現在、『週刊少年ジャンプ』（集英社）で連載中の漫画原作のアニメ『火ノ丸相撲』の16話に、『大相撲中継』のゲスト解説も務めるほどの好角家（こうかくか）で有名な、デーモン閣下がゲスト声優出演する。このほど、主人公・潮 火ノ丸を演じる声優の阿部敦との対談が実現。年齢も活動範囲も異なるふたりに意外な接点があったことがわかった。

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■まさか閣下と…「マジで!?」って驚きました（阿部敦）

――アニメ『火ノ丸相撲』へのゲスト出演。オファーを受けた時の印象は？

【閣下】相撲を題材にしたアニメーションからオファーを受けて、我輩が出ないわけにはいかんでしょう。それくらいの自負はある。

――16話に登場する蟹江医師役ということですが、いかがでしたか？

【閣下】これまで、我輩がアニメ作品で演じてきたのは、自身の役か、悪の総大将みたいな役ばかり、普通の人間の役は初めてだったので、非常に楽しみにしていたし、やりがいもあったし、見る人も面白がってもらえるんじゃないかな、と思っている。

――阿部さんたちレギュラー陣も驚かれたんじゃないですか？

【阿部】まさか閣下と…「マジで!?」って驚きました。

【閣下】そうなんだ、これまでアニメ作品のアフレコは、我輩だけ別録りだったので、そういうものだと思っていたんだが、レギュラ−キャストと一緒に録るというので、しかも集合時間がめちゃくちゃ朝早くて、「マジで!?」ってこっちも思ったな（笑）。

【阿部】合わせていただいてありがとうございました（笑）。実は、僕、小学生の頃に、たまたま観ていた音楽番組に閣下のバンド、聖飢魔IIが出ていて、そこで聴いた曲がめちゃくちゃかっこいい、と思いました。「満月の夜」（魔暦前７[1992]年）。千円札を握りしめて、短冊形のシングルCDを買いに行った思い出があります。すごく悪魔っぽいなぁ、と思って。あ、悪魔、なんですけど（笑）。

【閣下】自分の小遣いで買ったの？　えらいなぁ。聖飢魔IIの中でもかなりドロドロしている曲だったけど、小学生でそれがいいって、なかなかすてきな感性の持ち主でいらっしゃる。

【阿部】ありがとうございます（笑）。声優としてデビューして10年ちょっと経つんですが、仕事を続けていると、いろんな出会いがあるものだな、と思いましたし、改めて、ずっと変わらずに第一線で活躍されている閣下はすごいと思います。

【閣下】10万56年ほど生きているからな。

???長く続けてゆく秘訣は何ですか？

【閣下】人と違う、自分ならではの武器を持つっていうのは大事だと思うぞ。武器は多くてもいいし、一個でもいいんだ。

■相撲界に多大な貢献をしている作品（デーモン閣下）

　日本古来の武道であり、数少ない無差別級格闘技として「大きく」「重く」ある者が絶対的に優位であると言われている相撲。漫画＆アニメ『火ノ丸相撲』は、「国宝」と言われる、類まれなる体格と才能を持った選手たちがひしめく高校相撲の世界で、身体の小さな主人公・潮 火ノ丸（うしお・ひのまる）が、弱小相撲部の仲間たちと一緒に高校相撲の頂点を目指していく物語。

――好角家の閣下から見て、原作漫画やアニメの感想は？

【閣下】深い！　数ある相撲漫画の中でも非常に個性的な設定で、ストーリーも破天荒なんだが、相撲ファンから見て変な感じはないんだよね。そこがすごい。相撲ファンじゃない人でも楽しめるところがさらにすごい。この作品をきっかけに本物の相撲に興味を持つ人も増えているんじゃないかな。相撲界に多大な貢献をしている作品だと思う。

――そもそもの話で恐縮ですが、閣下が相撲好きになったきっかけは？

【閣下】公式発表としては、300年前から。“世を忍ぶ仮の”現世での話としては、小学校2、3年生の頃には、ほぼ毎日、自分の意志でテレビの大相撲中継を観ていた。学校でも休み時間になると同級生と相撲をとっていた。そんな日々が続いて、大学生になっても、プロのアーティストになっても、相手を見つけては相撲している。社会に出てからはもっぱら侍従が相手。だから前さばき（相手に有利な体勢を許さないように取る一連の動き）など、動きが理解しづらい技術も解説できるんだな。

――阿部さんは？

【阿部】相撲は日本の国技ですし、場所中は中継番組はもちろん、スポーツニュースで結果も知ることもできますし、祖父母がよくテレビで観ていた印象もあるんですけど、それ以上に関わることはなかったですね。ちびっこ相撲の経験もなくて。それが、今回、アニメ『火ノ丸相撲』に出演することが決まって、高校相撲の名門、埼玉栄高校へ見学に行かせてもらいました。相撲部員たちがぶつかり合う瞬間、その威力、迫力を目の当たりにして、圧倒されましたし、お芝居の勉強にもなりました。巡業も見に行かせてもらって、新たに知ったこと、興味が湧いたこと、たくさんあります。僕自身の世界が広がりました。

【閣下】新しい人生の扉が開いたわけね。面白いね。

――視聴者や相撲界にメッセージをお願いします。

【阿部】ダチ高（大太刀高校）に入学した火ノ丸が、一から相撲部を作ってインターハイ県予選で優勝して、いよいよ全国大会です。ダチ高の仲間たちの絆も強固なものになって、それぞれが負けられない想いを抱いて全国大会に挑むのですが、それは相手も同じ。相撲だけでなく、信念のぶつかり合いみたいにもなってきて、火花散る激しい戦いが続きます。新たなキャラクターも、閣下が演じる蟹江医師も登場しますので、毎回の放送を楽しみにしていてください。

【閣下】『火ノ丸相撲』のような相撲を題材にした、おもしろい漫画・アニメをきっかけに、本物の相撲も観てみようと思ってくれた人たちをがっかりさせない相撲界であってほしいし、そのために自分ができることはしていきたいと思っている。

　「昭和」が終わる頃、相撲界では、千代の富士に陰りがみえて、平成3年（1991年）に引退するんだけれど、代わりに若乃花、貴乃花の兄弟力士が急成長して、若貴ブームが巻き起こり、世代交代が一気に進んだ。奇しくも間もなく「平成」が終わる。昨年の十一月場所では貴景勝が幕内最年少で初優勝。伸び盛りの若手力士がどんどん出てきているんだな。新たな時代に突入しそうで、本当に楽しみ。だからこそ、手綱を締めるじゃない、兜の緒を締めるじゃない、ふんどしを締め直してかからないと、いかんな。

【阿部】うまい！　『火ノ丸相撲』の収録もふんどしを締め直して、しっかり務めたいと思います。

■放送情報
TOKYO MX：毎週金曜　後10：00〜
AbemaTV：毎週金曜　後10：00〜
BS11：毎週金曜　後11：30〜
サンテレビ：毎週金曜　後11：30〜
テレビ愛知：毎週土曜　深2：50〜
TVQ 九州放送：毎週金曜　深1：58〜

■アニメ公式HP　hinomaru-zumou.com
■公式Twitter　@hinomaru_zumou