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今年で25周年! 応募総数1万通 正月恒例のさんま&玉緒『夢かなえたろか』ができるまで

 “お笑い怪獣”明石家さんま(63)と中村玉緒(79)の名コンビによる、正月恒例のTBS系バラエティー特番『さんま・玉緒のお年玉 あんたの夢をかなえたろかスペシャル』(『夢スペ』)が、今年で25周年という節目を迎える。14日の午後9時から放送される25周年特別版では「スポーツキャスターになって憧れのプロ野球選手にインタビューしたい」という女子高生の夢や、「解体する吹奏楽の聖地・普門館で演奏したい」という学生の夢などをかなえる。総合演出を手がける高田脩氏(36)は「今年は25周年なので、めちゃくちゃ豪快です」と胸を張る。

14日放送のバラエティー特番『さんま・玉緒のお年玉 あんたの夢をかなえたろかスペシャル』(C)TBS

14日放送のバラエティー特番『さんま・玉緒のお年玉 あんたの夢をかなえたろかスペシャル』(C)TBS

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■お笑い怪獣を黙らせる?VTR作りのポイント 番組作りの原点はマイケル・ジョーダン

 高田氏が同番組スタッフに加わったのは3年前。「お笑い怪獣のさんまさんが、こんなにも長い時間VTRを見る番組は他局も含めてないので、そういった意味でも非常に貴重な番組。本番中もさんまさんが笑っているかなと、気になって見てしまいます」と語るが、それゆえに本編のVTRの選定にはじっくりと時間をかけて取り組む。今年は1万通の応募の中から6つの夢がかなえられた。「1万通から選ぶのは、正直めちゃくちゃ大変です(笑)。まず、放送後に一気に応募がきて、その後も随時やってくるんです。もちろん、全部に目を通すので、それを読むだけでも2〜3ヶ月くらいはかかります。そこで絞ってから、インタビューや夢をかなえるために動き始めるので、費用対効果が合っていないんじゃないかなと(笑)」。

 夢を選定する中で、いろいろな発見があるという。「『おっさんずラブ』が話題になった時には、田中圭さんに関する夢が 送られてきたり、今回の特番で言えば『吹奏楽の聖地である普門館で演奏がしたい』という夢は、去年の3月に普門館が取り壊されるというニュースが出てから一気に増えたので、そういった意味では世相を反映している部分もあります」。夢を採用する基準はあるのだろうか。「いろんなパターンがあります 。今年叶えないとダメな夢、思いが強い夢、色々な採用基準があります。思いが強い、キャラがいい、それぞれのパターンがあります。旬な夢を採用することもあるので、決まった基準があるわけじゃないので、みなさんがかなえたい夢をぜひ応募してくださればという気持ちです。『こんな夢があるんだ 』っていう、制作側びっくりするような応募を待っています」。

 25周年を迎えた今でも、番組としてブレない視点がある。「2年目の1996年に米国人バスケットボール選手の『マイケル・ジョーダンに会いたい』という夢をかなえたことがあったのですが、ジョーダンさんってバラエティー番組に出ない方なんだそうですが、阪神淡路大震災があった時に実現したものなんだそうです。日本以外でも、バラエティーへの出演はそれが唯一というくらいの貴重な映像になったのですが、この番組でしかできない夢をかなえたいというのは気をつけています。この番組の正式タイトルに『お年玉』というのが入っているのですが、年に1度は理由なしで視聴者の方に豪華なお年玉として還元しようという部分は番組の存在意義だと考えています」。

中居正広の兄貴感に刺激 『夢スペ』演出に継承されている『めちゃイケ』イズム

 現在36歳の高田氏。幼少期に“視聴者”として見ていた番組に“作り手”として携わることができる喜びを感じている。「視聴者として楽しんでいた番組に関われるのは、今回が2度目で、この前には『ウンナンの気分は上々。』の復活スペシャルをディレクターとして担当させてもらいました。その時は『あー、オレ縦スーパー(テロップ)をやってる』って思いながら番組を作っていました(笑)。『夢スペ』も同じ気持ちで、感動と驚きの中で作っていますが、番組の形がすごくテレビっぽいなと感じますね。25年前からやっているというのもあるかもしれないですが『ザ・テレビ』っていう印象を受けます」。

 実質的なディレクターとしてのデビューは、2009年の特番を経て翌10年からレギュラー放送された『クイズ☆タレント名鑑』だった。「(演出の)藤井健太郎さんはテレビが大好きな方で、そこで僕はディレクターとしていろんなことを教えてもらいました。そのノウハウは『夢スペ』にも生きていると思っています」。現在は『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』や『なかい君の学(まなぶ)スイッチ』で、中居正広とともに番組作りをしているが、中居の熱意に刺激を受けているという。「ご自分で考えてくる方なので、『うわ、ここまで考えてきてくれているんだ。中居さんがここまでやってくれているなら…』という兄貴感のようなものを抱いています」。

 そんな高田氏が、これからの『夢スペ』でかなえたい夢は何なのだろうか。「1年を通して、その人の夢を追いかけるということをやってみたいですね。そんな長期間にわたって追い続ける夢ってなんだろうっていうのは、考えるだけで楽しみです。ただ、それを15分から20分のVTRにまとめるというのは、さすがに会社に怒られてしまいそうですが(笑)」。岡村隆史がMCを務めた『時間がある人しか出れないTV』では、「2015年にテレビで一番笑いを取った芸能人ベスト100」と題した企画を実施。若手芸人を中心とした「TVウォッチャー」たちが2万時間以上を手分けして見て、笑わせた回数をカウントしたものを発表するという労力がかかる番組作りをしている高田氏。そこには確固たる信念がある。

 「やはり、映ってないところで、裏でどれだけ汗をかいているのか、その凝縮された分は番組の出来栄えに反映されるじゃないかと考えています。その作り方は、他局ですがやっぱり『めちゃイケ』のオファーシリーズで岡村さんがやられてきた、青ジャージ伝説の影響を受けています。ヨモギダくんが大人になる過程を追っていったり、あの連なっている影でずっと密着している感じ、そこへの憧れはあります。お金も人手もかかるので、あんまり好まれない手法かもしれないですけど、年に1回、『夢スペ』くらいはやってもいいんじゃないかなと(笑)。だから、今後は長期間かけての密着もやりたいです」。

 かなえた夢をきっかけに、確実に前に進んでいる人たちがいる。「昨年のプロジェクションマッピングをやった高校生も、慶應大学に受かって、自分の夢に向かって進んでいますし、番組がきっかけでテレビ業界に興味を持って、この番組のADをやっている子もいます。それは続けているからこその強みだと思うので、そこは大切にしていきたいですし、番組をきっかけに大きく巣立ってくれたらいいなと楽しみにしています」。

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