その地域に住んでいる人には有名でも、ほかの地域の人には知られていないローカルCMという存在。しかし、中には権威あるCMの賞を受賞しているものや、全国で大々的に放映されるCMにはない独自の魅力を放つものも少なくない。そこで、ORICON NEWSでは近畿地方在住の男女300人に「好きな関西ローカルCM」について調査を実施した。
■関西人なら知らない人はいない?「551蓬莱」
見事1位となったのは、「551蓬莱」のCM。「551蓬莱」は大阪を中心に関西地区に展開する豚まん(肉まん)、シュウマイ、アイスキャンディーなどの販売や中華レストランを運営する企業。「豚まん」は全国的にも有名であるが、店舗の全国展開を行なっていないことで有名で、まさに地元重視企業といえる。
■実は受賞歴多数の名作「関西電気保安協会」
2位は、「関西電気保安協会」。「幼少期からずーっと流れているCMであのシュールなCMと口ずさむ会社名が頭から離れません」(20代女性・京都府)「素人ぽさをウリにし、斜め上を行く展開が最高。もちろん関西電気保安協会のフレーズが秀逸」(40代男性・兵庫県)といった意見にあるように、タレントを一切使わず、主に同協会の職員を使ったシュールなやりとりと、サウンドロゴが支持を集めた。これを作り出したのは、演出を手掛けた広告界の巨匠・川崎徹氏。「キンチョール」「フジカラー」など他の追随を許さない多くの名作CMを手掛けた川崎氏が、あえて素人を起用し、出演者が緊張のあまり目が泳いでいたり、棒読みのようなセリフ回しをするといった、タレントでは絶対にありえないシュールでユーモラスなCMを生み出した。また、サウンドロゴも川崎氏が即興で作り出したもの。ちなみに音商標として商標登録もされている。昭和51年の放映開始から現在まで約130本制作されており、一般社団法人全日本シーエム放送連盟(ACC)が1961年より開催している広告賞「ACC CM FESTIVAL」では、第50回のACCブロンズ賞をはじめ、21回もの入賞歴をもつなど、ローカルCMの枠を超えた評価を得ている。
■関東人は知らない一面 岡田准一「超ひらパー兄さん」
3位は、大阪府枚方市にある遊園地「ひらかたパーク」。通称である「ひらパー」を冠した「ひらパー兄さん」というイメージキャラを打ち出し、2009年からお笑いコンビ・ブラックマヨネーズの小杉竜一を起用した広告を制作し、話題となった。そして101周年を迎えた2013年、大阪府枚方市出身のV6・岡田准一を「超(スーパー)ひらパー兄さん」として起用。多くの映画出演で、そのシリアスな演技力を評価されていた岡田が、関西ノリ全開のユニークなCMに登場すると、「映画とひらパー兄さんのCMでみせる岡田君のギャップが楽しい」(30代女性・大阪府)「ジャニーズのイケメン岡田准一くんが関西弁を喋ってインパクトのあることをされているのでかなりレアだと思います。関西人でも初めて観た時は衝撃でした」(50代女性・大阪府)とさらなる好評を得た。「ひらパー兄さん」はその後、「園長」に就任。岡田が出演する映画のパロディポスターを制作することも恒例となり、「内容も面白いしとても頑張ってる感じがする。次は何かとワクワクする」(50代女性・大阪府)と新作が待望されるCMとなっている。
■10年ぶりリニューアルでも曲は変わらず「ホテルニューアワジ」
4位は、兵庫県・淡路島をはじめ、神戸・京都・香川に13のホテルを展開する「ホテルニューアワジ」。「気づいたら口ずさんでいる」(30代男性・兵庫県)「ホテルニューア・ワ・ジ〜♪のフレーズが耳に残る。妙に色っぽいCM」(30代女性・大阪府)とあるようにCM最後のフレーズが多くの人に印象を残しているようだ。テレビCMの開始は1982年頃で、88年頃から現在の演歌調のフレーズになったという。今年の7月に10年ぶりに完全リニューアル。同社初のタレント起用となる淡路島出身のモデル・朝比奈彩でCMが制作されたが、おなじみのフレーズは健在で、朝比奈自身が歌うバージョンも。
■ポイントは「頭から離れないフレーズ」と「笑い」
これまで紹介したものをはじめ、調査で支持を集めた関西ローカルCMにはある共通の要素がある。頭から離れない独特のCMソングやフレーズがそれだ。TOP10内では、黒沢年男と吉本芸人・パンチみつおがCMソングを歌う「オウミ住宅」(5位)や、関東などでも放送されていたため、選からもれたが、「タケモトピアノ」「かに道楽」など。お決まりのフレーズでは「京橋はええとこだっせ♪」の「グランシャトー」(8位)、「KYK、う〜ん」の「KYKとんかつ」(9位)「なが〜い、おつきあい」の「京都銀行」(10位)、などがある。
CMソングの分野において関西は「浪速のモーツァルト」キダ・タロー氏を擁しているから、というわけではないだろうが、CMソングやおなじみのフレーズを「何度も聞くうちに、つい口ずさんでいた」という人は珍しくないだろう。まさにその効果を証明するような結果といえる。また、ユーモアの要素があるものが好まれる傾向にある。3位の「ひらかたパーク」のように、東京でクールな俳優のイメージの強い岡田も、関西ローカルでは全力でユーモアたっぷりの“兄さん”であったり、2位の関西電気協会も、数多くのCM賞に輝く傑作CMでありながら、おかしさにあふれているのは、やはり“関西”という地域性がなせるわざかも知れない。
好きな関西ローカルCM TOP10
1位 551蓬莱
2位 関西電気保安協会
3位 ひらかたパーク
4位 ホテルニューアワジ
5位 オウミ住宅
6位 大阪ガス
7位 関西電力
8位 グランシャトー
9位 KYKとんかつ
10位 京都銀行
10位 たこ昌 たこ焼き
10位 有馬兵衛の向陽閣
【調査概要】
調査時期:2018.11.19(月)〜11.30(金)
調査対象:計275名
自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員
10代、20代、30代、40代、50代の男女
調査地域:近畿地域(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県)
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ
2018/12/19