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『パタリロ!』魔夜峰央氏、スランプ乗り越え連載40周年「つらくも楽しくもない、フラット」 200巻に向け意欲も

 ギャグ漫画『パタリロ!』の作者・魔夜峰央氏(65)が1日、都内で行われたトークイベントに出席。連載40周年&コミックス100巻発売を記念して開催されたもので、病気やスランプを乗り越えて執筆した思い出を振り返り、老いを感じながらも「目指すは200巻!」と今後の創作活動に意欲を見せた。また、2019年に公開される実写映画の予告編も初解禁され、会場を盛り上げた。

トークショーに出席した(左から)魔夜峰央氏、加藤諒 (C)ORICON NewS inc.

トークショーに出席した(左から)魔夜峰央氏、加藤諒 (C)ORICON NewS inc.

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 1978年11月20日に『花とゆめ』(白泉社)で連載が始まり、テレビアニメや舞台化もされた同作は、マリネラ王国国王のパタリロ・ド・マリネール8世(通称:パタリロ)が周囲を巻き込んで起こす騒動を描いた物語。複数の雑誌に同時連載していた時もあったが、現在は『マンガPark』で連載中で、82年にテレビアニメが放送、16年と18年に加藤諒主演で舞台化もされた。

 先月11月20日に連載40周年を迎え、同時にコミックス100巻も発売。少女漫画界のギャグ漫画としては歴代1位の長編作品で、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』『ゴルゴ13』など国内で発売されている同一タイトル作品で100巻以上刊行された14番目の作品となり、「おめでとう!」「どこまで続くんだ」など驚きと祝福の声があがっていた。

 40周年&100巻という節目を迎え冒頭に魔夜氏は「40年で100巻に達成しましたが、目指すは200巻。なのであと40年待ってください」と宣言しファンを驚かせた。

 イベントは「『パタリロ!』がいつテレビアニメ化になったのか」、「魔夜氏がいつ入院したのか」などをまとめた魔夜氏の歴史年表を見ながら解説する方式でトークを展開。二十歳にデビューした当時(1973年)のころは「デビューしたら仕事なんて次々と来ると思っていた。だけど仕事は待っていて来るわけがない。どんどん描いて持ち込むんですが、どんどん落ち込んでいき、あの時が一番大きいスランプだった。生きるか死ぬかくらいまで追い詰められて、22から24歳くらいですかね…、漫画家として続けることを諦めるかなと思った」とデビューしてすぐに漫画家として危機を迎えたと告白。

 78年に『パタリロ!』の連載がスタートしたが「10年ほど漫画家だけでは食べる(生活する)ことはできなかった」と振り返った魔夜氏。同作が100巻まで続いた中で一番大変だったことをファンから聞かれ「『パタリロ!』を描いていて大変だったことはない」と断言。

 「ほかにもたくさん作品を描いているのですが、それらは全部大変。『パタリロ!』だけ大変ではなく、だから続いているんですよ。何も考えずに描き始めて、パタリロが何かやってくれることを待っているだけでいいから」とキャラクターたちが作品を作りあげたと説明した。一方、楽しかったことは「つらいことがなければ、楽しいことはない。ずっと平らで、止まった心臓みたい。フラットでやっている」と笑いを誘った。

 『パタリロ!』を40年巻描き続けて100巻発売となったが、自身の老いを感じるそうで「おととしくらいまで、集中力がなくなってきて、どんどん絵が描けなくなった。気力や目も衰えてきて、キャラクターの細かいまつ毛が描けなくなった」と心境を明かし「そこから元気になって、まつ毛も描けるようになって、美形キャラクターも描こうという意欲が湧いてきて(美形キャラ)どんどん出しますよ」と、冒頭に発言した「目指すは200巻」に向かって意気込みを見せた。

 続けて「色々な作品を描いてきましたが、うまく行ったのは『パタリロ!』だけ。『パタリロ!』は気負わず描けるので、ライフワークというかは趣味としてずっと続けていきたいなと思います!」と伝えた。

 この日は舞台版でパタリロ役を務めた加藤諒(28)も駆けつけ、「おめでとうございます」と祝福。3月に実写映画化が発表され同作にも主演で出演することになっており、演じることについて「テンションが高いし、でもみんなのことを想うという表現が難しくて大変だった。でも、快感で楽しかった」とにっこり。

 加藤諒の起用について魔夜氏は「この人しかパタリロはできませんから。実は実写映画化の話はあったのですが、パタリロを務めることができる役者がいない。そこにつきる。でも、実写のパタリロは諒くんに任せる」と絶大なる信頼を寄せていた。

 イベントでは、サプライズで2019年に公開される実写映画『パタリロ!』の予告編が初公開。CGをふんだんに使用した映像の中に、加藤のほか魔夜氏も登場し会場は驚きと笑いに包まれた。撮影秘話で魔夜氏は「人間が出演するところは1ヶ月くらいで終わったのですが、CGの編集作業が半年以上かかった」、加藤も「プロの方々がこだわり始めて、キリがなくなった」と明かした。

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  • トークショーに出席した(左から)魔夜峰央氏、加藤諒 (C)ORICON NewS inc.
  • トークショーに出席した魔夜峰央氏、(C)ORICON NewS inc.
  • トークショーに出席した加藤諒 (C)ORICON NewS inc.
  • トークショーに出席したアメリカザリガニの柳原哲也 (C)ORICON NewS inc.
  • トークショーに出席した(左から)アメリカザリガニの柳原哲也、魔夜峰央氏、加藤諒 (C)ORICON NewS inc.
  • トークショーに出席した(左から)アメリカザリガニの柳原哲也、魔夜峰央氏、加藤諒 (C)ORICON NewS inc.

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