルはフェスですね」。

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  • スペシャル対談を行った(左から)SKY-HI、古坂大魔王 (C)ORICON NewS inc.
  • スペシャル対談を行った(左から)SKY-HI、古坂大魔王 (C)ORICON NewS inc.
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  • スペシャル対談を行った(左から)SKY-HI、古坂大魔王 =古坂大魔王著書「ピコ太郎のつくり方」×AAA日高光啓(SKY-HI)特別対談 (C)ORICON NewS inc.
  • スペシャル対談を行った(左から)SKY-HI、古坂大魔王 =古坂大魔王著書「ピコ太郎のつくり方」×AAA日高光啓(SKY-HI)特別対談 (C)ORICON NewS inc.
  • スペシャル対談を行った(左から)SKY-HI、古坂大魔王 =古坂大魔王著書「ピコ太郎のつくり方」×AAA日高光啓(SKY-HI)特別対談 (C)ORICON NewS inc.
  • スペシャル対談を行った(左から)SKY-HI、古坂大魔王 =古坂大魔王著書「ピコ太郎のつくり方」×AAA日高光啓(SKY-HI)特別対談 (C)ORICON NewS inc.

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