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『RIZIN』榊原実行委員長、KIDさん偲ぶ ライバル団体スターで「PRIDEに出てほしかった」

 今月30日にさいたまスーパーアリーナで開催される『RIZIN.13』の会見が20日、都内で行われ、榊原信行実行委員長が出席。18日に41歳で亡くなった格闘家の山本“KID”徳郁さんを偲んだ。

榊原信行氏 (C)ORICON NewS inc.

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 KIDさんはRIZINに出場したことはないが、KIDさんの姉・山本美憂選手、おいにあたる山本アーセン選手が出場している。そういった関係もあり、KIDさんの父・郁栄氏から情報を発信する許可を得たことを明かし、KIDさんについて語った。

 約2年前にがんが発覚し、今年6月に一時、危ない状態になったという。そこからKIDさんはがんに懸命に立ち向かい、持ち直した。榊原氏は「お父さんはよくやってくれたという感じでした。本人も家族もみんな悔しい。健康になってくれることを祈っていましたけど3ヶ月、壮絶な戦いを繰り広げたことに『誇れる息子だ』と郁栄さんは言っていました」と振り返った。

 がんを公表する経緯についても説明。病気を隠し通すため、地方の病院で抗がん剤治療を行うほどだったが、8月に一部週刊誌でがんがスクープされそうになり、公表するに至ったという。「ああいうかたちで写真が流出した。それが記事になるということがなければ亡くなるまで誰にも言わずに限られた人たちだけで、がんと闘いを続けたかったんだと思う」と忸怩たる思いを代弁。一方で「最後まで弱いところを見ることはなかった」とKIDさんの様子も口にした。

 かつて『PRIDE』の代表だった榊原氏にとって、ライバル団体『HERO’S』に出場していたKIDさんは喉から手が出るほど欲しい選手だったという。「HERO’Sの谷川(貞治)さんが見つけてきた。谷川さんは『俺が口説いたんだ』と言っていますけど、本当にその通り。僕らからすると、むちゃくちゃ欲しかった選手。HERO’SでなくてPRIDEに上がってこそ光るんじゃないかと。HERO’Sの中で誰がほしいかと言われたら、1番最初にKIDが欲しいとPRIDEを主催する我々として思っていた選手」と断言。「とにかく彼の持っている色気。ファイトスタイル、ビジュアルも含めて、格闘技界だけじゃなくてプロアスリートたちのライフスタイルに影響を及ぼすだけのものを持っている。上がってほしかった選手ですね」と在りし日を偲んだ。

 榊原氏は「がんを克服して出場してほしい」とKIDさんにオファーをかけていたが、かなわなかった。「格闘技界においてトップ選手でありながら、指導能力も優れていた。指導者としても優れていた。本当に残念。日本の格闘技界の大切な宝を失った。まだまだ、格闘技界のために尽力してほしかったなぁ、一緒に仕事がしたかったなぁと、そんな思いです」と唇を噛んだ。

 また、『RIZIN.13』で追悼セレモニーを行う予定であることも明かされた。ただ、KIDさんは『RIZIN』に出場したことはなく、榊原氏は「僕らがテン・カウントをやるに相応しい立ち位置なのか自信がない。世の中のみなさん、家族のご意向を含めて、どうするのがいいのか」。それでも「同じ格闘技界という立ち位置としてやるべきことはやる。少なくともファンの思いをKIDに届けるべく、献花やメッセージを受け取って、それをご遺族に届ける」と意向を示した。

 美憂選手は『RIZIN.13』にも出場予定で会見にコメントを寄せ「この度の事で皆様にご心配をお掛けしていますが、私、山本美憂は9月30日のRIZIN.13は予定通り出場いたします」と決意を表明。そして「もちろん勝って弟にいい報告をしたいと思いますので応援よろしくお願いします!」と天国のKIDさんに勝利を誓った。最後は「皆様、沢山の励ましのメッセージを頂き本当にありがとうございます!」とファンに感謝した(コメントは原文ママ)。

 那須川天心選手と堀口恭司選手が対戦するということでも大きな話題となっている。師匠であるKIDさんを亡くした堀口選手の様子について榊原氏は「状況について今はわからない」としつつも、「心中は穏やかではないでしょうね。7月の試合のとき、記者やファンの方も感じたかもしれないけど、いつもより堀口の元気がなかった。普段から寡黙なんですけど、寡黙な以上に思うものがあるんだろうなと触れずにいた。9月の大一番の前に自分の師が亡くなった。心中を察すると…」と思いやった。「そういうものも含めて堀口が、どういう状態で天心戦を迎えるのか。主催者としても気になる」とした。

 榊原氏は「日本の格闘技界の功労者である山本KID選手の死去の直後の大会。そこで山本KIDのDNAを持つ美憂が戦う。多くの人たちの注目を集めると思う。彼女にも期するものがあると思う」と話し、PRIDE時代にアンディ・フグさんが死去した直後の大会を引き合いに出しながら「ファンと選手の熱が想像以上のエネルギーを生む。それを肌で感じたことがある。ファンの熱が選手の背中を押して、いい試合を引き出す。その選手のパフォーマンスがファンの特別な熱を作り出していく」と、ただ悲しみだけで終わらせない大会になることを約束していた。

 また、那須川選手と堀口選手のルールも発表。RIZINキックボクシング対戦ルールで3分3ラウンド(延長1ラウンド)となった。

 KIDさんはレスリング元日本代表の郁栄氏を父に持ち、姉・美憂、妹・聖子(38)も元世界女王の格闘一家。2004年8月にモデルのMALIA.と結婚、長男と長女に恵まれるも2009年8月に離婚。その後、一般女性と再婚し、14年11月に女児、17年8月にも女児が誕生した。

 学生時代からレスリングの強豪選手として活躍し、2001年に修斗でプロ格闘家としてデビュー。04年からK-1にも活躍の場を広げ、同年大みそかには魔裟斗との試合で日本中の注目を集めた。05年からHERO’Sに参戦し、同年大みそかに須藤を下して初代ミドル級世界チャンピオンに。08年からDREAMのリングを経て、11年から世界最高峰の格闘技団体・UFCに参戦していた。

■『RIZIN.13』対戦カード
那須川天心 VS 堀口恭司
大雅 VS 原口健飛
ミルコ・クロコップ VS ロッキー・マルティネス
浜崎朱加 VS 黒部三奈
砂辺光久 VS 越智晴雄
朝倉海 VS トップノイ・タイガームエタイ
朝倉未来 VS カルシャカ・ダウトベック
中村優作 VS マネル・ケイプ
アンディ・ウィン VS 山本美憂
イリー・プロハースカ VS ジェイク・ヒューン
ダロン・クルックシャンク VS ディエゴ・ブランダオン
大砂嵐 VS ボブ・サップ

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  • 榊原信行氏 (C)ORICON NewS inc.
  • (左から)山本“KID”徳郁さん、山本美憂 (C)ORICON NewS inc.

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